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    penga_kakuri

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    penga_kakuri

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    次作に関係があるようなないような。
    平行線上Ariaの水麿です。元気にやっています。
    あれから数十年後。会話のみ。

    とある十三番の会話記録「清麿」
    『……………………』
    「きぃーよぉーまぁーろ」
    『………………………………嫌だね』
    「……はあ。怒らないから、理由を話してくれ」
    『いぃーやぁーだ。長義くんもよく言うけどね、それ。結局さ、白状したらそれはそれで怒るじゃないか』
    「心外だな。今まで私は君を叱りこそすれ、怒ったことはないと記憶しているが。――それに、清麿。君、僕に叱られるの、結構好きだろう?」
    『…………………………………まあ。うん。…………否定はしない』


    『嫌なんだよ。いくら君の同位体だろうが、僕の水心子の手を煩わせるなんて許せないんだ。もちろん僕の同位体などもっての外だよ』
    「…………それで、さっきの強行に出たと?」
    『戦意喪失でも五体が満足なら、問答無用で走らせればいい。僕の指示に抜かりは無いからね。きちんと彼らの座標は把握していたし。青い尻を拭ってやるのだから揺動くらいはしてもらないと』
    「それでも、あの崖から跳ばせたのはどうかと思うが……」
    『あの地点が君への近道だったんだよ。彼らの身体機能は、僕と違って基準以上でしょう? ――受け身さえ正しく取れれば脚も折れないよ。まあ折れたら折れたで、囮になってもらう予定だったけれど』
    「『試験投入中に誤遡行した四十九番を無事に回収する』……の、解釈が雑過ぎはしないか?」
    『生きてるだけで丸儲けという言葉があるね』
    「清麿、君はいつからスパルタ教育に染まってしまったのだろうな……」
    『褒め言葉をありがとう。僕も伊達にあの狂人の下で働いていないよ。それに四十九番なんて、欠番上等な数字を背負ったからには、この程度の不幸でぴいぴい泣かれても困る』
    「…………もう少し、後輩へ手心を加えてやってくれ」
    『ずいぶんと彼らの肩を持つじゃあないか』
    「うん…………。いや、……どちらかというと君が心配なだけだ」
    『…………僕のことが、心配? 何故?』
    「私の清麿が、皆に誤解されないかと」
    『僕のことは世界でただひとり、水心子だけが理解してくれればいい。――それ以上は不要だよ』
    「………………」
    『どうして黙ってしまうのかな? 水心子、僕に何か至らないところがあるのなら言って?』
    「違う。君は乱暴だけれど、いつだって完全完璧な私の親友だ。…………でも、最近。もし君を独りにしてしまったら、と考えることが多くなっている」
    『僕は独りになんかならない。それに水心子を独りにする気もない』
    「それは駄目だ」
    『駄目じゃない。戦況は承知している。無傷の帰還が難しいことも。君が修復を受けている間、僕も真剣に考えているんだ』
    「確率の話だ。きっと私は君を置いていくことになる。ただ、絶対に清麿はついてこようとするだろう?」
    『この僕に対して確率を説くの? ――あはは、そんなの笑ってしまうよ。……で、もとより僕はついて行く気満々でいるけれど、水心子はそれを良しとしないんだね? ……じゃあ、君は僕にどうして欲しい? 内容に因っては、水心子の望むようにしてあげる』
    「……清麿の有用性を誇示して欲しい。そして政府に山ほどの恩を売って。彼岸の淵から、番の枷が解かれた君の咆哮が聞きたい」
    『なぁんだ! 水心子ったら何でもないような素振りの癖に、やっぱりこの状況は腹に据えかねていたんだね』
    「一生の日陰者にだって、一矢報いたい心はあるさ」
    『……………………うん。委細承知したよ。その望みは、叶えるに値する。僕は君に何があろうと後追いなどしない。けれども、檻の中の忠犬も辞めるよ』
    「ああ。僕の死を以て手綱を離そう。あの狂人をも丸め込んで、お役人どもが君に足を向けて眠れなくなるような働きをするんだ」
    『ふふ。刀剣男士の誇りに恥じない、素敵なお仕事かあ……』

    ***

    「――――納得はしてくれたみたいだな」
    『まあ、今でもついて行きたいのが本音ではあるのだけれどね。でも僕は、水心子の喜ぶことは何でもしたくなってしまうから』
    「最高の仕事をした君を、もう要らないってくらい褒めちぎる準備が必要だな」
    『せいぜい楽しみにしておくよ。………………あ、忘れずに。愛しているよ、水心子』
    「でも、でき得る限りは汚く生き足掻くつもりだからね。やる気と保険みたいなものだと思ってくれ。…………僕も愛しているよ、我が運命」
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