プロポーズの日のネタその2〜ウツハン♂ver〜「クラウス、俺の嫁に来てくれ」
「はぁ???」
正直、コイツは何を言ってるんだと思ったし頭を打ったのかと小指の甘皮程度には頭の具合を心配した
◇◇◇
何を言われてるんだ、俺は。
こんな空の晴れ渡った長閑な日に
幼馴染であり、兄の様な友人であり、また自分の狩人としての師でもある男に顔を真っ赤にされながら、俺は里の外れの川のほとりで両手を熱い手に強く握り込まれて何故か…何故か求婚されている。
嫁って何だ。
いや、嫁の意味合いは知ってるが。
「………嫁……?????」
段々眉間に皺が寄ってきた気がする。
何なんだコイツ
「だ、……、駄目……かい…?」
駄目かい?じゃないが????
そもそも何でこう言う話になったかが聞きたいんだが俺は。
「何でだ」
「何で…とは…???ハッ!!!うん、いやその…ね!!百竜夜行も収束に向っているし…」
「おう」
それは分かる。
「ほら、その……今までほら……里もこんな状況だったし…お互いどうなるか分からなかったし…いやそれでも嫁には来てほしかったんだけどね…」
「…あ"?」
だからその嫁が分からんのだが。
「…??どうしたんだい?クラウス」
「コッチの台詞なんだが????」
流石に何かおかしいとコイツも気付いたのか、段々怪訝な顔になっていく
「ゑっ!?」
「いや…えっ!て言われてもな…まず前提として何で俺はアンタに求婚されてんだ」
「いやいやいや!?!?」
「あ"????有り得ないみたいな顔すんじゃねぇよコッチの台詞だっつってんだよ」
ーイライラしてきた。
「いや…????だから、この機にね???」
「早く言え」
「良い機会だと思ったから、そのぉ……っ!!恋仲の君に…、きゅっ、求婚を…申し込んで、います……っ!!」
ーちょっと待て。
「恋仲…………???????だ、誰と誰の話だ」
「ゑこの流れで!?!?!俺と!!!!クラウス、君の!!!!!」
コイツは大振りで無駄に機敏な動きで自分と俺を指し示してきた
「……はぁあぁっ??????そんな覚え俺に無いぞ、ふざけてんのかテメェ」
「大真面目だけど!!?!?!?何で!!?!何!?!?ど、どこで話がすれ違ってるんだ…!?」
俺の両手を握り締めたまま座り込むな。姿勢が辛いので仕方無しに俺もしゃがむ
「……君と、俺は…その、…身体の付き合いがあるだろ」
「んん……、まぁ〜……あるな。何か知らんがセフレみたいな感じになってるヤツだろ」
「せふ…っ!?!?せふれじゃないけど!!!!!!?」
「いや、うるせぇんだが」
「せふれじゃ!!!!!無いけど!?!!?俺さ!!初めての時に!!!!その、俺の……っ俺のになってって……言った、し…ソレで、クラウス…、君…うんって言ってくれたじゃないか…」
「……(唖然)」
ー言ったか????
まるで覚えが無いぞ。
「…知らんぞ、俺は…初めてってアレだろ…?あ"〜〜……俺が、成人した時に。里のヤツ等で飲み会して、二次会するぞっつーてお前の家で飲み直してお互い泥酔したノリで致したヤツか…?」
「うん、その時…」
「覚えてない」
「ゑ!?!?俺!!!何回も聞いたよ!?!それでちゃんと君から返事もらいました!!!!!」
「ぁ"あ"!?!?くどい!!!知らん!!!!……っ大体なぁっ!!!お前毎っっ回毎回馬鹿みたいに俺の事を抱き潰しやがって!!!!最中の事なんざ一々覚えてるワケが無いだろ!!!!毎度化け物みたいな体力に付き合わされるコッチの身にもなれや!!!!」
「ソレは本当にゴメンでも無理です」
「即答すんなアホ」
「じゃあ改めて言うよ俺の良い人になって下さいそれで嫁に来てくれ」
ー話が戻ってるじゃねぇか!
いい歳した男2人で何故か川のほとりで叫び合ってるこの状況は何だ。
「この際、恋仲云々はひとまず置くぞ!!?!!俺は!!!男で!!!!エルフだぞ!?!」
「知ってる!!!!!好きです!!!!正直耳元とか、身体の色素薄いの興奮する!!!」
「うるっっせぇ!興奮すんな!!!ちっっっげーんだよ!!!俺が!言いたいのは!!!お前が子供欲しかろうが何回ヤろうが出来ねぇし!!!時間の流れが違うっつー話だ!!今は良くても!!!テメェが爺になっても!!俺は今の姿のままだぞ!?!!?」
「子供は!!!!色々方法はあるだろ!!!?!後、君が綺麗なままで居てくれるのは嬉しいし!!!?!?他の奴に渡したくないし!!!!君が寂しいなら俺が終わる時に一緒に連れて行く!!!!」
「ふっざけんなテメェ!!!!表出ろや!!!!」
「良いよ!!!!!大社跡で良いかい!?!?」
「上等だゴラァ!!!!ブッ潰してやる!!!!」
「俺!!!!教官だよ!?!?逃さないぞ!!!!!クラウス!!!!」
ー里の英雄と、ソレを育て上げた教官。
幼馴染同士の幼少期以来のガチの大喧嘩を大社跡で繰り広げるのであった。
カムラの里は今日も気焔万丈なのである。