関常視点夢 半年前、玉鳳隊への異動が決まった。それに伴い若の近況も詳しく知ることになった。
「関常、姉上のことはどう思ってる」
「俺にとって若とおなじくらい大事な方ですよ」
姉といっても若の従姉にあたる方で若の幼少期の頃からそばにいた玲珠様。屋敷に顔を出すうちに顔見知りになり話すうちに仲良くなり、年頃になると縁談を申し入れたが魏国へと嫁いでいってしまった。
今ではさらりと説明できるが当時は、他の男と結婚すると聞いてショックを受けそれどころではなかった。魏へ出立の日、「お幸せに」という言葉をかけたときの表情が今でもずっと瞼の奥に焼き付いていて離れない。微笑んでいるが目が悲しんでいた。玲珠様は結婚に乗り気ではないことをそこで初めて知った。
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