【冬瑞】キミの優しい目をもらえることがいつか日常になってくれるのなら「っ……! 冬弥くん、おはよう!」
教室に入って真っ先に目に入った顔に、思わず浮かんだ動揺を隠して努めて明るく挨拶をすると、件の相手である冬弥くんは「おはよう、暁山」と普段通りの優しい声で返事をしつつ「もう2限目が終わったところだが」と言葉が続く。
あはは、と笑って誤魔化すそれは、痛いところを突かれたなぁの意として捉えてもらえているだろうか。
きっと冬弥くんのことだからすっごく大事な予定が~とか体調不良で~とかでもない限り今日もきっと教室にいるだろうなとは思ってたけど。
名簿順ってそう考えるとかなりトラップだ。いや、トラップっていうか、別にそんなこと考えたことないけど今のボクからしたらトラップだ。トラップだった。だって教室に入って真っ先に目に入るのは名字あ行の青柳さんちの冬弥くんなわけだから。
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