薬を盛られた🏔を介抱した話と後日談⚔🏔ことの発端は長屋に息絶え絶えの山縣がやってきたことから始まる。介抱しながら話を聞くと苦し紛れに誰かに薬入りの酒を飲まされた、との事だ。
薬でやられた山縣を介抱する銀は解毒薬を飲ませたりと甲斐甲斐しくお世話をしてあげた。
媚薬の類ならば本番はせずとも目を閉じて好みの女でも思っておけ、と優しく諭しながら手淫をしてあげたりなどして苦痛を和らげてあげたり....そうした処置を施したかいもあり、すぐに山縣の調子は元に戻り、後遺症などもなく、稽古にも参加できるぐらいには回復していった。山縣が銀を思い出しては暫くのたうち回ったり、または頭を抱えるくらいに優し〜く介抱してもらったご様子。
中々あの時の礼を伝える事が出来ず日にちが経ち悶々としていた頃に2人で酒を飲む機会がやってきた
毒味はしてある、安心して飲みな、と笑いながら酒を傾ける銀に少し緊張がほぐれ、やっと、あの時は本当に助かった、と頭を下げて礼を伝えるとぐしゃぐしゃに頭を撫でられ気にするな、と笑いながら答えてくれた。
酒も程よく入り、銀が話上手ということもあり話も弾み一息つくために乾いた口に酒を含み、のどを潤した。ふと、ここ数日、自分の前に現れなかったのは己の未熟さ故の痴態を、弱さを見せた事に呆れたからかと思った事を酔いも回ってきたからか思っていた事がするりと口からこぼれてしまった
あ、いや、と咄嗟に口篭るも銀が聞き逃すはずもなく、ほぉ?と片眉をあげ興味深そうに山縣の姿をとらえている。
自分が口走ってしまった事をどう弁明をしようか、思考を巡らすも答えは出ず黙りこくってしまった、すると前方からはぁ、と深いため息の後お前が何を考えているのか、おおよそ検討がつくが....ここらで一つ、答え合わせといこう。と、持っていた盃を置きにっこりと、何か含みのある笑顔を山縣に向けると山縣は少し不敵な笑みにも見える笑顔にどきりとしてしまった
まず中々顔を出さなかった件はだが...潜入捜査をしててなぁ、奴さん、尻尾を出さねぇもんだから日数がかかっちまったのさ。お陰様で根城丸々御用改となったから...手続きやらなんやらで顔を出す暇がなかったのさ(薬を盛った犯人の根城だったことはあえて言わない)
まぁ、忙しかったというのもあるがもう一つ、別に理由があるわけだが....
...なんじゃ、その、もう一つ、というのは...
....こういう言葉がある、据え膳食わぬは男の恥、と。あの時、お前さんが苦しそうに耐える姿に、すごくそそられていたんだよ。...食っちまえば良かったと後悔するほどになぁ
いやぁ我ながら、よく我慢したと思うぜ!と大きく笑いながら勢いよく酒を飲む男を横目に山縣はそんな銀の話など聞く余裕もなかった
食っちまえばよかった、そう言ったのかこやつは。山縣は口に含んだ酒をブハっと吹き出しげほげほと咳き込んだ。
まぁでもよかったな、あの時お前さんが長屋に駆け込んできてくれて、お前さん意外と人気なんだぞ?男女問わず、な
あんな姿、人に見られていたら何されるかわからなかったぞ
なっ...わしなんぞを好む物好きどこにもおらんだろうに
今目の前にいるだろうが
.......は、何を.....
お前さんを抱きたいと思うくらいには好いているってこった
それなのに、あんな姿を見たらなあ...何をするか自分も自信がなくなっちまってなぁ~
しばらく接触を控えてたって訳だ
突然の発言に脳の処理が追いつていない。
抱く?またこやつはふざけたことを...とも思うがこの状況で嘘をつくような人ではないことは良く知っている。その事実が山縣を余計悩ませることになる。
この場に耐えられなくなった山縣が酒も回ってきたから、ここらでお暇する、と逃げるようにこの場を去ろうとすると山縣、と名前を呼ばれ引き留められた
....なんじゃ
またな、言っとくが、俺は本気だぞ
そう告げる銀の顔は好いた人を見つめるような、優しいまなざしを山縣に向けていた。
足早に長州屋敷に戻ったものの、伊藤に顔、真っ赤っすよ山縣さん!大丈夫っすか?
と心配をされたものの酒を飲み過ぎただけだ、ということしかできなかったとか.....