悪戯とキス「ねぇ、おーぎ君カボチャ料理ってすき?」
「 は? 」
十月が終わりに近づくと、お菓子のパッケージがお化け仕様の物に変わったり、仮装した集団がテレビで取り上げられるようになったりと毎年恒例のお祭りの一つになっている行事がある。
「もうすぐハロウィンだからって母さんが張り切ってカボチャをいっぱい買ってきたんだ」
下平家も例外ではなく買ってきたカボチャが所狭しと山をつくっていた。
「へー、うちには関係ねー行事だからすっかり忘れてたわ、それで?」
「もしよかったら、うちに食べに来ない?」
「おー行く行く!」
(やった、おーぎ君が家に遊びに来る!)
今年のハロウィンは楽しくなりそうだと胸が弾んで笑みがこぼれた。
ハロウィン当日、今年は土曜日にあたり、にしなまちスワローズの練習が終わった後おーぎ君が家に夕飯を食べにくる事になった。
2814