未定ビュー サラサラサラ
地面を蹴る風が強くなってきた。少し離れた地方では春一番が吹いた、と天気予報で言っていたな。俺の住む街にも、もうすぐ春がやってくる。
『(ここに題名入ります。)』
「今日は?ミニブーケいくつ作る?」
「そうだなぁ 平日だし、とりあえず5個作っといて、夕方前位に様子見ながら追加って感じかな。」
「了解! よし、この子とこの子をメインに…」
「あ!お兄ちゃん!もう配達の時間だよ!」
ポンッと投げられた、軽の配達用バンの鍵を受け取る。
「そうだな。行ってくる。」
通学通勤の人々が落ち着く9時頃、俺は配達に出かける。週に2日。店前に停めた白いバンを運転する。今日は晴れていい天気だ。暖かくなるっていうから、弱い子達は気をつけなきゃだな。とか思ってる間に到着。ここは大きなお屋敷。木の塀が長く長く続いている。そして表の看板には、煉獄流日本舞踊稽古場。