お風呂に入りたいニキとお風呂好きなウォッカ「兄貴は風呂に入らないんですかい?」
その日俺は丁度休みで、セーフハウスで何をするでもなく時間をつぶしていた。夕食も終わってそろそろ風呂でも入るかという時に、いきなり兄貴からこっちに来ると連絡があったのだ。慌てて部屋を片付けて兄貴を出迎える。丁度温まっている風呂を勧めて、兄貴が出てから自分も入ろうとした時に気がついたのだ。
「今はいってきたが?」
「あっすいやせん、湯舟に浸からないのかなって事で…」
思えば兄貴が入った後の風呂場は、何時もバスタブを使った形跡がなかった。今日も海外から長期の仕事を終えた兄貴の為に、俺が以前使った時に良い香りだと褒められた入浴剤をいれたのだが。
「浸かる習慣はねぇ」
「どうしてですかい?リラックスして溜まった疲れも吹っ飛びますよ」
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