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    akuta595966

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    書き合いのやつ

    吸血鬼に襲われるNEOスキッドくんをNEOパンプくんがたす文字数後ろからひたひたと何かが歩いてくる。一度立ち止まって振り返るがだれもいない。
    一瞬ストーカーかと思ったが、人間ではないらしい。
    彼は(気のせいか)などと思いながらまた前を見て歩みを進めた。思ったよりも所用が長引き、家に帰るのが遅れてしまった。
    今頃夕食を一緒に食べると約束していた相方が文句をブツブツ垂れながら待っていることだろう。
    あいつの機嫌をこれ以上損ねないためにも早く帰らなければ。
    そう思いながら歩いていると、また足音が聞こえた。今度は靴音だ。
    気のせいではない。誰かが俺の跡を着けている。
    前にも厄介なファンがストーカーになった事があったが、その時は散々相手に翻弄された。相方も疲れ切っていた。
    あんな思いは嫌だ。
    そんな事を思い出しながら、彼は駆け出した。
    とにかく撒こう。帰るのは遅くなるが、ストーカーに悩まされるよりはマシだ。
    パンプには後で謝ればいい。
    角を右にも左にも曲がり、元来た道が分からなくなるまで走り続けた。
    しばらく走り続けて周りの風景がいつもとは違う街並みに変わった時、彼はようやく立ち止まった。
    荒い呼吸を鎮めながら、耳を澄ますがもうあの足音は聞こえなかった。
    良かった、と彼は胸を撫で下ろす。どうにか撒けたようだ。
    後はスマホの地図機能でも使って家に帰りつけばいい、と思いながらスマホの画面を出した時だった。
    すぐ後ろにひんやりとした、嫌な空気を感じた。血生臭いえずいてしまいそうな匂いが脳にただ事ではないと伝えてくる。
    ストーカーじゃない。恐らくもっと厄介な何かだ。
    咄嗟に相方の番号を呼び出した瞬間、後ろから羽交い締めにされた。冷たい体、血生臭い匂い。何よりも自分を今拘束している手には血の気がない。
    「スキッド、どこだよ」
    電話から相方の声が聞こえる。だが恐ろしさで声が出ない。
    「た、たすけっ、やべえ」
    ようやく出せた言葉は真剣さに欠けていた。普段の語彙力も恐怖には勝てないということだ。
    しかし相方はただならぬ異常を察したらしい。
    「スキッド! 誰かに襲われてんのか?」と正解を言ってきた。
    そうだ、と言おうとした瞬間、何か尖ったものが首筋に突き刺さった。注射器よりも太いが痛みはない。だが血液が勢いよく吸い取られているらしく、頭がぼんやりとして暴力的な眠気が襲ってくる。
    吸血鬼。昔絵本で見た怪物。それみたいだ。
    そう思いながら彼は眠らないように必死に目を開け続ける。眠ったら血を全て抜かれてミイラになりそうだ。
    その時だった。
    「スキッドから手を離せ!」
    相方の声が聞こえた。
    血を抜かれて幻聴が聞こえ始めたかと思った。しかし次の瞬間、拘束が急に解けてスキッドの体が地面に投げ出された。
    流血している首筋に手をやりながら振り返ると、そこには灰が散らばっていた。
    そして何故か立っている相方。
    「な、なんでここに……?」
    問いかけると彼は手を差し出しながら言った。
    「電話かかってきたから助けにきたんだよ」
    ちげーよなんでこの場所が分かったかって事だよ、と思ったが、ふと思い出した。
    以前のストーカー騒ぎの時にパンプがいつでも助けに行けるようにとスマホにGPS機能を取り付けて緊急時に場所を把握できるようにした事を。
    当時は「お前がストーカーじゃん」とか思ったが、こういう時に役に立つものだ。
    立ち上がった彼はパンプに捕まりながら、歩き出した。
    「そういやアレ、なんだったの?」
    「吸血鬼」
    「なんだそりゃ」
    などと言いながら。
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