キラキラ 真っ青な空に、白い雲が浮かんでいた。まだ陽が低い位置にあるだけマシかと、敢助は額を流れる汗を手で拭う。今朝、ニュースで今季の最高気温を更新すると言っていたのを思い出し、思わずため息が漏れた。
「おい、高明。そこの公園で一旦休憩するぞ」
「そうですね……」
高明の口からも深く息が吐き出されるのを聞き、敢助は足早に舗装された道を進んでいく。隣を歩く横顔に視線だけを向ければ、疲れからか普段から白い顔がより色をなくして見えた。
仕事とはいえ、この暑さでは気力が著しく削がれてどうしようもない。
民家の間を縫うような細い道に、敢助が杖をつく音が強く響く。
聞き込みの道中、何度も通った道はアスファルトの照り返しも強く、足を踏み出すごとに体力を消耗していくようだった。
2025