「ほんっっっとにもう!!なんでこんな無茶するんですか!!バカなんですか!?」
医務室から響いてきた怒鳴り声に竹谷八左ヱ門、鉢屋三郎、不破雷蔵が室内を覗き込んだ。
竹「なんだあれ……?」
鉢「タソガレドキの忍者が川西左近の膝に頭を乗せてる??」
不「川西はなんで膝枕しながらなんでキレてるんだ???」
疑問符が止まらない五年ろ組。
「それはですね~」
「「「うわっ鶴町伏木蔵!!」」」
「先輩方が驚くのも無理はないですよね~。実は、タソガレドキの高坂さんが腕を骨折して熱まで出ているのに左近先輩に会いにいらっしゃいまして。先輩と出掛ける約束をしていたらしいんですが、『大した用事じゃないんだからそんな無理して来るな!』と先輩は怒ってらっしゃるんです~。あの体勢は高坂さんの体に障らないよう気遣いつつお説教をするためのものらしいですよ~。見てる方がスリルを感じますよね~ふふふっ」
不「説明ありがとう伏木蔵……」
竹「タソガレドキの人間にガミガミと説教できる川西も凄いけど、大人しく説教受けてるあいつも凄いな……」
鉢「あいつ、子供に怒られてるのにすごく幸せそうな顔してる……」
幸せそうに「うん、うん」と左近の声を聴いている高坂を胡乱な目で眺めた五年ろ組は関わらない方が賢明と静かに頭を引っ込めたのだった。