「ーーーつまりなんだ、さっさとあの女を自分のものにしてしまえば解決する問題ではないか」
「なっ、なんてこと言い出すんだ蓮!?」
「あの女はおまえの婚約者なのだろう? お互い承知の上で寝食を共にしてるのなら、手を出したところで何の問題があるんだ」
「そっ、そういうことじゃ…第一あのアンナだぞ、どんな恐ろしいことになるか…」
「フン、意気地なしが」
「いっ…!」
「つまりおまえが怖いだけだろう。自分の心に向き合うのが」
「…!」
「情けないやつめ。あの女とてシャーマンキングの妻になると豪語しているくらいだ、覚悟はしているのだろう」
「覚悟…って」
「神になるというならばヒトでいられるわけではあるまい。そういう意味での別れを済ませろと、パッチは言ったのだろう」
「……」
「おまえだってわかっていたはずだ。だからこそあの女のいないところで俺にグズグズ言うわけだ」
「…オイラは」
「いい気味だな」
「…ん!?」
「いつでも泰然自若と構えてユルユルと笑っている男が、たかが女ひとりのことでこうも思い悩むとは」
「……」
「俺にはわからん。わからんがおまえと戦ってわかったことはある。相手を知ろうとしたら本人にぶつかるしかないということだ。己の中で勝手に膨らんだ妄想は、身を滅ぼすだけだろう」
「蓮…」
「あの女がおまえに惚れていることなど誰でもわかることだ。おまえも大事なら抱いてしまえばいいだろう、それだけのことだ」
「だっ…!!?」
「くだらんことに時間を取らすな。俺には時間がないのだ」
「蓮…おまえ、オトナだな…」
「ふん、おまえのようにゆるく生きてるわけではないからな」
「見た目に似合わず…」
「背のことは言うな!!!」
オチはないよ🤷🏻♀️