中間試験はトマト味タマネギをズタズタ。細かく切る。
トマトはサイコロ。切る。
肉もズタズタ。包丁で細かく、切る。
きったやつ、熱い、フライパンに入れる。
肉、タマネギ、焼く。あ、塩と、コショウ、ちょっと振る。
トマトと、水、入れたら、焦がさない。ゆっくり煮る。
よかった。これで、大丈夫。
煮る間に、パスタゆでる、お湯沸かす。お湯にも、塩、入れる…順番、難しい。でも、大事。間違う、おいしい、なくなる。
「狼ちゃん、今のところは大丈夫ね。」
「あわわ…」
「だめよ。かわいこちゃん。助けに行くのはパイモンちゃんだけよ。それも、3回まで。」
そう。レザーの「中間試験」が西風騎士団の宿舎のキッチンで、今行われているのだ。
中間試験。旅人には縁がないが、騎士団では、試験というものがあるそうだ。
ちょっと、前。
雷の師匠に、おれが料理を勉強してる話、した。
「あら、えらいわね。」
「料理、楽しい。難しい。でも、出来たやつ、おいしい、言われるの、うれしい。」
「じゃあ、テスト、しましょうか。狼ちゃんのお料理、食べてみたいもの。」
雷の師匠、時々、おれ、試す。雷の使い方、教える。
でも、料理のテスト、初めて。
「テスト、なに、つくる?」
「そうね・・・。」
鍋と、トマトと、肉と、玉ねぎ。玉ねぎ、狼たちに毒。ダメ。でも、熱い玉ねぎ、おいしい。旅人とパイモン、教えてくれた。
「あわてない、だいじ・・・」
パスタ、時間どおり、一本食べる、歯ごたえ、わかった。大丈夫。硬くない。
硬くない、だったら、鍋から麺、出す。
お皿に乗せて、ソース、かける。
「できた!」
パイモンの手伝い、玉ねぎと、肉切る、教えてもらった。2回。大丈夫。 4回目、だめ。
「はい、お疲れさま。それじゃ、かわいこちゃん、パイモンちゃん、一緒に食べましょうか。」
空と、パイモンと、リサ、それからレザーの目の前に一皿ずつミートソースのパスタが並んでいる。
3人は緊張いっぱいな顔をして、恐る恐る一口目を口にした。
「・・・おいしいぞ!レザー!」
「うん。うまい。」
「よかった。塩加減も大丈夫だよ。」
「ええ。狼ちゃん、よく頑張ったわね。すごくおいしい。」
あっという間にパイモンは一皿平らげた。それを見たリサが、にっこり笑って
「あら、おかわりしたいみたいね。」
「おう!まだまだたべられるぞ!」
「それじゃぁ、私も作ろうかしら。狼ちゃんが買ってきてくれた材料、まだあるものね。」
麺はゆでた分がそのまま残っているので、ソースを新しく作ることにした。だが、リサのソースはレザーが作ったものとは違うものだった。
玉ねぎの紫の部分を炒めた後に半分残し、半分は肉とトマトと炒めた後にひと工夫。
「不思議。トマトあるのに、師匠のソース、赤くない。」
「クリームを入れているのよ。トマトは少な目にしてあるの。クリームはトマトとも相性がいいのよ。でも、クリームは火の通し方が難しいから、コツがいるのよ。」
「なるほどな。リサのミートソースが赤くないのがわかったぞ。」
話しているうちに出来上がり、盛り付けて、最後に残しておいた紫の玉ねぎが乗せられる。
「いただきまーす!」
3人それぞれが一口ずつ口にしたとたんに目を見開いた。
「ちゃんとミートソースだ!おいしいぞ。」
「すごいや・・・」
「うまい、師匠の。師匠、すごい。」
「でも、狼ちゃんのもおいしかったわよ。」
「本当?」
「ええ。料理は作る人の工夫で変わるものなのよ。」
「ちょっと、わかった。」
「でも、工夫しすぎても、おいしくなかったら、残念よね。」
「バランス、大事?」
「そう。ほどほどが大事。」
ほどほど、わからない。でも、師匠、合格、くれた。 安心。