ファンタジーパラレルなロビぐだ♂第5話宵闇の森に降り注ぐ月光。水気を孕んだ夜風が梢を揺らして踊る。風に乗るのは葉擦れの音だけではない。宵色に沈んだ窓の向こうから聞こえる鳥の声。あれはきっとどこかの木に停まった[[rb:小夜啼鳥 > ナイチンゲール]]だろう。古来から人々に愛された美しい囀りは夜なべ仕事の良き連れ合いだった。
自然が作り出す静かなざわめきは己にとって心地好く響く。緑の恩恵にあやかって生きてきた身上だからか。物思い、にも充たない思考の断片を他所にロビンは作業に精を出す。
微かな音を立てて揺れる卓上[[rb:洋燈 > ランプ]]の灯。年季の入って黄ばんでしまった硝子越しに、光はテーブルの上の品々と手元を照らす。ややぼやけた色合いの照明を頼りに黙々と作業を進めた。
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