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    weve/Leshu

    遊十とモブ十とせだごえメインです。小説とイラスト置き場

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    weve/Leshu

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    遊星と十代が大学生で同棲したら…なストーリー。
    現代パロディのシリーズになります。
    2人の始まりの物語です。
    続きものになります。

    #遊十
    tour10
    #現パロ
    parodyingTheReality

    来遊は十九の春に 1話 part1『やべえ………』
    バイトの帰り道、改めて項垂れる。
    最悪だ。
    まさか自分がホームレスになってしまうとは。
    遊城十代、大学1回生のオレは窮地へと立たされていた。
    大学に入学した時に借りた物件は風呂、トイレ付のワンルーム、家賃はなんと1万2千円。
    完全に価格だけで選んだ。
    安さのきっかけは自分しか住人がいないのと、築年数がかなり経っているから。
    元々家にずっといるタイプでもないし、ちゃんと寝泊りができて学校にもそこそこ近い上ため大喜びで入居した。
    ………まではよかったのだが、アパートの辺り周辺が一気に買われ巨大な複合デパートができることになってしまったのが事のきっかけだ。
    アパートの大家さんも随分年を召した婦人で、アパートを立ち退いた分のお金で、息子さん夫婦と同居するらしい。
    実際自分自身も立ち退き兼迷惑料として幾分かの金銭も貰ったのだ。
    しかもこの話自体はオレ自身が入居する際にも、万一の時は退去という形になると説明まで受けていたから、文句の言いようもない。
    そして最終通告があったのが3月、つまり今月だ。
    できれば3月中旬までには荷物をまとめてほしいと言われた。
    正しくは先月、2月から言われてはいたのだが、今日で確実に家を売ることにしたという。
    (でも…1年も経たずで立ち退きなんてな)
    ここ最近近くの銭湯や商店が店を閉め出しているので嫌な予感はしていたのだが、正直何とかなるだろうと高を括っていた。
    『あー!!くそ!こんなことならもっとちゃんと条件見て探すんだったぜ…』
    自分の見通しの甘さの当時の適当さに行き場のない怒りを抱く。
    大学の寮には断られた。基本的に地方から来ている生徒が優先されるのは当然だし、ちょうど受験シーズンが終わった今の時期等、新入生の入居希望者でいっぱいだからだ。
    (今月、いや最低でも来週中に…ホントに家見つけねえとな…)
    そんなことを考えながら、後わずかしか住むことのできない家へ帰宅した。

    次の日、朝早くに目が覚めて早々に家を出た。
    今は冬休みの為、アルバイト以外に特に予定はない。
    この時間を使って、家探しを本格的にスタートさせた…のだが。
    「うわ、どれも高ぇ…流石に毎月この価格は厳しいよな…」
    今日も今日とて、バイト終わりに休憩がてらカフェで情報収集を行うも、早速壁にぶち当たっていた。
    学生生協のチラシ、近所の不動産、たまに貰うビラ、ウェブサイトに載っている物件の詳細を見て、頭をがりがりと掻く。
    立ち退き料の関係でまとまったお金はある。
    その為、物件を借りる際の諸々のお金には問題ない。
    問題はないのだが、月々の家賃がどうにも自分には高い。
    立地や条件、部屋が良いと高いし、比較的安いところを見つけたかと思えば、バイト先や学校から離れたアクセスの悪い場所だったりする。
    『はあ…やっぱりこんな時期だともうないのかなあ…』
    物件探しにも疲れてしまい、ため息交じりにコーヒーを口にする。
    『誰かんちに住まわせてもらうとか…って思ったけど翔はもう兄貴と一緒に暮らしてるし…』
    今はまだ3月の頭。
    後2週間程は猶予があるし、今年度の授業は終わっているものの、家が決まっていないという不安は拭えない。
    憂鬱な気持ちになっていると、携帯の通知音が鳴る。
    『うげ…』
    画面を見てみると、高校の頃同級生だった連中からの連絡だ。
    内容はどれも一緒。
    今回の件に関して“何故もっと早くから探さなかったのか?そもそも最初にもっとキチンと物件選びをするべきだったのではないか”という旨の説教臭いメッセージが何件か届いていた。
    『くそ~。人が困ってっから相談したってのに…!』
    自覚しているからこそ耳が痛い。
    『大体万丈目は実家暮らしだろ…明日香も友達とシェアハウスとかって聞いた気がするし…』
    『あーあ…羨ましいぜ…』
    自分の同級生の現状と比較し、改めて自身の境遇を嘆く。
    若干不貞腐れながら友人達の助言もとい説教に返信しているとまた通知音が鳴った。
    また誰か自分に説教がましいメッセージを送ってきたかと見てみれば、高校時代の後輩の名前が画面に表示されていた。

    『あれ?遊星…?』
    送り主の名は不動遊星。高校時代の一つ下の後輩だ。
    高校時代は自分も学生寮を利用していた。
    その寮では1年生2年生3年生がバラバラになって数人グループでの相部屋だったのだが、遊星はオレが3年生の時にルームメイトだった奴だ。
    生真面目であまり感情を表には出さないクールな人物だが、デュエルには熱い気持ちを持っていて、自分を慕ってくれていて。
    1年間という短い月日だったが、学生生活の中でも特に仲良くなった後輩である。
    性格や趣味嗜好の共通点は少ないが何かと馬が合ったし、オレ自身アイツのことは可愛がっていた。
    ただ、高校を卒業した後はあまり連絡を取っていなかったし、去年の夏休みも冬休みも、バイトばかりしていた為、顔すら1年以上見ていない。
    だからこそ久々の連絡に少し嬉しくなった。
    懇意にしていた後輩からのふいのメッセージ、文面は“十代さん。受験が終わりました。十代さんと同じ大学の工学部へ行きます。またお会いする時があればよろしくお願いします”とそれだけの文章。
    遊星らしいシンプルな内容だ。
    『お!一緒の大学じゃん!そういや今頃だったもんな、合格発表って』
    仲良くしていた奴が同じ大学に入学すると聞いて、思わず気持ちも上向きになった。
    後輩の吉報に一先ずおめでとうとお祝いの返事をする。
    それと同時に、積る話もあるし遊星に直接お祝いがしたいと思った。
    (今の時期ならオレもアイツも時間作りやすいだろうしな。電話してみよっと)
    そう思い立ち、通話のボタンに手を伸ばす。
    しばし数秒待って、“もしもし。”と懐かしい声が聞こえた。
    『おー遊星か。悪いな急に電話して。合格おめでとうな!』
    『ところでさ…お前今週の土日ってどっちか空いてるか?』
    ………
    オレの申し出をあっさり了承してくれて、今週末、二人で食事をすることが決まった。
    約束をとりつけた後、憂鬱な気持ちはすっかり晴れて、後輩との再会を楽しみに帰路についた。

    『改めて合格おめでとう!』
    その言葉と共にグラスを合わす。
    お互い未成年の為、中身はソフトドリンクだが、それでも気持ちは盛り上がる。
    「ありがとうございます。こんな御馳走までしてもらって…」
    遊星は少し照れ臭そうにしている。
    『気にすんなって。それより…こっちこそありがとな。』
    『いきなりの連絡なのに予定あけてもらってさ。』
    実際、オレの申し出を聞いて本当は同級生と遊びにいくところを、わざわざ空けてくれたのだ。
    遊星に“いいのか”と再三確認したのだが、オレの方を優先してくれたらしい。
    「いえ、いいんです。受験が終わってすぐのせいか遊ぶには疲れていましたし。」
    「それよりも、俺は十代さんと久しぶりにお会いできたことが嬉しいですから。」
    社交辞令も勿論あるのだろうが、そう言われると嬉しいものだ。
    『へへ。オレも遊星の顔が見れて嬉しいよ。』
    そう言い返し、お互いで軽く笑った。
    それからご飯を食べつつ、遊星の話を聞く。
    『最後の高校生活はどうだった?なんかおもしれー後輩入ってきたか?』
    「ええ。1年生にデュエルに熱中している後輩が入ってきて相部屋でしたよ。」
    『マジか!いいなー、オレもあそこ戻りてー…』
    「後は学食も改装して、料理も格段に美味しくなりましたし。」
    『えっ!そうなのか。あそこのエビフライ美味かったんだよなぁー!』
    過去を思い返すとつい懐かしくなってしまって。
    そんなこんなで思い出話にも花が咲き、暫しの間楽しい時を過ごした。
    小一時間程話した後、ふと気になることがあった。
    『そういえば遊星って…大学でも寮で生活するのか?』
    同じ大学だからこそ分かるのだが、今回の入寮希望の新入生はかなり多かった。
    というのも、サークル仲間やバイト仲間から“身内が寮に入れなかった”という話を聞いていたし、思わず心配になってしまった。
    「いいえ。入寮希望者が多いですし…今のところ一人暮らしを考えています。ただ…」
    『ただ…?』
    「実は…家探しに難航していて…まだ家を決めてないんです」
    思ってもいなかった展開だ。
    なんと遊星も家探しに奔走していたとは。
    「それで…こんなことを相談するのもなんですが…」
    「十代さんがオススメのアパートがもしあれば教えてくださいませんか…?」
    続けざまにそう問いかけてきた。
    思わず乾いた笑いが出てきて。
    『はは…オススメの物件なんてオレが聞きてえくらいだぜ…』
    遊星の言葉を聞いて、つい本音を漏らしてしまった。
    「え。どういうことですか?」
    案の定食いつかれる。
    正直今の自分の状況を後輩に伝えるのは少し恥ずかしい。
    でもここまできたら打ち明けてスッキリしようと思い、遊星にも相談することにした。
    『いやあ…本当俺も困ってるんだけどさ…』
    …………

    「まさか…そんなことになっていたとは…」
    『あ、あはは…だから良い助言なんかできねえんだ。ごめんな』
    心から自分を心配するような眼差しを送る遊星。
    困ったように笑うオレを気にしてか、思わぬ提案をしてきた。
    「十代さん。もしよければ俺と一緒に探しませんか?」
    「俺も一人より十代さんと一緒の方が心強いですし。」
    後輩ながら頼もしいやつだなと笑みがこぼれる。
    高校の時、ルームメイトの時からコイツのこういうところが可愛かったんだよな。
    意見の違う時はあるけど、一緒にいて嫌にならない。
    そんなことを考えていると、無意識なのか遊星の提案にとんでもない返答をしてしまったんだ。
    『それかさ。』
    『オレと一緒に暮らさねえか?』
    そう言い終えて、暫し無言。
    店内のBGMがやけに鮮明に聞こえてきて、ハッとする。
    (オレ…今、なんて言った!?)
    自分の言葉に戸惑っていると、
    「それって……つまり同棲ってことですか…?」
    遊星が聞き返してきた。
    そりゃそうだろう。
    でもオレ自身、何故そう誘ったのか、自分でも分からなかった。
    ほんのちょっぴりそんなことは考えたりしていたのは事実だ。
    今の状況、周りの同級生達の環境、そしてこれからのこと。
    それらを考慮して、“誰かとルームシェアをする”というのは正直想定していた選択肢ではあった。
    しかしそれはあくまで想定。
    久々に再会した後輩に話を持ち掛けようとは微塵も思っていなかった。
    向こうにも事情があるかもしれないし、唐突にそんなことを言われても困るだろう。
    大体遊星はまだ高校を卒業もしてないのだから。
    遊星の顔を見てみると、声を出すわけでもなく戸惑っている様が見て取れた。
    (な、なんで俺はあんな言い方…)
    思わず後悔してしまう。
    そりゃ遊星となら高校の時1年間一緒だったし、全くオレ自身は嫌ではない。
    けれど。
    (まるでなんか、付き合ってる奴らが言うようなセリフを…)
    急にこっぱずかしくなる。
    それだけ遊星を信頼しているんだろうし、先輩後輩という関係ではあるが、オレは遊星のことを親友としてみているのかもしれない。
    何はともあれ、まずやるべきことがある。
    今この時もこっちを見て固まっている後輩に弁明しなくては。
    『わ、わりい突然。』
    『その…友達でシェアハウスとかしてるやついるのを聞いてさ…』
    『それで…遊星となら一緒に住むのいいかなって思っちゃって…』
    髪の毛を掻き分けながら自分の先ほどの発言に他意がないことを伝える。
    ただ、我ながらたどたどしい言い訳だ。
    (あ~…やっちまった…遊星めちゃくちゃ困ってるもんな…)
    自分の安易な言葉に本気で反省する。
    『ごめん、やっぱり忘れてくれ!』
    『いきなり男の二人暮らしなんてイヤだよな。アハハ…』
    オレがそう言って謝罪の言葉を述べると、遊星が少し前のめりになって口を開いた。
    「嫌なんてことありません…!」
    「それに……忘れることもできません…」
    ハッキリとした口調で放たれる言葉。
    その瞳は真っ直ぐで真剣で。
    「俺も…十代さんとなら…いいんです。実際貴方と一緒だった1年間は、本当に楽しかった…」
    遊星が少し目線を下げた後、再びこちらをしっかりと見た。
    「だから」
    「俺でよければ…貴方と一緒に暮らしたい…!」
    遊星は普段はあまり感情を表に出さない。
    そんなコイツがやけに熱がこもっているのを感じる。
    オレ自身、遊星となら全く問題もないし、ここまで言ってもらえると存外に嬉しい。
    無下に断る気にもならないし、それ以上に断る理由も浮かばなかった。
    『えと…じゃあ…す、住むか?オレと…』
    恥ずかしさからか、照れくささからか。
    思わず目を泳がせながら、改めて遊星に問いかけた。
    「はい。よろしくお願いします。」
    まだ少し動揺している自分と違い、遊星は青い瞳を光らせ、ハッキリとそう言った。
    (こ、こんなことになるとはな……)
    そんなこんなで家なき子の俺には、家より先に同居人ができた。

    次の日、いやその日の晩だ。
    遊星から不動産情報のリンクが送られてきた。
    “来週、実際に見に行ってみましょう。”と一言添えられていて。
    (相変わらず仕事早いなアイツ……)
    お互いに希望や条件を見て、いくつかに絞り込んでいく。
    1人だと全く見つからなかった物件も、“2人で暮らすこと”を念頭に入れた途端、あっさりと候補が見つかっていった。
    (家賃も折半だし、なかなかいいところが見つかるもんだなー。)
    オレは大学は休みなこともあり、足で探す。
    バイト終わりやサークルの帰りに、不動産屋に寄り、チラシを持って帰ってインターネットで検索をかける。
    大家さんに言われた期限までもう十日もない。
    けれど、不思議と焦りよりも、家を探すことへの楽しみの方が勝っていた。
    あっという間に1週間が経ち、金曜の夜。
    バイトを終えて、風呂から上がった後、遊星から電話があった。
    「十代さん、バイトお疲れ様です。色々送ってくださってありがとうございました。」
    『おーお疲れ。遊星こそありがとな。』
    「明日早速ピックアップした物件を見に行きたいのですが如何ですか?」
    結局、オレと遊星で目星をつけた物件は7件。
    どれも条件だけ見る分には悪くはない。
    だからこそ自分達の目で見て、最終的な判断をすることにした。
    『行こうぜ!明日はオレもフリーだし。』
    『じゃあー…駅前に9時半に集合でどうだ?』
    駅前にはオレ達が候補に挙げている家を取り扱っている不動産屋がある。
    「分かりました。では明日、お願いします。」
    遊星もその提案に乗ってくれて、遂に本格的に家探しが始まったんだ。

    待ち合わせの駅に着いた時、遊星の方が早く到着していた。
    『お待たせ。待ったか?』
    「いえ、俺も今さっき着いたばかりです。」
    遊星が微笑んでそう答える。
    『そっか!なら早速行ってみようぜ。』
    その言葉と共に、二人で不動産屋へと向かった。
    『うーん。じゃあまずはこのスーパーが近くにあるとこと…このマンションタイプのとこだな。』
    不動産屋へ到着した後、お互いに話し合って、どこから見てみるかを相談する。
    予め簡単な目星は付けていたとは言え、見る順番だって大事になってくるのだ。
    「俺達は通学では電車も使いませんし駅から距離があることには問題ないでしょう。」
    『だな。大学の目の前に駅あるし。』
    そして決めた順番とリストを不動産屋の人へ渡して、実際に各物件へ向かった。
    一件目の候補。
    この物件は遊星が見つけた物だった。
    「スーパーや店が近いのが良いですね。狭くもありませんし。」
    『でも大学から遠くねーかな?オレ自転車だしもうちょっと近い方がいいかも。』
    そんなやりとりをして二件目。
    ここはオレが見つけた物件……なのだが。
    『ここは…めちゃくちゃ綺麗だな…それに広い…』
    「ここからなら大学も近いですよね。」
    「ただ十代さん…家賃が13万は…」
    『あぁ…だよな…やっぱり10万以上は切りたい…』
    続いて三件目。
    ここもオレが見つけた物件だ。
    『ここはいいんじゃねーの?この間取りで6万はかなり安いし。』
    「ベランダの目の前がビルなのは…」
    「それに壁もかなり…」
    『確かにちょっとボロいな…壁薄そうだし音とか気になるかも』
    巡り巡って四件目。
    遊星が見つけてきたアパートだが、ここは唯一のワンルーム。
    「アクセスもいいですし、駅も近いので周りも栄えてはいます…が。」
    『いいかもな。一人で住むのには…』
    『流石に広めの部屋でも1Kに2人は狭いだろ…しかも家賃も安くないし…』
    「ベッドや家具を置いたら殆どスペースなさそうですね…」
    そして。
    2人で悩んで五件目。
    向かう不動産屋さんの車内で話し合う。
    「次のお部屋はちょうど空きが出て、来週から入居頂けますよ。」
    『あ、そうなんですか。……だってよ、遊星。』
    担当の人からそう言われ、遊星の肩を小突くも、その表情は明るくない。
    「どうですかね…紙面で見る限りだとそんなに悪くなさそうですけど。」
    次の物件はオレがチラシで見つけたところだった。
    改めて情報だけ見てみると狭くもないし、築年数も古すぎないし条件面は良い。
    『まあな…家賃も10万切ってるし、アクセスもここ辺りからなら問題ないし。』
    「ですが…」
    『ああ…見てみないことにはな。』
    これまでの経験上、紙面上で見るのと実物を見るのでは大きな差があることは明白。
    疲れたのか、はたまたそんな不安が強いのか、互いに語気は弱めだった。
    着いたマンションは5階建て。
    その4階の部屋、間取りは2LDK。
    大通りに沿った場所ではなく、少し路地に入った場所にある為、こんなところに家があるとはオレも知らなかった。
    築年数がある程度経っている為、間取りの割に家賃がお手頃だという。
    大学からも自転車で10分、徒歩5分のところにバス停があって大型スーパーが2軒ある。
    マンション自体はオートロックも付いていてエレベーターもあり、予想よりも外装は綺麗で。
    そのまま部屋に入って、不動産屋さんから説明を受けて、オレ達は揃って口を開いた。
    『…なあ。』
    「はい。」
    『良くないか?』
    「俺もそう思います。」
    互いの少し緊張した顔が綻ぶ。
    「天井が高いからか空間も広く感じますよ。」
    『間取りも2LDKだし十分すぎるくらいだぜ…!』
    「キッチンのコンロが三口なのも嬉しいです。」
    『日当たりも良いしな!』
    そのまま部屋の長所がポンポンと出てきて。
    間違いなく1番気に入った部屋だった。
    『…こりゃあ……決まりだな…!』
    「ええ…!!」
    オレがそう言うと遊星の奴も嬉しそうにしている。
    こうして今日という1日は、オレの、いやオレ達の新居が決まった日となったんだ。
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