三人に触れられると、胸がどきどきして、でもきゅーって苦しくなって。逃げたくなるのに離れたくなくて。こんなに心を乱されて振り回されて、本当に恋というものは病なんだと落ち込みすらする。
反屋さん、椎良さん、五条さんから『好きだ』と言われて浮き足立って、友達からは『三人には何か魂胆があるんじゃないか』と忠告されて。人を騙すことに慣れているプロ忍だからぼくなんか掌で転がすことは簡単だよなあと納得したり、笑顔を弾けさせながらぼくと会えることを喜んでくれる彼らを信じたいという希望で翻弄される。大きな声でぼくを呼んでくれる反屋さん。大事な雑渡さん人形をぼくに持たせてから抱き締めてくる椎良さん。久々知先輩が豆腐を扱うときよりもそうっとそうっとぼくを撫でる五条さん。三人のことが、もう、ぼくの全部がはち切れそうなくらい好きなのに、彼らはそうではないのかもしれないと思うと切なくて胸が悲鳴を上げる。
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