宙ぶらりんそれでは近くに座っている四人でグループを作って。
教導官の言葉に思わず口の端が歪んだのは、私がグループワークを苦手に思っているからだ。だって、他の人の意見を聞きつつ、自分の考えもまとめなきゃいけないだなんて面倒。しかも他人の意見と衝突するのが分かっていたりしたら、もう最悪。揉めるためにやるんじゃないのにね。
げんなりしながら、今回は誰と組むのかと周囲を確認すれば、その中の一人に目が止まった。
薄茶色の髪に赤と黄色のオッドアイ、肩周りを覆うケープ。隣のクラスの郭神琳さんだ。
中等部時代には百合ヶ丘のガーデン案内の表紙に抜擢されるほどの美貌を持ち、実力だって申し分ない。つまりは才色兼備の有名人。
私の視線に気がついた彼女は、穏やかな微笑みを浮かべてよろしくお願いしますね、と言う。
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