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    スギモトカズ

    @hgmt4217

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    スギモトカズ

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    そりゃもう、書きたくなるよね😅傷だらけになれー!

    ハロウィン🎃萩松😈🐺「陣平ちゃん、用意できた?」
    「おう!どうよ!!」

    ハロウィン直前の週末。当日は警備の仕事で忙しくなるだろうからと、久しぶりに気の置けない同期たちと一足先に仮装パーティーを楽しもうとそれぞれで衣装を用意する事になった。

    松田と一緒に通販で選んだ衣装が届いたのでパーティに出かける前に試着をしてみる事にした。どうせなら本気で遊ぼうと少し値の張るものを発注した甲斐があり、既製品ではあるもののしっかりとした生地で悪魔の威厳は保って見える。紺に赤いラインが入ったまるで舞台俳優のような襟の高い服に、角が着いたフード付きのマントを被れば自分で言うのもなんだが、なかなかイケメンの悪魔の出来上がりだ。だが、そんな俺の完璧な悪魔姿を見た松田は驚くどころか呆れ顔で「お前ってほんと、そーゆートンチンカンな格好が似合いすぎて面白くねぇな」と、何の遠慮もなく酷い感想を述べてくる。

    「ひどっ!!こんなに似合ってるのにー!!」
    「似合ってねぇなんて言ってねぇだろ」
    「そーゆー陣平ちゃんこそ、随分可愛い格好してるって自覚してる?」
    「?!何処からどう見ても男前で凛々しいオオカミ男様だろうが!!」

    いや、確かにオオカミ男なのだが、自前の黒い服に首にはフワフワのファー、頭にはケモ耳のカチューシャ、そして尻には器用に縫いつけたふさふさの尻尾を揺らしているその姿は格好良いと言うよりはどう見ても可愛い。口の悪い、ガサツで傍若無人な松田だが、大きな目の幼さの残る顔とくるくるのくせ毛にケモ耳と尻尾が付けば可愛い以外の何者でもない。更に本人は格好良いアピールのつもりで歯に付けた牙と、尖った付け爪を見せてくるのだが、子供がライオンの真似をして「ガオ~」とやっているようにしか見えない。まぁ、そんな事を本人に言えば不機嫌になるだけだから言わないけどね。

    「はいはい、陣平ちゃんはいつも格好良いですよー」
    「心が篭ってねぇ!!」

    そう言って尖った爪を顔の前に突きつけられるのは流石にビックリする。しかもその爪がご丁寧にネイルまでされているのを見て更に驚いて思わず指先を握ってまじまじと観察してしまう。

    「爪、陣平ちゃんが塗ったの?」
    「お、おうよ!黒い方がそれっぽいだろ」
    「へぇ……ほんと、器用だねぇ」

    元々分解などの細かい作業をするのに向いてるほっそりとした綺麗な指をしているが、更に女性のように爪の先を整えた松田の指先はえも言われぬ色気が漂っていた。ネイルに含まれる揮発性溶剤の刺激臭に引き寄せられるように指先に唇付け、そのまま舌でべろりと指を舐めると驚いた松田が顔を真っ赤にしてびくりと肩を震わせた。

    「ば?!!!ななな、何しやがる!!」
    「いや、色っぽいなぁって思って」
    「はぁ?!!だからっていきなり舐めんな……ッ」

    松田の抗議の声など聞こえないフリをして更に指先を口に含んで甘噛みしたり、指の付け根に舌を這わせて綺麗な指と可愛い松田の反応を堪能していると、頬にチクリと刺すような痛みを感じた。松田の捕らえられていない左手の尖った爪が俺の頬に立てられている。

    「痛いよ、陣平ちゃん」
    「頬に傷のある悪魔ってのも貫禄あっていいんじゃねぇか?」
    「それもまぁ、悪くはないけど警察官としては市民に怯えられちゃっても困るし」
    「だったらさっさと離しやがれ。零たちとの約束に遅れるぞ」
    「ちぇっ、残念」

    仕方なく松田の指を解くと俺の頬も鋭い爪から解放された。俺が舐めた指を乾かすように振るだけで松田は出かける為の準備をし始めた。そんな可愛い事をするから俺が調子に乗っちゃうんだよ、と心の中で言い訳をして松田の耳元に内緒話をするかのように手で耳を覆い、わざと意識した低く甘い声で「帰ってきたらこの格好のままエッチしよ」と囁く。

    松田の耳が赤くなるのを見てほくそ笑み、どんな罵倒と可愛い反応が帰ってくるのか楽しみにしていると、鋭い牙と爪を光らせながら「傷の百や二百、覚悟しとけ!!」と不敵に笑う男前な狼はどんな悪魔だって敵わない、最強の小悪魔だった。
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    DONE②お互いの頬にキスしないと出られない部屋「お互いの頬にキスしないと出られない部屋」そんな謎の空間に萩原と二人で閉じ込められて数分悩んだものの、試した方が早いとの結論に達した。

    萩原は楽しむかのように「じゃあ俺からね。はい、ちゅー♡」と頬にキスをされ、男同志で何やってんだか……と虚しささえ感じた。ただ、萩原の唇が触れた部分が妙にむず痒く感じて手で擦れば「えー、ひどいなぁ」と、少し寂しそうな苦笑いで返された。

    「じゃあ今度はじんぺーちゃんの番だね」

    そう言って少し屈んで差し出された頬にムカつきながらもさっさと終わらせてしまおうと唇を押し当てた。子供の頃にふざけて寄せあったふにふにとした柔らかさは微塵もなく、ガッシリとした骨格に薄くて硬い皮膚、そしてちくちくと刺さる短い髭。そのどれもが大人の男のもので、自分と同じはずなのに全く違う感触に驚き、すぐに唇を話してしまった。

    カチャン、と乾いた音と共に扉が開くのを見て何故か残念そうに「もっとちゃんとしてくれて良かったのに」と言った萩原の顔をまっすぐ見ることもできないまま「うるせぇ、開いたんだからいいだろ!」と答えて部屋を出たが、しばらく心臓の音はどくどくと煩いままだった。 496

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    DONE③お互いの好きな所を10個言わないと出られない部屋「じんぺーちゃんの好きなところかぁ。まず目かな。それと顔が可愛いし声もいい。後はやっぱり手だよね。指先器用ですっげー綺麗。くせ毛も可愛いし、ぶっきらぼうだけど本当は優しいし、一生懸命メシ食うとこも好き。そんで頭もいいし、ケンカ強いし、俺の運転付き合ってくれて、どこでも寝ちゃうのものもすっげー可愛くて好き。他にも……」
    「もう10個言ってるぞ」
    「もう?まだまだいっぱいあるんだけどなぁ」

    そう言ってニヤニヤと笑う俺を見て心底呆れた顔ではぁ、と短くため息を吐く松田の背後の扉には『お互いの好きな所を10個言わないと出られない部屋』と書かれた張り紙。元々人のいい所を素直に褒めることには抵抗ないし、ましてや松田相手ならいくらでも言える。短気で口も悪いけど心根は優しい男がオレは大好きだから。

    だから松田からも俺の好きな所を聞かせてもらえるのは嬉しいし楽しみだけど素直じゃない松田にとってこのお題はちょっと荷が重いかもしれない。

    「お前の好きな所……ねぇ」

    うーん、と少し考え込んでから俺の好きな小さな口がゆっくりと開く。

    「誰彼構わず愛想振りまくとこ」
    「へ?」
    「困ってる奴がいたら老若男女 1127

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    DONE④一緒のベッドで一時間寝ないと出られない部屋「じゃあ寝るか」と言って徐にシャツのボタンを外し始めた松田に慌ててその手を止めた。

    「は?え、何でシャツ脱ぐの?!」
    「何でって、このまま寝たら皺になるだろーが」

    普段ガサツなくせに変な所で細かい幼なじみに「あー、うん。ソウデスネ」と棒読みで返事をした。

    「?変な奴だな」と言われたのは心外だが口に出して拗らせるのも面倒だ。確かに皺は気になるがどこの誰の物とも分からない部屋のベッドで寝ろと言われて服を脱げる程、警戒心は薄くない。

    そんな俺とは対照的に松田は何も気にする様子もなく脱いだシャツを畳んで床に置き、更に腰のベルトを緩めたスラックスに手を掛けた所でもう一度俺の上擦った声が部屋に響く。

    「ちょ、じんぺーちゃん、まさか下も??」
    「さっきから何だよ?外歩いてきたズボンで布団に入ったら汚れるだろ?」
    「いや、それは自分のベッドならって話だよね?」
    「リラックスした方が寝やすいんだよ。ほら、さっさと寝るぞ」

    そう言って脱いでしまったズボンも綺麗に畳んで布団に潜り込んだ松田の豪快さと警戒心のなさに頭を抱えた。知らない部屋やベッドというだけではない。人の気も知らないでそんなにも簡単 1092

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    DONE⑤カラオケで100点取らないと出られない部屋『96.37』

    モニターに表示された数字に俺と萩原はガックリと肩を落とす。俺たちが今いる部屋は一見カラオケボックスのような空間だが、そこには扉も窓もない。『カラオケで100点取らないと出られない部屋』と書かれた壁の張り紙に唖然としたのも歌の苦手な俺ではなく萩原の方だった。

    萩原は昔から歌も得意で、自分の好きな歌手や女子ウケのいい曲をいくつもマスターしてはカラオケで披露していた。そんな萩原なら100点なんて余裕だろ、とタカを括っていたが流石に機械相手となるとそう簡単にはいかないようだ。

    「あー、もう!100点なんて無理だって~~」
    「泣き言言ってねぇでさっさと次歌え。いつまで経っても出られねぇだろうが」
    「じんぺーちゃんも歌ってよ!さっきから俺ばっかでズルい」
    「ばーか。お前でも難しいモンが俺に俺にできる訳ねぇだろ。時間の無駄だ」
    「そんな開き直るなって。俺も喉痛いし、ちょっと休憩するからその間練習だと思って歌ってよ」

    そう言ってマイクを渡され俺も知ってる萩原が好きな歌を勝手にセットされた。そりゃあ萩原ばかりに歌わせるのは悪いと思うが俺が音痴なの知っててわざわざ歌わせてくるのはム 1687

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    DONE⑥走り回る子犬を5匹捕まえないと出られない部屋「萩原!そっち行ったぞ!捕まえろ」
    「いや、俺もう両手塞がってるし!おわっ」
    「くっそ、逃げられた」

    俺と松田が今いるのは『子犬を5匹捕まえないと出られない部屋』いや、部屋と呼ぶには余りにも広い空間。地面には草が生えているし天井や壁は空のようにも見える。だがそれ以外には何も無く、此処が何処なのかもわからない。

    草の上に落ちていた紙に書かれた言葉を信じるならば走り回る元気な子犬たちを5匹捕まえるまでここからは出られないという事になる。3匹まではどうにか捕まえたものの子犬を抱き抱えたまま、しかも残りの2匹は格別ヤンチャなようで楽しそうに逃げ回っていて、このままではとても捕まえられそうにない。はぁ、と一度腰を降ろして乱れた息を整える。

    「ちっ、あいつら楽しんでやがるな」
    「ほんと、ヤンチャだねぇ。まるでじんぺーちゃんと降谷ちゃんみたい」
    「あー?零と一緒にすんじゃねぇよ」

    犬に喩えられた事ではなく降谷と一緒の扱いにされた事に腹を立てる所が何とも松田らしい。

    「萩原、お前はその3匹とここにいろ。俺が捕まえてくる」
    「りょーかい。後で代わる」
    「いらねーよ」

    そう言って子犬たちの方へ 1536

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    DONE⑦お揃いコーデで顔ピタ写真を撮らないと出られない部屋『お揃いコーデで顔ピタ写真を撮らないと出られない部屋』

    まるで写真館のように様々な衣装やカメラも用意された、だけど扉も窓もない空間に俺と松田は閉じ込められていた。

    まぁこの程度のお題なら何の問題もないし、むしろどんな衣装にしようか迷って部屋から出るのに時間がかかりそうだ。カジュアルな普段着からアイドルのような衣装、スーツにドレスに着物。ふわふわパステルカラーのパジャマや着ぐるみ。そして様々な制服やアニメキャラのコスチュームと思われるものまで幅広く取り揃えられている。

    どれも松田に着せたら似合うだろうし楽しみだなぁ、とウキウキしながら物色していると「おい、萩原こっち向け」と腕を引かれた。ふに、と頬に触れる柔らく暖かな感触と同時に松田が自分たちに向けたスマホからパシャリとシャッター音が鳴った。すると壁の一部が開き、外に出れる事を示してきた。

    「よし、出ようぜ」
    「は?え、何?!何で?!!」
    「何でって、元々同じ服着てんだし顔ピタ写真取りゃ出れるんだろ?」
    「お揃いって……え?まさか今着てる制服??」

    そう、俺と松田は共に警察学校に通っていて、同じ制服を着ている。お揃いと言えば確か 1156

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    DONE⑧唇にキスをしないと出られない部屋突然現れた謎の空間に閉じ込めれて早一時間。こんな所、出来ることなら一刻も早く出たいのは山々だが、扉どころか窓一つない。壁や床も一通り調べては見たが隙間もつなぎ目さえも見当たらない。壁に貼ってあった唯一この部屋から出られるヒントらしき張り紙に書かれてある事を信じるのならば今、一緒にこの部屋にいる相手と唇にキスをすれば出られる、という事になるのだが……

    「うーん、見事に隙間もないね」
    「そうだねぇ」
    「後は天井だけど、椅子もないし無理かな」
    「教官を助けた時みたいに肩車でもしようか?」
    「ははっ、班長じゃないんだし、俺が上に乗ったら萩原の肩が壊れちゃうよ」

    俺の隣で普段と変わらぬ穏やかな口調で笑っているのは警察学校の同期の一人、諸伏景光。一日の訓練を終え、いつものように五人で自習室にいたところ突然部屋が謎の光に包まれ、咄嗟に班長が隣にいた降谷の身を引き、そして俺が松田を庇うように押し出した所で一番奥に座っていた諸伏と共に光の中へ閉じ込められてしまったのだ。

    部屋の外には松田たちがいるはずだが声も聞こえないし、こちらの音も届いていないようだ。不自然な程にしんとした空間で自分と諸伏の呼吸 3684