「ほら....吸えよ.....」
そういい原田は、自分のシャツの釦をはずしそして肩まで脱がしかけ首筋付近を永倉に見せびらかすように明かす。部屋が灯りで照らされ一層原田の肌が、首筋が白く見える、永倉はその艶やかな姿にゴクリと喉を鳴らす。
「っ...左之...すまねぇ...」
恋人の体を傷つけたくない、という悲しい気持ちを堪えながら永倉はゆっくりと近づき四つん這いのような姿勢で原田に覆い被さる、そして片手を畳につきもう片腕を原田の肩に回して首筋に口を合わせ
「くっ......」
「!?んっ....あっ.........」
飢えた獣のように永倉は白い肌に噛みつく、原田は突然の鋭い痛みに思わず高い声を上げてしまう、そこから溢れた血を永倉は優しく触れるかのように吸い取っていく
「(...新八が俺の血を.....)」
血を吸われて気持ち悪いはずなのに心地良い、それはずっと片思いしてきてようやく恋人になれた相手だからだろうか、自分でも分からないが原田は吸われる度感じてしまい消え入りそうな吐息と声が漏れていく。
「わりぃ、いてぇか?」
「んっ......」
まだ吸いながらも理性が残っている永倉は、原田の出す声が痛みを伴って出してる声ではないかと心配になり、首筋から口を少し離し目線を原田の顔に見遣る、すると原田は額に汗を滲ませながら微笑む
「大丈夫だ....続けてくれ」
「...ああ..」
いつも見せるその表情を見て安堵した永倉は、再び原田の首筋に顔を埋め血をすすっていく
「(左之の血....甘ぇなぁ....)」
その血の味は驚くほど美味で喉と体を癒していく、もっと吸い続けていたい.....そう感じてしまった永倉は悔しさで原田のシャツを掴む手に力がこもる
「な、なぁ新八....」
「?..どうした?」
「キス.....してぇ......」
「いいのか?こんな俺の姿でも」
「良いんだ」
お互い顔を見合せた状態で原田は真剣な、けれど優しくも見える表情で永倉の羽織を手でギュッと掴む
「好きにしてくれ、俺が新八の傷を癒してやりてぇんだ....」
「っ!.....左之....」
恋人がこんなにも自分のために尽くそうとしてくれてる、永倉にその真剣で熱い目線を見て衝動的に原田に抱きつく、そして原田の顔に近づきゆっくりと口付けを交わす
「左之....好きだ、もう離さねぇ......」
永倉は自分の舌を噛み、流れた自分の血を原田の口に流し込むように舌を捩じ込ませる、原田もそれに答えるかのように目を閉じ自分の舌を噛み、そこから流れた血を新八に与えるように舌に絡みつく
「んんっ......ふっ...新八..俺もっ...好きだ....」
新八から与えられる思いに原田はゾクゾクと体が震え熱が増していく、そしてその思いを必死に受け止めるように羽織を掴んでいた両手を新八の肩に回し、舌を絡ませていく
2人の混じり合った血が頬に滴り畳をポタリポタリと塗らす、次第に広がり畳が赤く滲んでいくが、気にすることなく2人はピチャピチャと水音を立て貪り合う
--まるでお互いがまだ生きてずっと愛し合えるかのように