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    あかぎ(利便事屋のすがた)

    これまではニコニコ静画と今は亡き(泣)Raiotにて暗躍してきましたがポイピク歴はかれこれ4年目です。基本、イラストと漫画、たま~に文字ネタ(小説及び140文字SS)を投稿してます。とまあ、ここでもマイペースかつゆるゆると自分の好きを表現できたらいいなと思ってますのでどうかお見知りおきをm(__)m。後、閲覧及びスタンプありがとうございます。
    主な潜伏先:
    https://seiga.nicovideo.jp/user/illust/12643318
    使用しているSS製作ツール:
    https://sscard.monokakitools.net/meishi.html

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    POIPOI 89

    初詣SS、続きましては天晴√です。今回はちと難航して、幾度か下書きを書き直しましたがどうにか完成。
    現時点じゃすっかりお正月ムードは影も形もありませんが(滝汗)、今回も初詣デート気分を味わえれば幸いです。残るはあと二人。がんばって全√コンプリートするぞー!

    #SS
    #二次創作
    secondaryCreation
    #天晴爛漫!
    sunnyAndRotten!
    #天晴爛漫
    inPerfectHealth

    「どうしてこの時期になると皆こぞってここに集まるんだ?普段は特に気にも留めない所なのに‥。まあ、こういう時期に願い事をするのは俺たちにとっても神様にとっても合理的だけど」
     緩やかに進んだ社殿の列からようやく解放されてほっと一息つく横で赤と白のツートンカラーの髪を二つ結びにした青年‥空乃天晴が初詣で賑わう神社の周囲を見渡しながら不思議そうに呟いた。
     ちなみに今日の天晴の装いもこの場に合わせてピンクを基調とした華やかな袴姿で羽織にあしらわれている鶴の柄が華やかな髪色とも合わさっている。にも関わらず、トレードマークであるオラクル型のゴーグル、右手の皮手袋、姉から譲り受けたお守りまで欠ける事無く装備されてるのも彼らしい。ひょっとしたら羽織の奥にも愛用の工具セットを忍ばせているのかも。
     せっかくの天晴との二人きりの時間。まずはどこの屋台へと向かおうか‥?
     一緒に来ていたはずの天晴のチームメイト、一色小雨とホトト、そして新しいホトトも空気を読んで今は別行動だし、それに小雨と共に自作の船で海の向こうまで行き、そこで行われた大陸横断レースでその船を改造した車で優勝を果たした彼にとっては聊か物足りないかもしれないが、それでも天晴にもこの雰囲気を味あわせたいな‥。
    「なんだ、あの機械は‥?」
     そんな中、天晴が真っ先に興味を示したのが屋台の外れにぽつんと佇んでいるおみくじの自販機だった。彼に釣られ、近づいてよく見るとそれはお金を入れると上のガラスケース内で神社の模型を背にいかつい仮面を被ったからくり人形が簡単な踊りをした後で扇子に乗せたおみくじを受け取り口に落とすという観光地でよく見かけるタイプだった。
     そういえばまだ今年1年の運試しをしてなかったな‥。
     説明と手本を兼ねてまず、200円玉を入れるとおめでたいBGMと共に中のからくりが両手をばたばたと舞い、神社の模型からくじをもらうとそのまま扇子を使って器用に受け取り口に落としていく。
    「200円くれ!俺もやる!」
     こちらにとってはどこかほっこりするメカニズムも天晴にとっては新鮮な技術が詰まったパンドラの箱。渡された200円を入れ、ガラスケース内で踊るからくりを嬉々として凝視する天晴はまさに水を得た魚である。やはり大好きな物を目にした時の彼の表情は非常に愛おしい。これだけでも大吉級の衝撃である。先程、自分が手にしたおみくじの結果はそれなりだったけどね。
    「大吉か‥。しかしすごかったな、今のからくりは‥。単純な動きで踊るだけでなくこうやっておみくじを運ぶなんて‥」
     大吉を引き当てた喜びもさておき、この自販機の技術力への感銘に浸る天晴。
     せっかくだからこのおみくじはお土産にしようか‥と思ったのも束の間、天晴が何やら先程のおみくじを器用に紙飛行機へと変えていった。
    「お前もやるか?」
     彼に言われるがままにおみくじを渡すと同様に同じ形に変えていく。そして、風向きに合わせて勢いよくそれを飛ばす。
    「テイクオフ!」
     威勢の効いた飛翔の掛け声と共に二つの紙飛行機が二人の一年分の願いを乗せ。澄み渡る新年の空を駆け抜けてゆく。それはまるで天晴なりの前向きな一年を迎える儀式のようにも思えた。
    この分だと自作の飛行機で空を翔けるという天晴の夢もじきに叶う事だろう。そう思いながら彼と二人で空‥そして宇宙の果てへの思いを馳せる新年初日だった。
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    あかぎ(利便事屋のすがた)

    DONE久方ぶりの小説です。夏休み前に急に思い立って書いたのはいいけど、最初の下書きから状況やら心理やらの描写の追加及びリテイクですっかり遅れてしまいましたがようやく完成しました。
    ちなみに時系列的にはこのマンガ
    https://seiga.nicovideo.jp/watch/mg579856 (全12話)
    の後日談です
     ミ~ンミンミンミン‥
     暦の上ではとうに立秋を過ぎてはいるものの、日本の気候は未だ猛暑の空気が漂っている。それは今、オーサム・ワンとシュンのSPトリオが滞在しているこの地でも変わらなかった。
     ここは都心にある小さな墓地。シュンの亡き母、シオリが眠りし地でもある。カザミ一族所有の墓もある事にはあるのだが、周囲の反対を押し切ってイチローと結婚した彼女の事を今なおも快く思わない者もいるためか、最終的には彼が私財を使ってここに建てたのだった。う~ん、金持ちの家系ってつくづく面倒くさい。
     シュンも数年前に自分がロスヴォルモスに赴くまでは日々、社長業で多忙を極める父に代わり、お盆と命日の度にトシと一緒に墓参りによく来ていたのだが、父も父でこっそりと花束だけは添えていくようで、二人がここに来た時には既に花束が添えられていた事が何度かあったものの、愛する妻を亡くしたトラウマを掘り起こすようでそれ以上は言及できなかったのだ。
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