フンブとノルブ〜エネアド編〜①~⑥=画像の順番 ( )=オノマトペ、心情
◆◆◆
①フンブとノルブ〜エネアド編〜
【昔々、遠い昔。ある村に、善良と名高い大監様オシリスと、彼よりちょっとおつむが足りない弟のセトが住んでいました。】
【二人は兄弟でしたが性格が合わず、往来もなく離れて暮らしていました。】
【そんなある日、隣町に住む道化師のセクメトがお得意様であるセトに巷で飛び交う噂を聞かせてくれたのですが、】
(ひそひそ)(ひそひそ)
【なんとまぁ!オシリスが弟であるセトに隠れて、金銀財宝を独り占めしようと企てているって?!】
②
【怒ったセトは兄の元へ一目散。】
(むかむか)
セト「ちょっとくらい食わせてくれてもいいだろうが!!!!」
【食卓をひっくり返してしまいました。 】
【大監様のためにせっかく用意した料理を台無しにされた奥様のイシスは、あまりにも腹が立ってつい、】
イシス「おい」
【しゃもじでセトの頬をパンパンと叩いてしまいました。 】
オシリス「妻よ、優しくしてあげなさい」(まあまあ落ち着いて)
③
ネフティス(唖然)
ネフティス「…それでも結局貰ってきたのね」
セト「寄越せっつったら普通にくれたぜ?」
(ピカピカ)
【実はオシリスは弟に惜しまず施してしまう兄だったのです。】
ネフティス「なんで頬を殴られているの?」
セト「…色々あったんだよ…」
ホルス(燕)「…?俺はいつ登場するんですか?」
おしまい
④フンブとノルブ〜エネアド編〜
【弟のセトは兄のオシリスから奪った財宝をふんだんに使いこみ、結局破産してしまいました。】
(プレゼント)
ネフティス(??????)
セト「それじゃ、オシリスの金庫あたりでも漁ってくるか!」
ネフティス「セト、やめて! アヌビスが見て真似したらどうするの! 」
アヌビス「お父様は集金してくるって言いました」
ネフティス「アヌビス、こういうのは略奪というのです。人のものを奪う事は悪いことなんですよ 」
セト「そうだ、俺を見習うんじゃないぞアヌビス! お父様のすることは尊敬に値しないからな!」
(この鎌は俺に略奪された奴らの恨みが呪いになって作られたのだ···。)
ネフティス「分かっているならやめなさいよ」
【結局、セトは略奪をあきらめて誠実に木こりをすることにしました。】
⑤
そんなある日の事!
トト(鹿)「木こりさん!木こりさん!」
トト「私を匿ってください、狩人に追われているんです!」
トト「私を匿ってくれたら天女が入浴する泉を…」
セト「お父様のご帰還だ!お前たち、今日は鹿肉だぞ〜!」
ネフティス・アヌビス(わぁ!)
トト(いや、ちょっと待って)
幸いなことに、鹿は狩人の元へ無事帰りました。
マアト(私の鹿はどこに行ったのか…)
クヌム(ちゃぷん)※泉
⑥
オシリス(そろそろ金が無くなる頃合いなのに、何故来ないのだろうか···)
(しゅん)
イシス「ホルス、最近どうしてそんな変な仮面を被っているの? 」
ホルス「私の出番を待っているんです」
【燕は今日もヒョウタンをあげられませんでした。】
◆◆◆
以下、豆知識や雑学。
『フンブとノルブ』
韓国では有名な昔話。日本でいう所の舌切り雀みたいなお話。
『大監様』
朝鮮王朝時代の官僚職のひとつ。「대감(テガム)=大監」は韓国時代劇ではよく耳にするエリート階級らしい。