年の功 サギョウの部屋には布団がある。
それはサギョウ自身が眠るベッドとは別に、だ。
知ったのは当たり前だが初めて泊まったときだ。
ある日の仕事の後に『たまにはどうだ?』と呑みに誘って、どういうわけであったかは残念ならが失念してしまったのだが、『ウチで続き呑みしましょう!』と誘われるがままに酒を買い込んでから上がり込み、翌日が揃って非番だったのも手伝ってかいつの間にやら深酒になった。
『こんなんなって帰るのだるいでしょ? 泊まってきゃいいんですよ!』
と、真っ赤な顔でへにゃへにゃと笑っているサギョウに、
『ならばそうさせてもらうかぁ! 床を借りるぞぉ⁉︎』
と、返したのは、何故か覚えている。
そして、
『っしゃぁ! そしたらね〜、いまね〜布団敷きますんでね〜、ちょおっとぉ待ってくださいよぉ〜?』
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