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    オサハタ

    長い文章はpixiv↓
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    カプものR18はピクブラにだったり↓
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    マシュマロ
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    雑談お喋り(にじみす)(osa_hataまたはオサハタで検索すると出ると思います)
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    オサハタ

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    の続き

    Knights of Night 11 持ち主が誰なのかも判然としない丘、手付かずの草原、自然に囲まれたそこにある不自然な人工物は縦長の五角形の、透明な、棺桶。
    「……何だ、あれは……?」
    俺の漏らした戸惑いに対し、後ろからの声は呑気なものだった。
    「おお〜、こんなところにおったのじゃな、朕の肉体よ!」
    ずっと繋いでいた手を離し、駆け出した身を俺が追うより早く身体の持ち主が声を上げた。
    「待て待て待て待て! 不用意に近付くなバカぁぁ!!!」
    サギョウの声にちん血鬼──サギョウの名付けだ──はひたと足を止めて口を尖らせた。
    「なんじゃ、せっかく見つかったのじゃ、喜んでも良かろう」
    「近くにそのお前を攫った奴が隠れてるかもしれないだろ! もっと慎重になれよぉぉ!」
    「その心配はなかろうよ」
    「何で分かるんだよ」
    「これだけ見晴らしの良い場所じゃ、見張りがおったならば今よりも前の段階で阻止するじゃろう」
    「……にしたってよ」
    一理ある、と納得しながら探った周囲に他の吸血鬼の気配は皆無。首謀者、もしくは協力者に人間がいたとしても、少なくとも至近距離に隠れられる場所はない。
     ならば近づいても問題なかろうと結論付けて棺桶に歩を進めた俺に、ちん血鬼は言った。
    「加えて、ぬしらも身なりからして無力では無いのじゃろう?」
    「は?」
    聞き返したのはサギョウだ。
    「各々得物を携行し、揃いの服を着て、吸血鬼と共に生きておる、そんな主らは察するに慣れておるのじゃろう? 吸血鬼に」
    「あー、まぁ、ね」
    サギョウの頷きを聞くと、ちん血鬼は透明な棺桶の傍に座り込んだ。
    「夜明けまで然程の間はないな、約束を果たすべくまずは朕の話を続けようか」
    「いやそれよりお前の身体をここから──」
    そうだ、このままでは肉体が朝陽に焼かれる、その前に安全な場所へ。
     サギョウもそう思ったのだろう、だからそう言ったのだろう。
     だが──
    「朕 の 話 を 聞 け ぬ と 申 す か」
    ちん血鬼──いや、そんな、ものではない。
     それまでの安穏なものから、一転、背後から心臓を直接鷲掴みにされたような、冷たく、そして恐ろしい、声で、吸血鬼は、俺たちの全てを止めた。
    「……うむ、すまぬな、少々能力を使わせてもらったぞ」
    その声は、また安穏なものに、戻った。
     だが身体は動かない。
    「どこまで話したかの……そう、この街にたどり着いて彷徨っているところまでじゃな」
    語る吸血鬼。辛うじて動く視線で見たのは棺桶の中。
     そこに横たわっているのは──
     子ども、だった。
     人で言えば、せいぜい十歳程度、の。
    「突然、背後から襲われてしもうてのぅ、ふっと意識を失ってしまったのじゃが──おそらくこの花を使ったのじゃろう」
    吸血鬼が示したのは棺桶の中、に敷き詰められている、白い花。見たことのない、もの。
    「この花は吸血鬼にとっては毒なのじゃ。滅ぼすには至らぬが、それでも意識を混濁させるには充分過ぎるもの。人にとってはどうか分からぬが……ああ半田、ぬしは半分吸血鬼じゃろ? あまり近付かぬ方が良いかも知れぬ。気をつけよ」
    吸血鬼は俺を見上げて強い口調で言った。
    「じゃが意識を失う直前で、朕は咄嗟に自らの一部を霧に変えて攫われた場所に留まった──それが主らの通りがかった、あの路地だったのじゃよ」
    視界の端に登り始めた朝陽。焦燥を顔に出さぬよう努めるのは無理がある。
    「切り離した僅かな意識、それで何が出来るものかと、己を嘲笑っていたときに現れたのが、ぬしらだったのじゃよ」
    いまだ指先ひとつ動かぬ身体、焦燥は苛立ちに変わり始めた。
    「半田、サギョウ、ぬしらに出会えたのは本当に僥倖であった。どちらかが欠けていても、朕は、そう、一族の最後である朕が己の末路を知らぬまま滅びる口惜しき命運を免れられなかったであろう。
     心より礼を──」
    「っ、ざけんなよぉぉぉぁぁぁ」
    吸血鬼に対し、叫んだのは、サギョウだった。
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