ただ、例外として ノーブルベルカレッジとの交流会に参加する生徒で賑わう鏡の間。先生と生徒で作られた輪から外れた部屋の隅で、トレインの飼い猫――ルチウスは関心無さげに自身の手を舐めていた。
そんなルチウスの元にラギーが近寄ってきた。ラギーは膝を落とし、猫の言語で声をかける。
「トレイン先生と数日離れ離れになるけど、やっぱ寂しいもんなんスか?」
毛繕いを止め、ルチウスはじっとりとラギーを睨み上げた。
「そんなわけないだろ」
「あははっ、即答じゃん。あんだけ可愛がってもらってんのに、随分薄情なんスねぇ」
「可愛がってる、ねぇ。それなら毎食高級ツナ缶を食わしてもらいたいもんだ」
「トレイン先生はそういうタイプの可愛がり方じゃないっスもんねぇ……ま、オレ達生徒に対するよりはベタ可愛がりされてる方だと思うけど?」
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