Wish your liberty 一緒に働いている部下たちにささやかな誕生日とクリスマスのプレゼントを渡すことは、初めて部下ができた頃からの私の恒例行事だった。
4歳の頃、とある辺境の貧しい村から、全村人が一生豊かに暮らしていけるような金額で大臣に買われ手足として教育された子供。政治と悪事の教養だけは人一倍詰め込まれ、手駒としての生き方しか知らなかった、ただ周りよりもほんの少しだけ頭が良かっただけの子供。その子供を売った金を巡って起きた争いにより彼の出身の村はたった一人の生存者もなく血と炎の海に沈んでいった。大臣の部屋から押収された資料の中にはその争いを起こさせたことすらも大臣の策略だったという記録が残されており、その他余罪も併せて大臣は速やかに死刑が執行された。大臣は黒い油は我が国の発展に必要なものだ、これまでも全て正当な政策だと主張していたが、いくつもの大量虐殺を陰で指示していた罪はあまりにも大きすぎたのだ。
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