七月七日、くもり 梅雨の合間の蒸し暑くどんよりとした雲の下、第二小隊は今日も今日とてお仕事だ。
機材が機材だけあって犯罪より事故や災害への対応に狩りだされることが多い部署ではあるが、梅雨時は足元が危ういために、自分達の動き次第で二次災害が発生しかねないから、一層神経をつかうことになる。したがって、帰還時にはいつもよりも疲れているし、疲れているのだから少し気が緩んでいても仕方がないというものだ。
いうものだが、突然インカムから、
「ローソク出ーせー出ーせーよー 出ーさーないとー かっちゃくぞー おーまーけーにー噛み付くぞー」
なんて鼻歌が入ってきたときは、さすがに遊馬は突っ込まざるを得なかった。
「野明いきなりなんだよ」
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