Fall in to the Depth─声が、呼んでいる。ずっと呼ばれている。誰ともしれぬ声が、その手を離せと、全てを捨てろと語りかけてくる。
深い、深い水底へ…身体も、意識も、引き摺り込まれていく。暗闇に沈むにつれ響く声が大きくなり、身の内からいくつも温かな光がこぼれ落ちていく。
それは穏やかな語らい。それは強い絆。それは美しい約束。必死に手を伸ばしても、光の群は戻ることなく声の主であろう得体の知れない何かに飲み込まれてしまう。
するともう思い出せない。あれはなんだったか。あの光は、いったい…。頭が痛い。呼吸が苦しい。何のために抗っているのだったか。もういい、もう終わりたい。楽になりたい…。
そう思った時、脳裏に太陽のように眩しい笑顔が浮かび上がってきた。
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