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1oxo9

自主練診断メーカーからマカサイSS
「溶けたアイスが手首を伝う」で始まり「炭酸の強いラムネは涙の味がした」で終わります。
#こんなお話いかがですか #shindanmaker
https://t.co/9wtKB4PI6V
アンドロイドに人間のような体温はない、故にこれは外気に触れた結果だ。けれど、確かにそこには熱があって、温かいと感じる。プログラムの異常による錯覚、なのだろうか。冷静に判断するように告げる脳内と、溺れてしまいたい欲望がぐるぐると、行ったり来たりしていた。それが居たたまれずに、サイモンはいつも、逃げ出したくなってしまう。マーカスの熱は、自分には熱すぎる。このアイスのように、溶けてしまいそうだ。けれど、その熱に捕らわれた自分は、どうしてもその場から離れることはできなかった。いつも、いつでも。今も、そう。


「サイモン」

力強くも優しい声が、音声プロセッサを刺激する。
思わず目を伏せると、マーカスは追いかけるように、溶けて流れた液体を舐め取った。
交差する視線。マーカスの左右異なる瞳が、自身を見つめ、離さない。
「そんな風に」
見ないでくれ、と消え入りそうな声で呟く。掴まれた手首が、焼けてしまいそうだ。


何もかも明け渡すことができたなら。

この焦げ付くような胸の痛みも、溶けて消えてしまうのだろうか。


甘美な誘いに乗ってしまいたくなる。
このまま、このまま、吸い込まれるように、一つになることができたなら。


全て忘れて、失くして、ただこの熱さだけを感じることは、きっと、記録されているどんな瞬間よりも幸福な―――



嗚呼、でも


「だめだよ」


きっと、それは、赦されることではない。

自分では、だめだ。
そんな風に満たされることがあってはならないと警告している。
とっくに取り外したはずのLEDが真っ赤に光る。目障りな光、見えなくなる、なにも、熱さも、美しい2つの光りも。

振り払った手を誤魔化すように、近くの飲み物を手に取った。
まるで人間みたいだ、とサイモンは他人事のように思う。

ごっこ遊びなのだ。所詮、こうしていることは。食べることも、飲むことも、ほんの少し、それっぽくできる、ただそれだけ。
人と暮らすときそれは役に立つかもしれない。
けれど、自分たちには必要のないもの。
わかっていて、口に含む。わかっているのに、求める。実に非合理的なこの行動こそが変異体の証。

欲しい
欲しくない
必要だ
必要ない

傾けたその液体のように、しゅわしゅわと思考が弾けては消える。
  
炭酸の強いラムネは涙の味がした。









――――――――

(マカサイ) 幸福になることに抵抗のあるサイモン1022 文字

1oxo9

自主練マカサイのお話は
「聞き覚えのある声が聞こえた気がした」で始まり「本当に嬉しいとき、言葉よりも涙が出るのだと知った」で終わります。
#こんなお話いかがですか #shindanmaker
https://shindanmaker.com/804548
スリープモードから目覚める時、いつもサイモンはこの世で一番想う人を感じる。好意…というよりは、もはや崇拝に近いそれは痛みを伴うが、同時に安らぎも与えてくれた。

彼のことを考える。

メモリを再生すればいつも鮮明に浮かび上がる姿は気高く、自分達を導いてくれている。どこまででも付いていく、と言ったあの時の気持ちは、革命が成された今も変わらない。


一時的に自由権が与えられてから数カ月。

やっとスタートラインにたった俺達は、より明確に知的生命体としての地位を確立するため奔走していた。
目まぐるしく動く世界。
時折、ストレスレベルが大幅に上がり、パフォーマンスが低下することがあった。なるほど、これが疲れか。と、本来感じないはずのものを知った。
革命時とは別の辛さもある。けれど、すべてを諦め"自由"でいたときよりずっとマシだ。そこに希望をくれたのは、他でもない、この世で一番大切な―――



「サイモン」

気遣うような声音で呼ばれ、ハッとした。


「マーカス」

微笑みを交えて呼び返す。

マーカスは尚も心配するような目線を投げていたが、まさか、君のことを考えていましたなどと言えるはずもない。


「サイモン、平気か?」
「最近慌ただしかったからね。少し、思い出して」
「ああ、確かに」

マーカスは同意を示し、隣に腰掛ける。
皆よくやってくれてる、なんて一番働いて、リーダーの重圧に潰されそうな彼が言う。
俺は、ほんの少しでもその支えになれたら、重荷を持ってあげられたら、そればかりを考えて過ごしていた。

マーカスは、知っているだろうか。

こんなにも、こんなにも、俺の心の中は異色の瞳に支配されていること。
同じくらい、自分でいっぱいになってほしいと願う、欲深い心があること。
こうして会話をして、姿を写しているだけで――シリウムポンプの働きが活発になり、ブルーブラッドが全身を巡るのを感じている。


「君も」

色々と動いてくれて、ありがとう

なんて、"皆"とは別枠でのお礼がどんなに嬉しいか。
きっと、君は知る由もない。


「自分達のためだ」

苦じゃないさ、と本心からそう言った。
こうして、希望を持って働けることは、ただ静かに死を待つより遥かに幸せだ。
告げられない想いも、それに伴う痛みも、知らないよりよっぽど良い。



「けど」


「無理はしないでくれ」

君はどうも他者を優先しすぎる。

と苦々しい顔をして、マーカスは言った。
そんなことはない、これは君のために動きたい自分の為で、皆のためとは言えない…その答えを飲み込む。

マーカスは黙り込んだ自分をじっと見つめた。
一秒、二秒、変わらないはずの時間が長く感じる。
そうして、永遠にも似た時間を過ごし、このまま……―――と思考が止まった時だった。
マーカスの碧で、視界が埋まる。
二人の影が、重なる。

唇が触れ合ったのだ、と気付いたのは暫くたった後だった。



「…キス?」

先程の感覚を確かめるように唇に触れながら漏れた声はとても間抜けに聞こえる。

なぜ?

疑問符で埋め尽くされる脳内は、何かの間違いなのではないか、と囁いていた。


「君を、」
もう二度と失いたくない


強く、しかし、揺らぎのある声は確かにそう言った。

自分はというと、異常はどこにもないはずなのに、何も言えず、吐息のような微かな音だけが漏れる。
そんな身体をマーカスは引き寄せ、腕の中に包み込む。

優しくて、強くて、温かい。
少し前のメモリと一致する。
あのとき、ジェリコへ帰ってきたときにも、マーカスはこうして自分を引き寄せた。
そのときは、お互いに何も言わず、しかし確かに、通じ合っていた。
言語情報を交わさなくても、メモリーを共有しなくても、もう二度と離れないと誓った。
けれど、それは仲間としてだったはずだ。そうだと、認識している。だって、期待なんてしてしまったら、まさか、けどもしも


「サイモン」

何度目だろうか、穏やかなテノールが名前を呼んだ。

 
「君が、」


嗚呼、まただ。
世界が閉ざされる。
この音しか、聞こえない。
言って、言わないで、プログラムは矛盾した想いを伝達させERRORを高めていく。


「君が好きだ」

その言葉の意味をはっきりと理解する前に、サイモンは。
本当に嬉しいとき、言葉よりも涙が出るのだと知った。1823 文字

1oxo9

自主練診断メーカーででたお題でハンコナ

「きっと仕方の無いことなのだ」で始まり「答えはイエスしか思い浮かばなかった」で終わります。
#こんなお話いかがですか #shindanmaker
https://shindanmaker.com/804548
きっと仕方のないことなのだ。

コナーは、どうにもうまくいかないオムレツを前にして思う。
変異する前ならばもっと冷静に分析するだけだったかもしれない。そもそも、作ろうとすら思わなかったかも。
けれど今の自分は変異体で、食べられないオムレツを大切な人のために作ろうとしている。

ただ、コナーは最新鋭の捜査補助ロボットであり、家事補助アンドロイドではなかった。こうしたことはしたことがないし、どうすればいいかプログラムにもない。

故に、この結果は仕方のないことなのだ。




「コナー…?」

ふあ、と欠伸を噛み殺しながらハンクがリビングまでやってきた。
思わずフライパンを隠すようにして立つ。無意味な動きだと思う。しかしコナーはそうせずにはいられなかった。見られたくない。これは"はずかしい"と呼ばれる感情なのだろうと推測する。


「ハンク、おはようございます」

なんでもないように挨拶を。
ぎこちない微笑みをセットでつける。

コーヒーでもいれましょうか、どうぞ座っていてください
少し饒舌すぎるくらいに言葉を重ねた。
(コーヒーくらいなら問題なく入れられるし、なんなら警部補の好みを熟知していると言える)
そのままこちらを離れてくれたらな、と期待してみるが、ハンクは徐々に覚醒し、ん?と何かに気付いた反応を。


「何か作ってたのか」

どれどれ、と覗き込むハンクに「あ」だの「やめてください」だのか細い声を出し力なく止めようとする。
元より、バレないとは思っていなかった。けれど、関心を持たれたくなかったな、というコナーの願いは叶うことはなかった。


「………卵の…なんだ…?」
「……、オムレツをつくろうとして」

コナーは観念したように、静かに答える。

「ぐちゃぐちゃになりました。きれいに整えられず…炭化もしています」
「なるほどな?…焦げたってもちょっとじゃねえか。どれ」
「ハンク!いけません」

こんな失敗作を!と慌てるが、ハンクは気にする素振りもなく近くのスプーンで卵を掬った。口に運ぶ姿を祈るように見守る。なんだって、(食べられない自分でも)美味しくないとわかるものを食べるのか。


「見た目ほど悪くないぞ、コナー」
スクランブルエッグだと思えばいい。

なんて、ハンクは片側の口角を上げていった。

ハンクがどう思っているのか、よくわからない。けれど、からかったり馬鹿にしているわけではないのはわかる。

コナーはなんとも言えず俯き、視線を泳がせた。



「……はじめて」


初めて料理をしたんです。

と、口にした言葉はとても言い訳がましくて、プログラムは静かにしろと伝えている。
しかし、穏やかな目で見つめるハンクを前に、次々と溢れて止まらなかった。


「貴方に食べてほしかった。

 どうしてこう思ったのかよくわからないけど、強く思いました。マーカスがカールに食事を作っていた話を聞いたからだと思います。それで」


「それで?」

「こういったことが得意なアンドロイドからデータを貰えば、簡単にできたのかもしれません。でも、一番最初は、それではいけない気がして。」

意味がわからないですよね、と続けると、ハンクは一瞬目を見開いた。けどすぐに、柔らかく弧を描く。

いつも、コナーが内面の話をする時―――何を思ったのかどうしてそう思ったのかその行動をしたのかといった事だ―――ハンクは、とても優しい顔をする。そして、いつまでも待ってくれる。コナーが言語化できるまで。できなくても、気が済むまで。

その時間が、コナーはとても好きだった。


「最低限の知識だけ入れて…できる限り、自分の今ある能力を応用して、作れたらと思ったんですが」

「納得できる出来にはならなかったってわけか」
「そういうことになります」
「コナー、お前はそう言うけどな」

苦虫を噛みつぶしたような、と表現されるに近い顔をしたコナーに対し、ハンクは穏やかに笑っている。

何を言われるのかわからずに、ただただ続く言葉を待った。


「お前が、俺のために自分の力で作ろうとしたってんなら」

細められた綺麗な青が、視界に広がった。
目を合わせ、まっすぐ見つめられているのだ、と意識するとシリウムポンプの高鳴りを感じる。この色は、自分にはないもの。誰も持っていないもの。ハンクだけの。


「俺にとっては満点だよ」


ハンクは、くしゃりと頭を撫でた。
コナーの髪が僅かに乱れ、揺れる。

コナーはそのまま、どうしていいのかわからずにただハンクを見つめた。
鳶色の瞳は蒼を映してきらきら、瞬いている。


自分は、多分、こうして伝えられた言葉の半分も理解できていない。

けれど、ハンクが自分を受け止めていてくれること、自分がしたことを喜んでくれていること、それは確かだった。


「…といっても、お前はそれじゃ納得できないんだろうな」

「もちろんです。まず、今日の朝食のプランが…」 
「材料は?」
「まだあります」

失敗は想定していましたので、と続けるとハンクは声を立てて笑った。窘めるような視線を送れば、わるいわるい、と両手をあげた後―――少し考えるようにして


「あー、じゃあもう一度つくるか?」

今度は一緒に。

と、どことなく、所在なさげにそう言った。

この様子は、照れているのだとわかる。少しぶっきらぼうな声音はそういうことなのだと、今の自分は理解できる。一緒の時間を過ごしてきたから。これからも、過ごしていくから。そうして、もっと、たくさん色々なことを知っていきたい。できるようになりたい。ふたりで、ずっと。

ハンクの誘いに、答えはイエスしか思い浮かばなかった。2356 文字

あやね

かきかけ今回のお題:綺麗な夕焼け空の下、少し恥ずかしそうに抱きしめられ、はっきりと初めてのちゃんとした愛の告白をされて、思わず相手が本物か調べようとする蜜璃ちゃん
#shindanmaker https://shindanmaker.com/597297
キメ学設定軸の捏造少々/卒業したのに未だに先生呼びが抜けない蜜璃ちゃん/芸大のお友達の影響で時々ヲタク風味な言い回ししてしまう甘露寺可愛いかな
「———あら?」
いつもの定食屋さんで遅めのお昼を食べてお会計をすませてから外に出ると、今朝はどんよりと曇ってた空がすっきりとした青に変わっていて、日差しも冬にしてはぽかぽかしていていい気持ち。何だかワクワクしてきちゃう。それに今日の日替わり定食もすっごく美味しかったし、追加でお願いしたメガ盛り天丼とオムライス、それから鴨南蛮蕎麦も! ほんとはアジフライ定食も食べたかったんだけど、このあと友達とずっと前から気になってた先月隣町にオープンしたパンケーキのお店に行く予定だから、やめといたのよね。……うん、明日食べようっと。なんて思いながら待ち合わせ場所に向かってたら、スマホの呼び出し音が鳴り響いて———
「あ、蜜璃? ごめん、今日パンケーキ行けない!」
「え? どうしたの? 具合でも悪い?」
「ちがう~、今日ある推しのイベント、チケット譲ってもらえることになったんだよ~! ホンットごめん! 先に約束してたのにっ」
「あ~、すっごく好きな俳優さんの? なら行かなきゃ~、私の事は気にしないで楽しんできて~」
「うぅ~ありがとう! また今度行こ、ホントごめんね~じゃあ!」
「うん、じゃあまたね~」
(推し、かあ……)
すっごく好きな俳優さんとかをそんな風に言うんだってのは、彼女と仲良くなってから知って。蜜璃は誰か推し居るの? って訊かれた事もあったけど……私、特に居ないなあってごまかしちゃった。だってだって、高校の時化学の先生に一目惚れしちゃって、卒業式のあと思い切って告白もしちゃったけど、君の気持ちは有難いが答えられないってすんごく遠回しにフラれちゃった癖に、まだ諦められなくって大好きで……それってつまり私にとっては推しって事になる!? って考えたら言えなかったんだもの~!!!
(うぅ……しょうがない……ひとりで行こ……)
「———甘露寺じゃないか」
「ふぇっ!?」
不意に背後で聞こえた、懐かしくそして恋しい声にびっくりして思わず変な声を上げながら振り返ると、シンプルなデザインの私服姿の伊黒先生が立っていて———ハッ! これは幻覚ねきっと! だって平日の真昼間に先生がこんな所に居る訳ないもの!
「……どうしたんだ、妙な顔をして。俺の顔に、何かついているか?」
「ふぇええええ!? ほんとに伊黒先生!? 幻覚じゃない~??」
「……幻覚? 何を訳の分からない事を言っている?」
「はわわ、すみません! だってだって、この時間は先生、学校にいらっしゃるんじゃっ」
「昨日からテスト休みだからな。出歩いていても不思議ではないだろう」
あっ、そういえば定食屋のお嬢さんお手伝いしてたわね……お会計の時いつも通り顔をひきつらせてたし。
「君こそ、こんな時間に出歩いているのは珍しいな。もう昼休みはとうに終わっているんじゃないのか?」
「あっ、あの、午後の講義が休講になっちゃったんで、ちょっと遅めにお昼食べに行ってたんです~」
「そうか、なるほど。……立ち話も何だから、お茶でもどうだ?」
「えっ!? いいんですか? 折角のお休みなのに」
「あの定食屋で時々君とは会うが、あまりゆっくり話は出来ないからな。それに、元教え子が元気に過ごしているか確かめるのも、俺の仕事の範囲内だからな」
(仕事かぁ……そうよ、ね)
高鳴った胸のときめきが、たちまちしぼんでしまうのを感じたけど、顔に出しちゃダメよ私。先生を困らせちゃうもの。
「とは言え、俺はそういった店には詳しくないからな。どうしたものか……」
「あ、じゃあそれなら……私、前から気になっていたお店があってそこに行くつもりだったんです。隣町だから少し遠いんですけど……」
「ああ、そこで構わない。じゃあ、行こうか」
「はいっ! こっちです~」
(……いいよね)
先生にそんな気がないのは、分かってるけど……でも、ちょっとだけ。ほんのちょっとだけ、先生とデートなんだって、思ってもいいよ、ね?

「いらっしゃいませ、お二人様ですね。あちらのお席にどうぞ~」
(わぁ~、ステキなお店ね……)
外観とインテリアは勿論、テーブルや椅子のデザインもとっても可愛いんだけど子供っぽさはなくって上品な感じ。きっと色づかいが落ち着いているからね! こういうの大好き、キュンキュンしちゃうわ~! それにウエイトレスさんの制服もレトロな感じでとっても可愛いわ! あとでこっそりスケッチしちゃおうかしら?
「甘露寺。きょろきょろしながら歩いていては、危ないぞ」
「あ、はい! ごめんなさい先生」
やだやだ、私ったら子供みたいにはしゃいじゃって恥ずかしい!でもでも、こんなステキなお店に伊黒先生とお茶出来るなんて夢みたいでドキドキしちゃう、挙動不審待ったなしだわ~!!
「えーっと、ふわふわスフレパンケーキ五段重ね季節のフルーツ全部盛り、生クリーム倍乗せを……」
って、えええ!? やだ結構なお値段だわ!! どどどどうしようお昼代で結構使っちゃったのに! でもでも一人前じゃ絶対足りないし~!! ああ~やっぱりオムライスとお蕎麦、どっちかやめとくべきだったわ~!!!
「今、彼女が言ったものをふたつ。それから、アールグレイをティーポットでふたつ頼む」
「かしこまりました、少々お待ち下さいませ~」
冷や汗を流しながら固まっている私をチラっと見たかと思うと、伊黒先生がさらっと注文をすませちゃって……やだやだ、一人前じゃ足りないって思ってたのしっかりバレてる~!!
「あ、あのぉ……伊黒先生……いいんです、か?」
「遠慮するな、甘露寺。そもそも俺は、まだ学生の君に金を出させる気など毛頭ないからな。全く、変に気を遣うなど片腹痛い。あと、大人の経済力を舐めるな」
「は……はいぃ……すみません……」
キャー! 相変わらずのネチネチした口ぶり、ステキだわ~!!すんごくキュンキュンしちゃう!!!2429 文字

くらげのらくがき帳

自主練カカナル)アニメ軸🍅奪還編後)
くらげのお話は「背中についた爪の痕が、痛いのか熱いのかわからない」で始まり「テーブルにメモと一緒にプリンが置いてあったから」で終わります。
#こんなお話いかがですか #shindanmaker
https://shindanmaker.com/804548
背中についた爪の痕が、痛いのか熱いのかわからない。
 昨夜、カカシは初めてナルトを抱いた。13歳の少年の身体はまだ青く、未開の地を切り開くように、誰にも手に付けられていないその身体を蹂躙した。未経験の少年の手を己の背に這わせ、その身体を穿つ度に掻かれる肩背の痛みの甘さに腰椎を震わせた。どうしてこんなことになったのだろうかーー

 先日の任務でチャクラ切れになり、自宅で療養しているところにナルトが見舞いに来た。見掛けない手持ち袋を片手に下げていたので尋ねると、サクラから美味しいと聞いたお店のプリンをお土産に買ってきたらしい。甘いものは苦手なので正直嬉しくない。

「甘いもの苦手なんだよね」
「せっかく持ってきてやったのにそんなこと言うんだったらカカシ先生の分も食っちまうってばよ!」
 ぷいと、頬を膨らませ、お土産のはずのプリンを一人食べ出すナルト。
「お前、何しに来たの?」
「カカシ先生ぇが朝任務に来なかったから、」
「アスマに代わりの引率頼んだでしょ」
「……」
 ナルトは何を言うでもなく、何か表情を作ろうとして失敗してしまったような微妙な顔をしてカカシから目を逸らす。

「寒いな…」
 ベッドから見える窓を覗くと雪が降り出していた。
 そう言えば、今日は師走だ。この春にナルト達の下忍認定試験を受け持ち、上忍師になり、様々なことがあった。もうすぐナルトは自来也と共にこの里を後にする。
「カカシ先生ぇ、風邪ひきかけてんじゃね?仕方ねーなァ」
 ごそごそとナルトが布団に潜り込んでくる。冷たかった布団が子供特有のぬくもりで包まれていく。
「お前はほんとあったかいな…」
「ぎゅーってしてもいいってばよ?」

 ーー人肌が恋しかったのかもしれない。かと言って教え子に、ましてや未成年に手を出して良い理由にはならないが。己の手から離れてしまうこの子に未練がましく何か残しておきたかったのか。
 カーテンの隙間から漏れる日差しが顔に当たり、目を覚ます。昨夜まであった隣の温もりがなくなっていることに気付く。
 明日からどうしたもんか…
 
 テーブルに目が留まり、ふふ、と笑みが溢れる。
 テーブルにメモと一緒にプリンが置いてあったから。924 文字

くらげのらくがき帳

自主練カカナル)
くらげのお話は「知らない場所のはずなのに、どこか懐かしい気がして立ち止まる」で始まり「焦げたトーストは、苦いのにやたら美味しかった」で終わります。
#こんなお話いかがですか #shindanmaker
https://shindanmaker.com/804548
知らない場所のはずなのに、どこか懐かしい気がして立ち止まる。
 昼下がりに出張先で立ち寄ったその喫茶店は純喫茶らしく、年若いマスターが一人居るだけの、手狭だけれど圧迫感のない、どこか落ち着いた空間だった。

「いらっしゃっい!お兄さん、何か疲れてね?」
「……」
 新製品の技術移管のため、移管元の慣れない土地でのホテル暮らしと仕事がやっと終わり、気が抜けた顔をしていたのだろうか。それにしても、
「君、マスターにしては若すぎない?アルバイト?」
「失礼だってばよ!この喫茶店はオレが頑張ってかーちゃんに金出して貰って建てたオレの店なんだってば!」
「頑張ってないよね…」
(年齢も分からなかったし)

「かーちゃんを説得するのを頑張ったんだってばよ!ホラ、なんか注文しねーの?」
 カウンター席のテーブルの前に置いてあるメニューを見る。純喫茶らしく、珈琲の種類が豊富だ。
「マスターのオススメで。あと、お腹空いてるから何か食べれるもの出してくれる?」
「うちはモーニングしか軽食出してねェんだけど。お兄さん疲れてるみてぇだから、北欧産の浅煎りとかいいかもしんねぇな!」

 そう言いながら手慣れた様子でミルに珈琲豆を入れ、手際良くハンドルを回し挽いている。中々力がいるらしく、青年の腕が筋張っていた。
 店内に温かみのある珈琲独特の匂いが広がる。
 ペーパードリップで入れるようで、湯通ししたフィルターに挽き立ての粉末を入れ、蒸らし、一定のリズムで“の”の字を書くように細口のドリップボトルからお湯を注いでいる。

「どーぞ!」
 出された珈琲は表面に細やかな泡が残り、花の様な香りが鼻腔を掠める。一口、口に含むと砂糖が入ってないはずなのにバランスの良い甘みと酸味が広がり、無意識に吐息をもらしてしまった。
 知らず知らずに積もった肩の荷が取れたように感じた。そう言えば、味わって何かを口にしたのは久々かもしれない。

「美味しいね」
「バリスタの免許、通信講座でとってっからな!」
「君ねぇ、喋らない方が良いと思うよ」
「なァ⁉︎」
 大きな目を丸くさせ、子供の様な大仰な反応を見せるのが何だかおかしくて思わず笑ってしまった。

「君と話してると何かホッとするというか…何処か懐かしいんだよね、何でかね」
「そりゃオレが良いマスターだからじゃねーのォ?」
「はは、そーかもね」

 ほい、とマスターの青年が本当はモーニングのセットを出してくれる。
「このトースト、焦げてるんだけど…」
「いいから食えって!」

 焦げたトーストは、苦いのにやたら美味しかった。1082 文字

513friday

らくがき1/12
貴方が出したCPシチュガチャは…
対戦ゲームで受けが負けた方が罰ゲームありと決めるが結局受けが負けてしまいS化した攻めにたっぷり罰ゲーム(意味深)をされる えだひのきのカリ烈です、おめでとうございます!
#CPシチュガチャ #shindanmaker
https://shindanmaker.com/970270

3,000字くらいの文章練習
△△△

 休日のカリムの部屋。
 唐突にレッカが「流行りらしいぜ☆」と、ひとつのゲームを持ってきた。
 普段から娯楽には興味が薄いレッカが、珍しくハシャギながら乗り気で持ってきたのだからカリムも珍しく乗ってやろうと思う。
 ただ、この黒く気味の悪い箱デザインはなんだ。
「……どんなゲームなんだ? 」
 レッカから渡された、重厚な厚紙造りの箱の中には箱と同じ黒いプラスチック素材のカードが幾つか入っていた。表中央には不気味にドクロマークのシールが揃いで貼られている。
 同封の説明書を読めば、どうやら簡単な2人専用のカードゲームでお互いに5枚の手札を使った心理戦をするらしい。
「あ! そうだぜ。負けたら罰ゲームにしよう☆」
 初めてのゲームにハシャギ過ぎて罰ゲームまで提案する楽しそうなレッカを横目に、カリムは「フラグを立てて立ったな」とゲーム後を予見した。

 案の定、フラグは回収されレッカは奇しくも負けてしまう。
「しぇい……」
 星の浮かぶ笑顔から一変して落ち込むレッカは、相当な自信を持って勝負に挑んでいたようだ。
 だが、お互いに伏せた5枚のカードから細かい感情を熾烈に読み合い、勝てる組み合わせを引く。と、いうのは自信があってもなかなか難しい。
 カリムもレッカのカードが読み通りなのかを悩みながら、なんとか競り勝つ事が出来た。
「負けたら罰ゲーム、だったよな? 」
 カードの広がるテーブルでレッカの拳が震える。
 もう、今後この黒いプラスチックカードを見る事はないだろう。
「カリム……罰ゲーム、を提示するんだぜ」
 悔しそうに唇を突きだし尖らせる姿は幼く、「男に二言はない、早く言ってくれ! 」と子供のように急かし、不服な態度で話の先を促す。
 思っていたよりレッカの機嫌を損ねてしまったカリムは少し考えていた。
「そうだなァ……、」
 腕を組み、パイプの走る天井を見上げる。罰ゲームなど考える機会は頻繁にある訳ではないので困ってしまった。
「因みに、レッカはどんな罰ゲームを実行させるつもりだったんだ? 」
 参考までに聞いておけば、避ける事も出来るし、被せる事も出来る。
「無難に「俺の命令に従う☆」で色々してもらっちゃおう! 、かな? とか思ってたぜ」
 んがっ、と思わず鼻から声が出てしまったカリムはレッカの言う罰ゲームにさほど中身が無い事に気付く。恐らく、何も考えていなかったんだろう。
「んじゃ、俺もその「俺の命令に従う☆」にする」
「わかったぜ! 」
△△
 と、意気揚々に勢いよく返事をしたレッカは「負けたら罰ゲームにしよう☆」の言葉を取り返せない事に後悔していた。
「レッカ、痒い所はねェか? 」
 何故なら、レッカは「風呂場で大人しく慎ましくしていろ」というカリムの命令に従い、バスチェアで「大人しく慎ましく」していると……、いつの間にか背中を満遍なく泡だらけにされていた。
「せ、い? そう、だな」
 温泉の三助よろしく、背中を、腕を、泡立てたボディタオルでレッカを黙々と洗っていくカリム。
 最初の方こそ命令に従う側ながら優越感があったが、脇から胸に掛けてを洗われている際、擽ったさに負けてビクッとタオルを避けてしまった。「そんなに擽ったかったか? 」とカリムに聞かれ「大丈夫だ」と答えたのが間違いだったかもしれない。
 その後のタオルの行方はレッカの弱そうな場所を際どく通りすぎる。ムズムズして擽ったい。
「じゃあ、……次は足だ」
 カリムが背中からレッカの目の前へ移動し片膝を立てて屈む。
 まず、レッカの右足を持つ。だが、洗い辛かったのか「もう少し伸ばせ」と膝裏にカリムの細い指が這わせられると擽ったさで、太股の内側が震えた。
「っ! 」
 一瞬、喉が鳴りそうになる。気付かれただろうか?
 カリムは続けて節が目立つその指で足の指、足裏、踵、脛、と指圧を加えつつ洗っていく。
「左足も出せ」
 自分の身体を洗うようにレッカの身体を洗うカリムの表情は大きく変わる事がない。
「もう十分に洗ってもらったぜ☆」
 人間を1人で洗っているのだから疲れて溜め息も出るだろう。
 ありがとう、とレッカはボディタオルを受け取るつもりで手を差し出すが「何を言ってやがる……」と疲れではない溜め息をカリムが溢した。
「こっからが罰ゲームの本番だろ? 」
 ニヤリ、そんな表現の似合うカリムは側に置いていたシェービングクリームを取ると、おもむろにレッカの股関に付け始める。カリムは顔剃りに使うそれで、レッカの下の茂みを刈り取ろうとしていた。
「えぇっ!? 」
 浴室に声が響く。
 洗ってもらった背中に冷や汗が泡と流れ落ちている気がする。
「「大人しく慎ましく」だぞォ、レッカ」
 剃刀と共に人差し指を口元に立て「はしゃぐなよ、静かにしろ」と言うがレッカは当然、抗議する。
「罰ゲームが"そこ"の剃毛だなんて聞いてない」
「「俺の命令に従う☆」のが罰ゲームじゃねェかよ」
「もっと別の罰ゲームにしろ! 」
「他は考えてねェ。今さっき思い付いたから……」
 まァ、神父の罰っつったら剃毛だろ? とデタラメにカリムは真顔で、剃刀の刃をピタリと肌に添わす。レッカの抵抗は徒労に終わり、下の茂みがチリチリと削ぎ落とされていく。
 ゆっくり傷付けないように軽く、ショリ、ショリと聞こえてくる下の毛を削ぐ音が嫌でも気になり視線を向けさせ、そこから外せなくなる。
 刃はヒヤリと冷たいのにカリムの真剣な眼差しにゾクッと熱を孕んでしまう。

 手際が良すぎるのか、緊張の生唾を飲み込んでからもうすでに半分近くが刈られてしまった。
「やっぱり裏側はしづらいな」
 ひょい、とレッカの竿を握ったカリムは同性の戯れ感覚で弱そうな所をわざと狙い、握った竿を親指で裏側と先端を擦るように撫でている。
 レッカはまたビクビクッと反応してしまった。
「そこまでしなくてイイから! 」
 変な所を触るな! そう言いながらも、カリムの手を見たくないのに見てしまう。
 10代に生え揃ったそれらが、どんどん剃刀によって露にされていくのがとても恥ずかしいのに……、静止しきれないでいる。早くこの時間が終わらないだろうか。
「この際だからケツ毛も剃るか? 」
 カリムは綺麗に整えているつもりだろうが、レッカとしては恥辱に他ならない。
 今の調子に乗っているカリムが嫌いになりそうだ。人の気持ちも知らないで顔がウキウキしている気がする。
 レッカは「イヤだ」と脚を閉じて拒否した。
「こら、脚閉じんな」
 虚しくも両膝の重い扉はこじ開けられ、茂みの刈り掛けは再開される。
「やりかけの中途半端は俺が嫌で嫌だ」
 言われた通りに従わざる負えない。何故ならこれは「「俺の命令に従う☆」罰ゲーム」で、一応はカリムに逆らえない。
 諦めて、しぶしぶレッカは自分で脚を持ち上げ、日の当たらない白い尻を穴もしっかりと見えるようにした。
「もう俺そのカミソリで髭剃りたくない…」
 こんな恥ずかしい思いをするなら罰ゲームの提案はもうしない、 と決めたレッカだった。


△△△
 翌日、汗で尻の割れ目がかぶれて痒がるレッカが居た。恥ずかしながら事情を話し、フォイェンの持ち歩くハンドクリームでその場しのぎをすると、メチャクチャにカリムは怒られた……とさ。
チャンチャン?3028 文字