ウスベニアオイの見守り「また徒競走最下位やぁ……
もうイヤやわあ……」
白いバツ印の絆創膏が小刻みに
振動をしながら目の前にいる友人に
目に涙を溜めながら訴えかけていた。
種族柄運動をするのを不得意としている為
その不得意さに則っているカカオは
体育の授業で行われた徒競走で
見事に最下位の肩書きを
背負うことになってしまった。
「確かに一番最後にはなっちまった
でもオメーは諦めなかった
それだけでもカッコイイぜカカオ!!」
「ううぅ……シドぉ………
おおきになぁ……………」
大きな目にさらに潤いを増して
声を震わせながらお礼の言葉を
述べたカカオにタルーシドは
得意げな笑顔を見せてから
くるりと背を向けて
「………ちょっと
オメーの分の1着も
取ってくるわ」
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