余計なお世話! 走行中のダブルトレインの車内はいつも通りにとっても静かで快適なのに、ぼくはどうにも落ち着かないような気持ちになる。ぼくの背中にずっしりとかかる体重は重たくて仕方がなくて、時々ふわふわと首筋や手首に触れる羽毛が酷くくすぐったい。そういう全ての感覚が、今はどうにも鬱陶しくて堪らなかった。
「ねぇ、重たいよ」
思ったよりも不機嫌そうな声が口から飛び出して、ぼくはそっと口を閉じる。拗ねたような悔しいような、そんな曖昧なぼくの気持ちが伝わったのか伝わってないのか、ぼくとそっくり同じ顔が後ろからぼくの顔を覗き込んで、にっこりとご機嫌に微笑んだ。
「あははっ、拗ねてるの?クダリ」
「拗ねてるよ。だってノボリってば、きみが来てからずっとずーっと、きみのことばっかりなんだもの!」
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