デリヘル呼んだらホストが来た③「サービスの順番の希望とかあったら聞くけど」
「よく分からないので、お任せで」
「りょ~。じゃあまずマッサージからしよっか」
マッサージのための用品は持参してくれたようで、玄関に置いていた大きなバッグを持ち上げる一二三を寝室に誘導した。ふすまを開けて部屋の電気をつけると一二三が納得したような声を出す。
「和室なんだ」
「ええ、また古臭いと馬鹿にしますか?」
「根に持つじゃん……書生のカッコより全然普通だし」
小競り合いをしながら一二三が準備を進める。忙しくて畳む余裕もなかった出しっぱなしの布団を綺麗に整えて防水用と思しきシーツを敷いた。手際がいいから家事をし慣れているのかもしれない。手持無沙汰にしていると、お風呂にお湯張ってきて、と一二三に指示された。客に対して人使いの荒い男だ。
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