ほんの仕返しのつもりだった。
先日着用するようにねだられたバニー服。
あんなものを用意する桐ケ谷の気が知れないし、刑部に着せようとするのも理解し難い。
結局着ずに突き返したので、どうなったのかは知らない。ただ、やられっぱなしは面白くない。
どうせなら桐ケ谷も驚くような仕返しをしてやろうと、似たような服を用意した。
見た瞬間顔を顰める桐ケ谷を見られれば溜飲は下がったのに、どうしてこうなったのだろう。
「どうよ」
我が姿を見ろとばかりに仁王立ちしている桐ケ谷を視界に入れて、刑部は絶句した。
所謂逆バニー服と呼ばれるそれは、長い手足を黒く光沢のある布で纏ってはいるが、大事な部分が隠せていない。辛うじて尻は覆われているが、背中と、なにより鎖骨から股下まで全開となっている。
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