「これは内緒なんだけど、ノイマンさんとチャンドラさんって恋人同士なんだって!」
内緒なのになん私に言ったんだ、とルナマリアは思ったし言葉にして伝えた。けれどシンは興奮冷めやらぬ様子でさらに続けた。
「ノイマンさんがチャンドラさんのこと腰に手を回して引き寄せたんだけどさ、なんかすごいかっこ良くて!チャンドラさんも全然嫌がってなくって笑顔だったし!あれが大人の色気ってやつかもしれない!」
俺もいつかはあんな風に!なんて言うシンに、シンはそのままで良いよと伝えながら、ルナマリアは2人の事を考えるが、ノイマン大尉にはやばい操舵をする人のイメージしか無かったし、チャンドラ中尉に至っては彼がミレニアムで一時的に乗艦する事になった時紹介されたな、ぐらいしか思い出せなかった。
シンからそんな話を聞いたからか、ルナマリアはノイマンとチャンドラが気になって仕方なくなっていた。そして2人の事を気づけば観察していた。するとどうだろう、彼ら2人は確かに距離が同僚や友人より近かった。
例えば2人で並んで話している時は肩が触れ合っているし、休憩時間が合えば何時も一緒にいた。
そしてルナマリアは決定的な場面に遭遇してしまったのだ。2人の休養日開け(この頃になるとルナマリアは2人のシフトを完全に把握していた)ノイマンの部屋からチャンドラと2人でブリッジに向かう所に。
(本当に付き合ってるんだ)
正直シンが揶揄われてるだけとも思っていたのだが、この様子だと本当に恋人同士なのだろう。
「シンから聞いちゃったんですけど、2人の事内緒にしますね!」
後ろから思わず声をかけてしまった。
すると2人は驚いた様にこちらを振り返ったが、
なんだか2人の時間をこれ以上邪魔するのは悪いかなと思い、ルナマリアはもう一度「内緒にしますからー!」と言ってその場を後にした。
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「…なんだ今の、ホーク中尉かぁ?」
「俺たちは何を内緒にされるんだろうな?」
「さぁ…」
「シンから聞いちゃった」の所が聞き取れていなかったため、2人には何を内緒にされるのか分からなかった。でも、まぁ若い子のいう事はわからない事もあるからとあまり気にせずブリッジに向かった。