和気財を生ず シックスが聞いてくれたおかげ、と言って良いのかどうか。夜に訪ねると、まあ来ると思っていました、とローズが中に入れてくれた。
「本当に忙しい状態ですので、絶対に睡眠を邪魔したりしないでくださいね」
「しませんよ。ボクのことなんだと思ってるんです…」
「絶対ですよ」
「………」
重ねられてしまった。本当に、何だと思われているのだろう。今まで彼に無理をさせたことは―――まあ、数え切れないほどあるけれど、流石にこんな状況でどうこう、なんてしない。というか、一応ちゃんと大人しくしていた時だってあると思うのだけれど、ローズの中ではそれはなかったことになっているのだろうか。
さっさと風呂にでも入ったらどうですか、と半ば蹴り出されるようにリビングルームを出て、言われたとおりにお風呂に入って。
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