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    Hayawo3011Sk

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    Hayawo3011Sk

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    #安赤
    #シクトリ3
    sicutri3

    ツれない背中金曜日、深夜一時。
    世界中の大勢の恋人達は恐らくクライマックスを迎えているだろうという時間帯。多分に漏れず俺達も同じ状況だった。
    「赤井、……っ、イク、ぁ……ッ!」
    「あっ、っ、れい……れいっ俺も、いくッ、いぁ、あぁ、ぁ……!」
    オーガズムを迎えた赤井の厚い胸板がビクッと腕の中で揺れ、硬い太腿で腰をぎゅうと挟み込まれる。熱くぬめる淫壁が痙攣するようにぎゅうと締まって、殆ど同時に俺も薄いポリウレタン越しにびゅっ、と勢い良く精液を飛ばした。
    噴き上げるマグマの様な一過性の快感に頭の中が真っ白になる。
    「っ、は、はぁ……あー……気持ち、い、」
    「ん、……ああ、俺も……」
    俺の呟いた言葉に掠れた赤井の声が返ってくる。酷く堪らない気持ちになって、このまま第二戦まで行きたいところだが、俺にそれは許されない。
    二、三回露を払うように腰を振って、ゴムの根元を抑えたまままだ2/3ほど硬さを残した己をずるん引き抜く。ぬぽり、と音を立てローションやら体液やらが溢れてくる赤井の赤く腫れてぽってりと濡れている後ろの唇を出来る限り見ないようにティッシュで拭う。それとほぼ同時にまだ満足とはいっていない顔をしたムスコからゴムを取り外してやり、液だまりを破かぬように慎重に口を縛って、それもティッシュに包んでゴミ箱に放った。
    この間約4秒。
    訓練されたように機械的な手順でこなし、どさり、と先に寝そべっている赤井の横に身体を投げた。
    シーツの冷たさが心地よいが、それはまだ全身に熱が燻っているからだ。物足りなさを正直に主張するムスコがシーツに埋もれて悲鳴を上げている。
    明日は珍しく二人揃って休みだ。今日こそ、今日こそはこの続きがしたい。
    「ねぇ、赤井……」
    嵐のような二十代をまだ数か月残した自分には、たった一度のそれだけでは到底もの足りない。それをどうか分かってほしい、と続きを強請るようにキスをしようと顔を近づけた。
    だが、
    「ん? 」
    赤井はふいとそれを避けた。
    その手にはいつもの煙草とマッチの箱が握られているのを、俺は見逃さなかった。いや、もし見逃していたとしても判る。どうせそうなのだろう、とどこかで分かっている自分がいた。
    そしてただすれ違ったように見せて、実は赤井が俺の真意に気付いていることも、知っていて俺の誘いを躱しているいることも、聡い俺は知っていた。
    「ああ……今日も気持ちよかったよ、零くん」
    額にしっとりと汗をかきながら、しかし男は煙草にしか視線を向けない。口の端で含むように笑ってはいるが、下手な愛想笑いを見抜けない訳もない。
    (……狡い)
    だがそうは思っても、俺はそれを口に出せない。唇は見栄と虚勢で糊で綴じられて、一向に満足に開かなかった。
     

     
    赤井とのセックスは、スポーツに似ている。
    勿論、俺たちはセックスフレンドではなく、正真正銘の恋人同士だが、その行為はとても淡白だ。
    必要以上にキスもしないし、手を握って愛を囁いたりもない。抱き締めあって囁くように会話したりもしないし、甘えたり甘えられたりするような雰囲気ですら無い。
    軽くキスをしながら互いの性器を擦り合って性感を高め、予め慣らしてある赤井のアナルに挿入して、俺は腰を振る。赤井は自分自身の性器を自らの手で擦り、俺のタイミングに合うように腰を振って、最終的に殆ど同じタイミングで絶頂に到達する。それがいつもの流れだ。
    その筋道以外に寄り道する場所はないし、そうしようとすると赤井からストップが掛る。
    俺はもっと赤井の身体に触れてみたいのに、そうすると「そんな事をする必要は無いだろう」と一蹴されてしまうのだ。
    赤井が言うには「俺達の関係は常に50/50、どちらかが尽くすような行為は常にイーブン、対等な状態にならない」だそうだ。俺がしたい事をするだけで貴方はそれを受け入れるだけでいい、と言っても赤井は決して首を縦に振らない。「君は俺と対等な関係になりたいんだろう?」と、付き合い始めた時の自分の台詞を引用してまで言われると、流石にそれ以上執拗く食い下がれななかった。
    しかも赤井は、絶対に一度しかしない。
    一日に一試合、絶対にワンラウンドしか挑ませて貰えないのだ。
    まるでスポーツ選手が肉体に負担を掛けないよう球数や試合数を自制するように、赤井は第2ラウンドを絶対に許さない。
    俺が射精したら、そこで試合は終わり。サッサと片付けを自分自身の手でして、(俺がぐずって自分でしない場合は赤井が自分で勝手にやる)サッサと一人で寝る体制に入る。
    甘いピロートークなんてものは一切ないし、セックスが終わったら赤井は直ぐに俺に背中を向けて、煙草を吸って、いつの間にか眠っている。
    きっと赤井は過去抱いてきたオンナにもそういった態度だったんだろう。さも有り得そうだ、と思呆れながらも、そこに俺の知らないオンナを沢山抱いてきた赤井の過去の姿が透けて見えて、苦いものが上がってくる。

    「ねぇ……それ、これまでの彼女とかに感じ悪いって言われませんでした?」
    そう毒のこもった言葉を薄らと汗のにじんだ背中を吐き出しても、その広い背中は微動だにしなかった。
    絶頂期を乗り越えた後の男特有の開放感と倦怠感に一人きりで浸って、こちらに向き直そうとすらしない男の背中を恨みがましく睨み付けると、赤井はさも面倒そうにふぅう、と紫煙を吐き出した。
    「どうでも良くないか? 俺達は男同士なんだし」
    「…………」
    それを言われると、俺は恨み言さえ封じられてしまう。
    『男同士』という言葉は、赤井の伝家の宝刀だ。
    『男同士』だから不必要にベタベタ触り合うような甘ったるいセックスはしない。『男同士』だから一発抜いたらそこで終わり。『男同士』だから、終わった後も、あけすけな態度を隠さない。
    この状況が持っている自分の不満全てを赤井は「俺たちは『男同士』だろう?」と言う言葉だけで落着させてきた。
    確かに俺も赤井とは対等な関係で居たい。年下だからと言って侮られたり、甘やかされたりしたくはないし、出来れば尊敬され頼られるような男になりたい。
    そもそも赤井は俺よりも上の存在だ。
    頭脳明晰冷静沈着でいつもクールなポーカーフェイスを崩さず、同性も憧れるような逞しい肉体を持ち、それに狙撃の腕まで世界一と完全無欠な赤井秀一と、器用貧乏で赤井が関わるといつも空回りしてプレッシャーに負けてしまう自分。自分自身に能力が全くないという訳では無いし、必要以上に自分を卑下する訳ではないが、恋人同士になった今でも赤井に対するコンプレックスは完全には拭い切れない状態だ。
    そんな自分が赤井秀一と恋人関係になるには、実は精一杯の背伸びが必要なのだ。
    白鳥が水面下では絶えず足で水を掻いて優雅に湖面を滑る様に、俺は常に気を張って、頭をフル回転させて、先回りして行動しないといけない。それでようやく俺は赤井の隣に恋人として並び立っていられるような存在でいられる。
    だがそれが、こと男としての価値が隠しようもなく明るみになる『セックス』という場面においては難しい。
    服を脱いで、理屈も体面も捨てて、己の体一つで対面すると、俺は赤井よりも弱い存在なのだということをまざまざと自覚させられる。
    だからどれほど赤井秀一という男に触れたくても、自分の若い欲がたった一度の味気ない行為だけでは収まらなくてどれほど苦しんでも、「男同士なのだから」のたった一言で切り捨てられてしまう。
    仕事中でもプライベートでもクルクルとよく回る筈の思考回路も、ペラペラと薄っぺらい言葉を並べ立てて自分の都合のいいように状況を持って行く舌も、シーツの上で超然たる雄を目の前にしてはは全くと言って発揮できない。
    ただ良いように丸め込まれて、おずおずと伸ばした手を引っ込めるしかない。
    要は俺は生来の意地っぱりで見栄っ張りな性格が仇となって、どれだけセックスがしたくても出来ない状況に陥ってしまっていたのだ。

    だがここ最近はそんな見栄も剥がれ落ちてしまって、欲求不満の苛立ちを隠せないところまで来ていた。
    「確かにどうでも良いですけど……灰落としてシーツに穴開けないで下さいね!」
    つれない男の背中に少し乱暴にシーツを掛けて、自分はベッドを立った。
    まだ下半身のそれは硬いままだ。
    自分で処理をするためにトイレかシャワーに行かなくてはならない。何が悲しくて恋人がベッドで煙草を吹かしているのに、一人でマスを書かなければならないのか、と苛立ちと共に情けなさが込み上げてくる。
    しかし赤井という男はそんな事などお構い無しに優雅に紫煙を吐き出す。
    「判っているよ……それに、今までに落としたことは一度もないはずだが?」
    「ああそう!」
    俺がまともにキスも出来ないその薄くて柔らかな唇は、変わりに小憎たらしい口答えばかりする。
    俺はその少しツンと尖った挑発的な唇に今にもむしゃぶりつきたいのに、そこには細い紙巻きたばこの存在しか許されない。
    まだしっとりと汗に濡れた肌の下、柔らかい部分は潤んになったら、でいるだろうに、自分には右手しか許されない。
    余りに切なくて『男同士だから、なんてどうでもいい』と今ここで見栄も維持もかなぐり捨ててこの男を押し倒す自分の姿も頭を過ぎったが、実際はその長い鞭のようにしなる脚に蹴り倒されて終了だろう。
    そして残ったのは見るも無惨な意地と見栄の残りカスと赤井からの軽蔑だ。二人の関係は確実に壊れるだろう。
    そんな事を想像するだけで背筋がヒヤリとする。
    俺はずっと必死で赤井の恋人という場所を保ってきたのに、そんな事は出来なかった。
    「じゃあ僕シャワー浴びてくるんで!」
    「ああ……一本吸い終わったら勝手に寝るから電気は消したままでいいぞ」
    「分かってますよ!」
     これ以上赤井を傍で見ていると欲求不満で腹は立つし、目に毒だ。
    とにかく今はムカムカ、もといムラムラする自分の下半身を落ち着けないと冷静な判断も出来ない。
    そう思って俺はさっさと寝室を出てしまった。


    しかし、寝室を出て数分後、浴室に入る数秒前に手元にスマートフォンが無いことに気がついた。
    「……うわ、最悪」
    怒りと焦りの余り、ベッドのヘッドボードに忘れて来てしまったようだ。
    あの中にいつもオカズにしている赤井の寝顔、寝相シリーズが入っている。今も昨日撮ったばかりの腹を出して下着のまま眠る赤井の姿で抜こう、と思っていたのに、スマートフォンが無ければ難しい。
    間抜けな自分に勢い舌打ちをしたが、しかし舌打ちしたからと言って手元にスマートフォンが飛んでくる訳でもないし、かと言ってここまで我慢したのに自分でオカズすら選べない我慢まではしたくなかった。
    「……戻るか」
    そうなれば一旦寝室に戻って、スマートフォンを取りに行くしかなかった。
    寝室を出る時に八つ当たりのような態度を取ってしまったのでバツが悪いが、しかし煙草一本なら赤井は吸い終わってそろそろ眠っているタイミングだろう。
    もし起きていたとしても、部下に連絡する事があったのを思い出した、と言えば仕事の事を詮索しない赤井は風呂場に通信機器を持ち込むについて(要は俺が風呂場でオナニーをすることについて)何も言ってこないはずだ。
    そうと決まれば、足取りは軽かった。
    早く欲を発散させて、俺もイライラを解消したい。寝室まで大股で10秒も掛からずに辿り着き、ドアノブに手を掛ける。
    だがその場でふ、と手が止まった。
    (……え?)
    ドアの隙間からふー、ふー、と押し殺した吐息が聴こえてくる。そしてその吐息の終わりが不安定に揺れている。
     中にいる赤井だけのはず。そしてその赤井もそろそろ眠っているだろう時間なのに、どうしてそんな吐息が聞こえるのか。
    怪訝に思いながらゆっくりドアを開けると、暗闇の中でシーツにくるまっている赤井の背中がびくんと揺れた気がした。
    「ぁ、……っ、な……んだ?」
    「いえ……スマートフォン、ヘッドボードに忘れて……」
    こんもりとしたシーツの山の中から、掠れた赤井の声が聞こえてきた。
    もう眠りかけていたのか、その声はやたらと小さく覇気がない。俺が声をかけてもシーツの中で蹲ったまま、巻き毛のブルネットは微動だにせず、こちらを振り返ろうともしない。
    そこには数分前までのあの不遜とも言える姿はなく、暗がりの中体を縮めている様子はまるで雷に怯える幼児のようにも見えた。
    (やっぱり、なにかおかしい……)
    一歩、二歩、とベッドに近づく度に、扉を開ける前のある種直感に似た感覚は確かそうだという事を確信する。
    震える吐息は必死で息を止めているのか自分の耳には聞こえてこないが、近くで見ればその身体が細かく震えているのが分かる。
    恐らくそれを止めようと自分自身をかき抱いて居るのだろうが、それでも抑えられずに時折軽くピクンッと肩が動いているようだ。
    これは何かある。
    それが何かは分からないが、赤井はシーツの中で何か隠している。
    赤井秀一という男に対する自分の直感は有り得ないほど精度が高いのだ。その直感は信用に足る。
    「はは、……馬鹿だな……ッ、ぅ、」
    「なので、ちょっと電気付けて探させて下さい」
    「……は、待っ」
    パチ、と寝室の電気を付ける。
    直前、赤井は珍しく憎まれ口を叩いたが、そんな事は自分を止める要素にすらならない。
    煌々と電気の着いた寝室で、やはり赤井は胎児のようにシーツにくるまって丸まっていた。
    普段眠りに入る時の赤井はそんな格好をしない。いつも赤井は王侯貴族かなにかのように真っ直ぐ姿勢よく眠るし、一度眠りに落ちたら死人のように殆ど動かない。
    こんな風にシーツをぐしゃぐしゃにくるまっているなんておかしいのだ。
    そしてそれを証明するように、ピンク色に染まっている赤井の形良い耳がシーツの端から覗いている。そしてよく見なければ分からない程だが、やはり身体が細かく震えていた。
    (……何を隠しているんだ?)
    たった数分前まで余裕そうに煙草をふかしていた男とは思えない弱々しい姿に、自分の心の奥底に隠してあったスイッチがパチンと音を立てて『ON』に切り替わった。
    「……赤井、煙草もう吸い終わったの?」
    「っ、あ……ああ、だからもう寝る、から、電気を――」
    「じゃあ僕も寝ようかな」
    するり、とスプリングの軋む音さえさせず、俺は赤井の隣に滑り込むように寝転がった。
    俺の重み分だけベッドが沈み込むと、赤井の肩がビクリと跳ねる。
    これだけ近付けばやはり必死で押さえ込もうとしてもまだ息が荒い事も判るし、触れなくてもその身体のあちこちが緊張している事も分かる。
    ああ、やっぱり。何かこの男は隠している。
    自分の直感が確信に変わる。
    スイッチが切り替わり、加虐性を孕んだ好奇心が自分の行動を突き動かす。見栄や意地は忘れてしまった。
    「なっ……き、み……ぁ、スマホ、は……!」
    「ああ、ヘッドボードにちゃんとあったんでもういいです……ほら、向こうに詰めて」
    「……え、アッ!」
    ぐっと身体を引っ付け、咄嗟に逃げられないように赤井の腰に腕を回した。赤井は嫌がるように身体をくねらせたが、しかしどこかその抵抗も弱々しい。それにシーツ越しにも分かるくらいに身体が酷く熱かった。
    もしやこいつも一人でマスをかいているかと思ったが、回した腕の感触からそうでは無いらしい。
    だとしたら何故赤井はこんなに震えているのだろう。
    「……赤井、息、荒くないですか?」
    「ん、んん……っ、そう、か……?」
     回した腕をそっと動かしてシーツに包まれた男の秘密を探る。
    フゥフゥと忙しない吐息、じっとりと汗をかいて熱い体、性器は反応していないようだが、全身で震えるそれはまるでオーガズムの直前のような反応だ。
    それも男のそれではなく、より快感が深く長く続くオンナのそれによく似ている。
    「それにさっき電気付けた時、背中も首も真っ赤でした」
    「っ、今日は、暑いから……」
    「でも、エアコンはちゃんとついてますよ」
    「ンッ……!」
     赤井の指先がそろそろと肌の上をまさぐる俺の腕を掴んだ。
    だが俺のその手を止めようと思っての行動ならば、それは逆効果だ。
    弱々しいその力により加虐心がそそられ、どんな時でも小憎たらしい理路整然と喋るあの赤井が子どもでも見抜ける嘘や誤魔化しをする姿に、酷く征服欲が擽られる。
     欲を持て余していた自分自身にグッと筋が通っていくのを感じる。
    「この男と対等で居たい、侮られなくない」などという虚勢をかなぐり捨て、獣じみた本能がすぐ俺がそのに居る。
    「――赤井、ずっと俺に背中見せてて良いの?」
    「アッ?!」
    瞬間、赤井がくるまっていたシーツをひん剥いた。
    寝室のライトの下で、赤井の薄桃色の下半身が露になる。
    そして俺は素早く小さくきゅっと丸いふたつの丘の間へ指を二本差し込んだ。
    「ッ!! アッ、アッ!? 」
    「うわ、凄い……」
    じゅぷ、と粘着質な水音をさせて指が赤井の胎内に入る。そこは酷く熱くて、突然の侵入者に可哀想な程に怯え戦いて震えている。
    だがこの場所の支配者である事を思い出させるようにグッと壁持ち上げて押さえ付けると、途端に襞の一枚一枚で従順に縋り付いて来た。
    まるで、寂しかった、と泣くように必死になって俺の指先をきゅうきゅう締め付ける。
    「ヒ! ぁ、あ!や!君、いきなり……ぅああっ!!」
    「やっぱり……今、ナカでイッてるんですね」
    赤井は慌てたように振り返ろうとするが、もうそれでは遅い。
    腰に回した腕で体幹をぎっちりと固定して、逃げようとする腰を押さえて指を奥深くまで飲み込ませる。
    「な、っ、―――ッ! ァ、あ!ひ……は、ァアッ!!」
    「さっきもナカでイッてた? 僕にバレないように隠してたの?」
    セックスをしてる時は自分のことでいっぱいいっぱいで気が付けなかったが、赤井は恐らくどこかのタイミングでナカイキ――アナルへの刺激だけで至る射精を伴わない女性性のオーガズム――を、してしまったのだろう。
    ナカイキは男性の単発的なオーガズムよりも快感の波が高く、時間も長い。だからセックスが終わっても、興奮が収まらなかった。
    だが問題はそこでは無い。
    「なにが『対等な関係』ですか、こんなにエロくなってるの隠して……」
    「アッアッアッ!まてっ、待てッ、待っ、ひ!!ア……―――!!」
     クッと前立腺を押し上げただけで赤井は絶頂を越え、ビクン!と体全体で跳ねる。待てという癖に後ろはきゅうきゅうに絡み付いてきてもっと、もっと、と淫らに俺の指を誘った。
    軽く触れればそれだけで堕ちる程に熟れている要ら淫らな身体を、赤井は隠していたのだ。俺はそれが許せない。
    俺は見栄と意地を張らされていたのだ。
    必要も無い我慢を俺はこれまでずっとしてきた。
    「あー……なんで僕、余計な見栄張って一回で我慢してたんだろ……馬鹿みたいだ」
    「あっ……あっ、あっ、いや、ゆ、指……い、やだ、……ッ!」
    ぐちぐちと痙攣する赤井のナカを掻き混ぜながら、赤井に聞かせるように俺は大きく溜息を吐いた。
    見栄と意地を張っていたのは俺ばかりではなかったのだ。
    赤井も俺に快感に弱い身体を知られないように見栄と意地を張っていた。
    必要最低限しか触れないように自分で雰囲気とシチュエーションを作り上げ、二度目を挑もうとする俺を避け続けてきたのだ。
    俺が見栄っ張りで意地っ張りな性格なのを見越して、自分の弱さを隠した。
    赤井の割に、小狡い手を使ったものだ。
    だがそう責めると、赤井は腕で自身の顔を隠しながら首を振った。
    「しら、しらな、いぃ……っ!!」
    「――へぇ、そっか」
    「アッ!?ああっ!いやだっ、ヒッ!そこ……っそこは、嫌だッ、アッアッア!!ぁ―――、ひ、〜〜〜ッ!!」
    あくまでそんな事はしていない、と赤井は主張したいらしい。
    それはそうだろう。
    目の前で見栄と意地を無理やりに剥ぎ取られる事がどれほど辛く苦しいか、俺も充分承知している。
    だが、だからこそ、それを突き崩すのだ。
    「じゃあ挿れますね」
    「え……、は、う、うそだろ……だって2回目は、しないって……!」
     ヒィヒィと喘ぐ呼吸の下で、そういう約束だろう、と悲鳴じみた声で赤井が叫んだ。
    だがそんな事は、とうの昔に過去になった。
    俺はもう虚勢を捨てた。自分ばかりが大切にそれ等を持っていられるとは思うなんて勘違いも甚だしい。
    あとは二人で本能のまま番うだけだ。肉欲にまみれて、貪り合うようなセックスをする。
    既に、俺よってそう決まっている。
    「いやだ……っ、そんなのおかしく、なる……っ、アレは嫌なんだ、零! 頼む、いやだあ、頭が……、変になって……ひッ!」
    まだ理性のある自分に未練のある哀れな赤井は俺の腕に縋り付いて来る。
    嫌だ、あれは怖いんだ、変になるんだ。酷いんだ。君に知られたくない。君に嫌われる。
    そう快楽の涙に濡れながら、必死で俺を押し留めようとする。
    「大丈夫――」
    ちゅぷ、と可哀想な程に可愛らしい音がして、何も纏わない肉棒が、柔らかな蕾の先端を押し開いた。

    「多分……スグに全部、分かんなくなるよ」



    (続きは夜21時頃、pixiv投稿予定)
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    Hayawo3011Sk

    DONE安赤ワンドロ「目立つのは……」よりそれはなんの変哲もない月曜日の朝だった。
    特筆すべき点といえば今日の俺はフレックス出勤で、朝食は最近家の近くに出来たベーカリーで購入しようかと思っていたことくらいだ。憂鬱な月曜日の朝くらいゆっくりしてもいいだろう。
    「……重い」
    俺に抱き着くように回された恋人の腕を遠慮なく押し退けて起き上がる。
    恋人の零とはもう付き合って四年目になる。彼の腕の中で目覚める朝に純粋な感動を覚えなくなってくる頃合いだ。
    しかも昨日の彼は部下の結婚式だか二次会だかに参加して深夜にへべれけになって帰ってきて、その時点で寝入っていた俺に酷く絡んできた。よっぽど美味い酒だったのだろうが、夜中に突然「愛してるんです」「一生一緒に居たい」と酒臭い息でキスをしてくる男には愛しい思いよりもちょっとした苛立ちを覚えるのは仕方がない事だと思う。
    ここ数年でしっかりとウェイトを増やした逞しい腕を容赦なくシーツの上に落とし、俺はマットレスの上で大きく伸びをした。
    ぐっ、と背筋を伸ばし、体の隅々まで点検する。いまは大使館のFBI事務局で書類仕事ばかりをしているが、昔から沁みついた癖は中々抜けないものだ。
    「――?」
    そこで俺はよう 4874

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