手だってなんだって繋いでやるから何度だって茶番だって繰り返してやるさ
だって私たちずっと一緒でしょう


何度だって繰り返したって
おなじ時間でしかないなら、独り占めしたって
良いよな？


『未来』なんて
『ずっとどこまでも一緒』なんて
わがまま
言えるわけないから
いつまでも終わらないこの1日をずっと繰り返させて
少しだけ欲しくなったんだ
この身には過ぎるかも知れないけれど
ご褒美を
ちょっとくらいは俺、頑張ってると思う
だから、ご褒美がほしい
満足したらちゃんと手放すから
手放すから
お前にとっては瞬きの時間
それだけ自由にさせて

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変わらない日付
✕の増えないカレンダー


クソ砂が珍しく大人しく(煽らず)
まるで年上の大人の振る舞い
でかい声で叫ばざるをえないようなバカなイタズラも仕掛けられず、茶化しては来るけどその時は軽く小突いて殺すけど

たまにあるこういう日

なんとなく家の中が静かで優しい空気になっていて
どこかその時間を大切にしなければいけない気になって、不思議に思いながらもその『1日』を享受した


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周回してる…
変わらない日付
✕の増えないカレンダー


目が覚めて身支度をして、さぁカレンダーに印をつけようとした時、気が付いた
私は昨日この日に✕を書いたはず

さて、大体こういうものは何かしらの悲劇を回避するために戻っているのが定石
『昨日だった今日』はそんなドラマチックな出来事はなかった

たまに訪れる凪のような1日
ロナ戦の締切も終えて、退治人稼業も休みを取っていて
メビヤツも休みに一人は寂しいだろうと居住スペースに迎えて
外は途切れることなく雨音が響いていて
こういう暖かい静寂も嫌いじゃない私は、さしてイタズラする気分にもならなくて
珍しく心が疲れてることをチラと見せるような常にない仕草の若造を甘やかすのも面白いと
ただただ穏やかな穏やかな日だった筈だ


これがどういう現象なのか身に覚えがない私はまず、元の1日をなぞった
2回目、3回目、4回目…
周回は嫌いじゃない
しかし、何でもない1日を繰り返す理由が分からなかった
それならば、僅かな変化がどう影響するのか試してみた

検証1
『昨日の今日』の味噌汁は鰹出汁だった
『今日の今日』はいりこ出汁
ロナルド君は何も反応しなかった

おかしいだろう
子供舌だがバカ舌ではない
健康のためマヨネーズをハーフカロリーにした時だって「なんか…うすい？？」とちゃんと気付いてた
普段なら「なんか…ちがう…さかな？？？」位は言ってくる
その日彼が発した言葉に変化は起こらなかった


検証2
この1日はどこから始まって何処から戻るのか
何時ものように夜明け前に棺桶に入りおやすみと挨拶しあって蓋を閉めた
そっと内側のクッションの一部に穴を空けてみた
表ではロナルド君の身動ぎの音が聞こえる
暫くして寝息をたて始めた…
その瞬間何の衝撃もなく静かに『今日』が始まったと感じた
先ほど空けたクッションも傷ひとつなくきれいなものだった

暫くしてロナルド君が目覚めた音がした
消え入りそうな起き抜けのかすれ声で発した言葉で想定は確定となった

さて…
どうやらこれはロナルド君も周回してる
というよりロナルド君主導での周回だ

ええと何だったっけ？
吸血鬼 あの夏をもう一度 だったか？？
かなりやばい力でしょこれ
今の状況が夢だとしても現実だとしてもマズ過ぎる
ロナルド君の夢に取り込まれている状況だとしてなら、御祖父様が起こしてくれるだろう
現実だとしても同様に

それにしても
どうしてこんな日なの
誕生日とか大晦日とかもっと皆で集まってバカやって楽しかった日とかあるだろうに

ねぇ、ロナルド君
起き抜けの君はなんであんな風に、安心仕切った声で『きょうも、きょうだ…』なんて言ったの？



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中略
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私はね、君と星を駆ける列車にだって乗ってやる
ジョンだって、みんなね、君と一緒に乗ってくれるよ
私たちはずっと一緒だろう
未来なんて大層なもんじゃない、ただ続く続いていく今日の続きだ

大体ね、このままじゃいつまでたっても明日のお花見に行けないよルド君
私はいつまで仕上がらない料理の下ごしらえを続けてなければならないんだ