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    Nakko2019

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    Nakko2019

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    R18。ロレアンですが他の守護聖×アンジュの情事の表現あり(匂わせどころではない)。NTRとか浮気とか平気な特殊性癖向け。

    無題バルコニーの扉の横に設置した小さなベルが音を立てて、ロレンツォを浅い眠りから引き戻した。深夜2時。ため息をついてベッドを抜け出す。このベルは彼女しか使わない。もうこの音に感情を乱されることにすら疲れてしまった自分がいる。
    「…おかえりなさいませ、陛下。」
    バルコニーの扉の外、雲一つ無い夜空の下には、白いネグリジェに身を包んだ尊き方。
    「地の守護聖。起きていたの?」
    そのネグリジェのボタンはいくつかが開いたままになっている。桃色の髪は少し乱れ、唇は赤く腫れ上がり、なにより鎖骨の鬱血痕がロレンツォの目を釘付けにした。今日のお相手は少し大胆が過ぎたらしい。
    「いいや、少し寝ていた。でも、待っていたよ。さあ、こちらへ。」
    アンジュの手を取って部屋へ通す。赤黒い痕は首の後ろにもいくつか散っており、ああ今日は後ろから責められたのかと想像してしまう自分の思考が疎ましい。
    「それで?今日はだれのところに行っていたの?」
    ふわふわと踊るような足取りの彼女を促して共にベッドの縁に座り、常備してある水を渡す。麗しの女王陛下は鷹揚に受けとって唇を湿らせた。覗く舌、嚥下するときの喉の動きに視線が引き付けられる。
    「…の守護聖。このままだと、もうすぐ宇宙に雨が降るから。」
    「それはそれは。さぞ激しい嵐だったのだろうね。」
    にこりと笑う顔の形は女王候補のときのままだ。皆にそれぞれのかたちで慕われていた彼女を、最終的に射止めたのはロレンツォだった。唯一の人になれたのに、皆とよってたかって彼女を尊き御位に押し上げた。宇宙意思との交信は徐々に彼女から人間らしさを奪っていき、いつからか彼女は公の場で臣下たちを名前で呼ぶことをやめた。否、思い出せなくなったのだ。もう、通常のアンジュは守護聖たちをサクリアの気配でしか識別できない。こんなことになるなんて思っていなかった。最初に彼女がロレンツォとの寝室を抜け出し、他の守護聖のシーツに潜り込んだのは、いつだっだろうか。たしか相手は…
    「ねえ、今日は綺麗にしてくれないの?」
    そんな声と共に目の前にグラスが突き出される。思考の海から引き戻されて、ロレンツォは苦笑した。
    「陛下のご所望とあらば。」
    サイドテーブルにグラスを置いて、アンジュの髪を数度指で梳く。桃色の糸を耳にかけ、そのまま流れるように口づける。ロレンツォの瞳は常にアンジュの瞳だけを見ていた。底知れない青。それを覗き込めばその先の宇宙を見つめることさえできそうなのに、実際に映っているのは嫉妬に狂う惨めな男の姿だ。嫉妬の感情なんて持たないなどと他の守護聖に豪語して、余裕ぶっていたあの頃の自分に見せてやりたい。
    アンジュの後頭部を掻き抱く手が徐々にからだの輪郭をたどり始め、柔らかな部分を撫でさする。噎せ返るような女の匂いがする。こんなときにも昂ってしまう自分の性は自分自身でも理解しがたいなと思いながら、白い服を脱がせてベッドに押し倒し、体に散る花を一つ一つ上書きしていく。彼女はされるがまま、ただ荒い息と喘ぎ声を漏らすだけだ。
    「ねえ、今君に口づけているのはだれ?」
    「あっ…ん……」
    「答えてはくれないの?それとも、わからないのかい?」
    白く瑞々しい肌に唇で触れたまま話す。いっそ歯を立てて食い破ってしまいたい。彼女の血はまだ赤いのだろうか?膝に手を掛けて秘めたる部分を露にすると、そこには濃厚な情事の痕があった。息を吹きかけられそうなほどの距離に顔を置いて、アンジュ、と呼び掛ける。ひきつれるような叫びのあとに、か細い声が聞こえた。
    「ロレンツォ、ねえ、いじわるしないで…」
    久しぶりに彼女の声音で紡がれた自分の名前にたまらなくなり、衝動的に体を伸ばして口づけた。硬さを増した自分自身が二人の腹の間で擦れる。彼女がロレンツォの名を呼ぶのはもう情事のときだけだ。恐らくは他の守護聖に対してもそうなのだろう。
    (それが嬉しくて、私たち皆で、彼女を人の倫理から引きずり出してしまった)
    「君は、ほんとうに、ひどい人だ。」
    責める言葉を口にして、罰を与えるように柔らかい太ももに指を食い込ませ、ぬかるむ秘裂を先端でこじ開けながら、しかし許しを乞うているのは自分自身だ。
    (願わくば、共に地獄まで…)
    誰に向けているのかももうわからない甘い祈りを捧げながら、ロレンツォは彼女の中に深く沈みこんでいった。
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