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    matsurikaxtoru

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    matsurikaxtoru

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    いざなに似た猫とかくちょに似たぬいぐるみを拾ったカクイザの話、はいたに兄弟が遊びにきました。

    #カクイザ
    cukiza

    いざにゃとかくぬい名前をどうしようかとカクチョーはいざにゃに色々な名前で呼びかけています、でもいざにゃはいざにゃだから違う名前はどれも気に入らないので鳴いたりせずにぬいぐるみをしっぽで撫でています。
    その様子を見ていたイザナがいざにゃからぬいぐるみを取ろうとしていて、いざにゃはミィ!と逆毛を立てました。
    「かくぬいをオレにも見せてくれてもいいだろ。」
    「かくぬい。」
    「かくぬいだ。」
    いざにゃに猫パンチを食らっているイザナがふわふわした四文字を口にします。
    かくぬい、多分この自分に似ているぬいぐるみのことだ、だとしたら猫の方は。
    「お前にそっくりなぬいぐるみだからかくぬいだ。」
    「…ならこいつはいざにゃだな。」
    「おい、下僕。」
    「痛いからつねらないでくれ。」
    「ミィ!」
    名前を呼ばれたいざにゃはかくぬいと一緒にふたりのところにトコトコと歩いて行きました。
    いざにゃとかくぬいがカクチョーとイザナのおうちに来てからひと月くらいになりました。
    その間にふたりはいざにゃを病院に連れて行って注射を打ってもらったりお薬を貰ってきました。
    注射は痛いからいざにゃはミィミィと鳴いて抗議しましたが、かくぬいを側においてくれたので痛くても我慢出来ました。
    頑張ったなとカクチョーはおやつをいざにゃに食べさせてあげています、顔にはいざにゃの引っ掻き傷が何本も引かれていました。
    やっぱり注射は痛かったようでいざにゃは終わった時にばりばりとカクチョーの顔を引っ掻いてしまいました、イザナは傷が増えて男前になったなとけらけら笑いながらも優しくカクチョーの傷の手当をしていました。

    すっかりふたりに慣れて一緒に寝ているふたりのベッドの上で寝たりもしています、カクチョーの方に乗っている方が多いのでよくカクチョーはうぅ、と寝言で唸っていました。
    いざにゃはふたりより先に起きてぬいぐるみと一緒に部屋の中をとことこと歩くと首輪がカランカランと鳴ります、イザナのピアスとお揃いの花札の飾りです。
    暫くするとカクチョーとイザナが起きてきました、カクチョーはいざにゃのごはんを用意しています。
    「いざにゃ、ごはんだぞ。」
    カクチョーの声にいざにゃはミィと鳴いてカクチョーの足元まで駆けていきました。
    いざにゃが美味しそうにごはんを食べているとイザナがキッチンから出てきました。
    「お前のメシも忘れるなよ。」
    「ごめん、ありがとうイザナ。」
    ハムエッグを乗せたトーストをカクチョーに押し付けながらイザナも同じものを食べています、それをカクチョーが食べ終わると次はトマトの乗ったピザトーストでカクチョーのほっぺたをいっぱいにしました。
    いざにゃがごはんを食べ終わるとふたりは着替えて仕事に出かけます、玄関までいざにゃはかくぬいとお見送りにいきます。
    カクチョーはいざにゃを優しく撫でて、イザナもわしわしといざにゃとかくぬいを触っています。
    「ひとりにするのはやっぱり不安だな。」
    「天竺に連れて行ってもガキどもに群がられてコイツが疲れちまうだろ。」
    それにお前が寂しいだけだろ、写真もあいつらに毎日送りやがってとイザナはカクチョーを小突きました。
    いざにゃはずっとひとりだったし、今はかくぬいがいるから平気で、でもふたりが出かける時はちょっとだけ寂しいなと思うのが不思議でした。
    行ってきます、というふたりにミィと鳴くとかくぬいをしっぽで包んで部屋の方へ歩いていきました。

    日が差し込む窓際が暖かいからかくぬいと丸くなったり、家の中を行ったり来たりしていると、棚の上に飾られた写真立てが気になりました。
    ぴょんと棚に登って写真を見ると髪型は違うけれど真ん中に真っ赤な服を着たイザナとカクチョーが写っていました。
    二人だけ黒い服を着ていましたが、その二人以外はみんなイザナとカクチョーと同じ赤い服を着ています。
    いざにゃは坊主頭のカクチョーとかくぬいを見比べてそっくりだとしっぽをぱたぱたさせていて、かくぬいも昔のカクチョーに似てると笑ったイザナを思い出していました。
    もう一枚飾られていた写真にも同じ人達が写っていて、おっかなそうな見た目をしているけれど写真の中のイザナもカクチョーも笑っています。
    昔のイザナとカクチョーと、ふたりの大切な人達だといざにゃとかくぬいは思いました。
    今もふたりの大切な人達だといいなと、いざにゃはかくぬいをしっぽで撫でながら鳴きました。

    今日はイザナとカクチョーがふたりともお家にいました。
    いざにゃがパソコンの上に乗ってカクチョーのお仕事を邪魔していると玄関のチャイムが鳴りました。
    玄関に出たイザナがため息混じりに知らない人を二人連れてきました、似たような薄紫の髪の毛の色でしたが髪型は全然違う二人です。
    髪の短い人の方はイザナのため息をよそに笑顔でいました。
    「全く、カクチョーが蘭達にいざにゃの写真を送るからだぞ。」
    「だっていざにゃが可愛いから…」
    「え〜でも家にあげてくれるの優しい〜大将のそういうところ大好き。」
    「にいちゃん、あげてもらえなくなるよ。」
    髪の毛が長い方が弟で、お兄ちゃんより弟の方がしっかりしてるなといざにゃが思っていると、お兄ちゃんの方がにこにこ笑顔で寄ってきました。
    「可愛い〜大将にそっくり。」
    「似てねえ。」
    「ミィ!」
    かくぬいをしっぽで守っていざにゃはミィミィと威嚇します、笑顔がちょっと胡散臭く見えたのです。
    「そのぬいぐるみも昔のカクチョーにそっくり、なぁ竜胆。」
    「そうだね、にいちゃん。」
    威嚇されても知らん顔でかくぬいにも触ろうとするのでいざにゃはお兄ちゃんに飛びかかりました、でもイザナとカクチョーのお客さんだから爪は使わずに顔にぴったり引っ付いてやりました。
    べたんと床に倒れたお兄ちゃんは両手を上げて降参のポーズをとっていますがイザナはしばらく放っておくことにしました、その方が面白いと思ったからです。
    「た〜いしょ〜助けて〜大将に似て強い〜」
    「蘭が馴れ馴れしく触ろうとするからだ、仕方ねーな。」
    イザナが床に転がっている蘭からいざにゃを引っぺがしてやると竜胆がほら〜と言いながら蘭を起こしてあげます。
    そんなやりとりをしている間にカクチョーがコーヒーを用意してくれました。
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