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    にむ。

    タソ保の成人向けらくがき、妄想メモ置き場
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    両片想い三忍数

    いつからか、彼らが訪れることを心待ちにしている自分がいる。
    はじめは彼らもぼくを警戒していたけれど、医務室の中に忍び込んできてからぼくに気がつくと「あぁ、きみか」と目元を和らげるようになって。「名前……なんていったっけ」と申し訳なさそうに眉を下げられて答えると「そうだった。ごめんな。……三反田数馬くん」と呼んでくれる声がとてもやわらかくて。それは雑渡昆奈門さんが伊作先輩を呼ぶ時みたいな穏やかな旋律。あの方がいらっしゃると先輩は嬉しそうに顔をほころばせるんだ。もしかして彼らの前ではぼくも同じ表情をしているのだろうか。顔に熱が集まって心臓が煩く音を立てる。落ち着かせようと胸に両手を当てると、先日手を握られた時の感触がよみがえった。落とし穴にはまったところを助けられたといういつもどおりの情けない話なのだけれども。「三反田くん?」と呼び間違えられることなく落とされた声は気遣わしげで、ぼくの手を掴んでくれた掌は厚くて固くて、でもぼくの腕が痛まないようにゆっくりと引き上げてくれた。ぼくの頬についた泥を拭いながら、制服の汚れを払いながら、乱れた髪を整えてくれながら、「怪我はないか?良かった……」と言った三人の微笑みはぼくの心臓をおかしくしたのだ。彼らを想うとなんだか恥ずかしいような楽しいような手足をバタバタさせて叫びたくなるような気持ちになって落ち着かない。でもやっぱり会いたくて、声を聞きたくて。できればまた触れたくて。今日もまたそわそわとした気持ちと共にぼくは医務室へと向かうのだった。
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