アディリムで勘違い朝の光が差し込むワフルドの静かな家。アディオはいつもと変わらずソファに座って、腕を組んで黙りこくっていた。リムはその様子をちらりと見る。彼がこうして無口になる時は、だいたい家族のことを考えている時だ。過去の記憶に沈んでしまうと、しばらく元気がなくなるのがいつものパターンだった。
「…よし!」
リムは自分に気合を入れて立ち上がった。今日はアディオを楽しませて、彼を元気づける日にしようと決めた。落ち込んでいるアディオを放っておけない。彼には笑顔が似合うからだ。
リムはまず、アディオのそばに歩み寄り、無邪気な笑顔を浮かべながら声をかける。
「アディオ、今日は一緒に出掛けない?空気もいいし、内海でピクニックとか!」
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