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    deundeuun

    @candi___ru059

    🔥🎴・💎⚡️が大好きです💕 久々腐りました。 
    腐る直前に書いたssなども、あげたりしてます。今は大腐りです。

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    deundeuun

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    4/25〜27webイベ用ss
    書いてる途中ですが、体調不良により少しずつ更新して参ります。以下注意書きです。
    ・🔥🎴現パロ
    ・🎴大学生。🔥さんは謎の男w
    ・うざいモブいる。恋愛的な絡みはない。

     郊外にある小さな町。大きなマンションよりも戸建てが多い。公園も各所にあり、遊歩道がそれを繋いでいる。全てが控えめな町がある。その町の少し外れに、これまた控えめなバーがある。名前は『tender rain』常連客だらけだが、ご新規さんも来て欲しい、とマスターは思っている。年寄りだらけじゃないか、とこぼすが、またマスター自身もいい年齢だ。今そのバーに若者が2人。何やら話をしている。

    「うわ!埃っぽい!」
    手をパタパタと顔の前で動かし、眉間に皺を寄せる。
    「まぁ、仕方ないよ。しばらく開けてなかったし。ああ、カウンターも埃が乗ってる。」
    指でスッと撫でると、指先の色が変わる。
    「親戚とはいえ、数ヶ月自由にしていいよ、って言われてもねぇ。大丈夫そ?」
    「うん。どうにかやってみようと思う。俺にとっても思い出のある店だからな。さ!悪いけど掃除付き合ってくれ。善逸。」
    「わかってるよー 今日の夕飯、楽しみにしてるからな。炭治郎。」
    お互い顔を合わせて、ニカッと笑う。同級生であり、友達ある炭治郎と善逸はテキパキと掃除を始めた。
     遡ること少し前。遠縁の鱗滝さんが湯治に出かけることになった。仲良しの桑島さんの鶴の一声で行き先も決まった。喧嘩ばかりの2人だがこういうときの即決即行動は仲良しの証拠だ。出かける直前鱗滝さんが閉店間際にやってきた。
    「炭治郎。わしは桑島とちょっと出かけてくる。その間わしの店、あれをお前の好きにしていい。ほっとくでも、店として運用するでも、好きにしなさい。ではな」
    「え?え?」
    いつも言うことだけ言ってどこかに行ってしまう。もう背中を向けて、ドアに向かっている。
    「ま!待ってください。どの位出かけるんですか?3日とか?1週間とか?」
    「今のところ3か月、というところか。」
    「…さ?え?」
    驚いている間にいなくなってしまった。ドアベル鳴ったかな。
     ということで、今は俺がこの店の責任者だ。とりあえず義勇さんのところにおろしてる、鴨チーズバジルパイと、アヒージョラスク、ナッツのスパイスオイル漬けは用意しようと思う。あとはお酒だな。…俺お酒苦手なんだよな。飲んでもすぐ赤くなって、なんだかよくわからなくなる。いつも弱い度数の酒を少し飲んで、氷で薄まったのをこっそり飲んでるんだ。そんなわけで、酒の知識が無さすぎる俺は善逸に頼った。社交的で飲み会によく出てると聞くから、詳しいはずだ。今日は店の酒がどうなってるか、一回見てみようとなり、確認で来たんだ。が、前途の通り埃まみれでまずは掃除。少し綺麗になったところで、少しだけ開けていたドアが開く音がした。

    「お!ここか?おい善逸!」
    「…あ…」
    「ん?誰だ?誰か手伝い呼んだのか?」
    「あ、いや、俺の友達…で」
    「なんか?タダ酒飲めるって言うから来たんだよ。しっかし、古臭え店だな。」
    「…え?善逸?そんなこと言ったのか?」
    「いや、ごめんよぉ なんかそんな風になってたみたいで…」
    「お前が『どんな酒あるかわかんねえけど、飲みにこいよ』って言ったんじゃねえか。」
    善逸は汗だらだらで、眉毛は八の字、今にも泣きそうで、いや、泣いてるな、これは。
    「あの、すまないが、そういうことはやらない。行き違いがあったようだ。今日は帰ってほしい。」
    「はぁ?なんだよ、お前。」
    「俺は竈門炭治郎。善逸の友達だ。」
    「へぇ 俺らも友達だよな?なぁ?善逸?」
    ニヤニヤしながらこちらを見る。はっきり言って嫌いなタイプだ。だけど、善逸の友達なのか。無碍に出来ないなぁ…などと考えているうちに、テーブルを囲み始めた。
    「どうせ酒なんてないだろうから、さっきコンビニでサワーとか買ってきたんだけどわ。かんぱーい!」
    数名の大学生が勝手に酒盛りを始めた。さっきまで静かだった店内が騒がしくなった。店の雰囲気に合わない声で話し、笑い、大声を出す。しまいには勝手にトイレに行く始末。トイレ帰りに、カウンターのタッパーに気付く。
    「おい〜なんだよ。うまそうな、つまみあるじゃん!どれどれ う、ま!やば!おい食えよ!」
    「あ、それは」
    炭治郎の声は彼らには届かず、頑張って作ったパイ達がなくなっていった。
    「お、おい、やめてく
    「おいおい?いつのまにここは居酒屋になったんだ?」
    …え?」
    ドアの方を向くと、誰かが立っている。影になって見えないが、どうやら2人いるみたいだ。
    「なんだなんだ?居酒屋?おい、煉獄、んなわけねぇだろ。…て、マジか?お子ちゃましかいねえ!」
    「うむ!似つかわしくないな!この店に!」
    見たことない人達だ。鱗滝さんの知り合いだろうか。店内中央までやってきて
    「お子ちゃまには、この店の良さなんかわからないか。ははー!」
    『は?はぁ?うるせえな!俺らはあいつの友達なんだよ!』
    「ほぉ 友達ねぇ 騒いで迷惑かけるのも友達なのか? おい宇髄。さっきのキウイを取ってくれ。」
    ボールを投げるように、宙を移動するキウイ。いつの間にかカウンターの中に入り、何かを作る金髪の人。そして賑やかなテーブルのそばで、更に賑やかにしている、銀髪の大きな人。その銀髪の人はめちゃくちゃ大きくて、更に店が小さく見えるほどだ。が、その次に目を奪われるのは顔!イケメンてやつだ。こんなにかっこいい人見たことないぞ。くるくるよく動く表情で、賑やかな彼らを宥めすかしている。身振り手振りも交え。感心していると、隣から何だか声がする。
    「イケメン滅びろ。イケメン滅びろ。イケメン滅びろ…」
    呪いかけてるのか?善逸。昔からイケメン嫌いだもんな。毎回言うな、それ。あと今日はいつもより激しく呪ってるな。…がんばれ

    「さぁさぁ!その酒もいいが、こちらはどうだろうか?」
    カウンターに音もなく出てきたそれは、よく見たグラスに入ってはいるが、なんとも綺麗で、スポットライトが当たってるいるくらい光って見えた。オレンジ色と…赤?あぁ、あれは赤すぐりの枝だ。グラスにかけてある。
    「白のスパークリングワインとオレンジジュースのカクテルだ。この赤い実は半分くらい飲んでから、一粒ずつ食べながら飲んでくれ。」
    説明している間に大きな人がテーブルにサーブする。洗練されたその動きはまるで踊っているようだ。
     テーブルに置かれたグラス達もいつもより綺麗にしてもらえて、誇らしげに見える。
    「オレンジジュース?マジでガキ扱いかよ。でもまぁタダなら飲んでやるよ。」
    スラッとして無駄のない薄い飲み口のグラス。その造形すら気にせず、ただグイ!とひと口飲む。オレンジジュースがメインで小さく白ワインを感じる。鼻の奥をくすぐり消えていったのは
    『キウイ…』
    「ほう よくわかったな。綺麗なキウイがあってな。入れてみた。次はよく混ぜて飲んでみなさい。」
    さっきまでの威勢はどこへ。美味しかったからか、皆素直にマドラーを受け取り、撹拌し始めた。黄色に少しキウイの黄緑が混ざり、色味が変わる。よほど味が気に入ったのか、またもグイッと口に流し入れ、グラスは空になった。先程の恍惚とした表情とは違い、眉間に皺が寄り、唇を何やらモゴモゴ動かしている。その姿を見ながらニヤリとする、例の大きな人。
    「どうした?」
    『どうしたじゃねえ!なんだ!この酸っぱさ!』
    「え?酸っぱさ?」
    自分のもらった分を飲んでみる。柑橘のいい香りがする。が、混ぜても酸っぱくは感じない。顔を上げるとカウンターの人物と目が合った。目線は外さず、そっと人差し指を唇に当てて「シー」のポーズを取る。そのままパチンと片目を閉じてみせる。俺は驚いて瞬きを沢山して、沢山頷いた。

    『俺のも酸っぱい!』
    『俺のも!苦手なんだよー!』
    嫌な顔をしつつ、グラスを置く。
    リーダー格が
    『くだらねえ。帰ろう。タダ酒と思いきや、ただの酸っぱいジュース飲まされちゃ、いい迷惑だ。』
    バッグを担いで立ち上がるが、目の前には自分の遥か上から声が降りてきた。
    「おうおう 帰れ帰れ。お子ちゃまはおうちに帰りな。」
    舌を出して、手をシッシッと言うように動かす。あ〜頭に来てそうだなー大丈夫かな。
    『っざけんな。でかいだけで邪魔なんだよ!』
    シュッと下から拳が飛ぶ。それを避けつつ、ギュッと手首を捕まえる。
    「なぁ?優しく言ってるうちに帰れよ?」
    あの位置で言われたら怖いだろうなぁ 俺はこっそり震えた。
    『チ!うるせえ。本当うるせえ。俺らはただ来てやっただけなのに。おい善逸!またな!覚えてろよ?』
    「ひ!」
    「おう お前らこそ覚えとけよ。こいつと俺は親友だからよ。な?」
    ニカッと歯を見せ笑う。肩を組まれた善逸は涙目で、笑うしかなかった。

     ドアは閉じられ、静かになった。
    「あ…ありがとうご「本当だよ!感謝しろよ!てゆか、なんだよ、あいつらは!この神聖な場所で騒ぎやがって!」…す。」
    相当お怒りだ。ん?
    「神聖な場所?」
    「お前ら鱗滝さんの何?俺らは鱗滝さんのとこで世話になってたんだ。」
    「宇髄。言葉が汚い。師匠に向かって失礼だろ。鱗滝先生、だろ?」
    「そうだな。煉獄。いやーしかし懐かしいな。」
    2人ともぐるっと周りを見渡して、昔話を始めた。煉獄さんと宇髄さんと言う、この金髪と銀髪の派手な2人は昔鱗滝さんにカクテルの作り方や、バーでの接客の仕方やマナーなど細かく教えてもらったらしい。
    「ほぼ自己流だった俺達を矯正してくれた、んだよな。」
    「ああ。俺達はそれぞれ別の師匠の元にいたが、勉強し直させてもらったんだ。」
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    deundeuun

    DONE #rntnワンドロワンライ に参加致します。
    「自惚れても、いいのだろうか。」を選びました。
    ⚠️
    ・🔥🎴 ・継子if ・ちょっと🔥さん弱気
    知らなかった、君のこと。 君の目は丸く大きく美しい。君の口は大きく開く、口角がぐっと上がるのが可愛らしい。君の手は…自分ではガサガサだと言っていたが、妹の頭を撫でるとき、彼女だけでなく、周りまで幸せにする。そんな君が、何故。何故なんだ。俺には全くわからない。何故俺の羽織を抱くのか。


     目につく隊士だった。殺伐とした鬼殺隊の中で、彼の周りだけ笑い声が絶えなかった。笑い合うだけでなく、最後には皆を鼓舞する。不思議な光景だった。鬼に家族を殺された者が多い鬼殺隊で初めて見るタイプだった。気付いたときには、目が追うようになっていた。今思えば、ややこしい家庭に育った俺が無意識に温かさを求めていたのかもしれない。 
     俺は自分に何も自信はない。ただ声が大きく、少し強いだけだ。君のように周りを笑顔にできるのかもわからない。近くにいる太陽のような君。そんな君が継子になってくれ、俺はその温かさを少し浴びることができ、幸せだった。夜毎命を賭して闘う、心身共に疲れる日々の、まさに癒しであった。気持ちが温かく、穏やかになるのがわかった。
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