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    SINKAIKURAGESAN

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    SINKAIKURAGESAN

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    かきかけを一応のっけておくだけ。続きが書かれるかも怪しいのだ。

    未完のおもちゃ箱【雨と踊れ】熔シル
     その日はざあざあと雨が降っていて、雨の日が好きな僕は普段よりも上機嫌で、なんだったら鼻歌まで歌ったりなんかしてビーカーを磨いていた。この後は熔水君でも呼ぼうか、それとも散歩でも行こうかなんて思っていると、コンコンと玄関のドアがノックされる。
    「はぁい、」
     そんな少しだけ間の抜けた返事をしながらドアを開けるとそこにいたのは一人の女性。少しボロボロのドレスで身を包んで、元はきっと綺麗にスタイリングされていただろう髪型もぐしゃぐしゃに崩れてしまっていた。表情は視界に入ってはいるものの認識が出来ず、顔色が真っ白だという事だけがわかる。長いドレスから覗く足が透けていて、還れないんだな。と一つ息をついた。
    「それで、本日はどういったご用件で?」
    「……いの」
    「はい?」
    「おどって、ほしいの」
     どうやら今日は、せっかくの雨の日だけどちょっと厄介なことになりそうだな。

     曰く、彼女は僕の故郷のゴースト。初めての舞踏会の日に会場が燃えて無くなったとある御令嬢。どうしてここに来たというのは人伝らしく、向こうで僕は『ゴーストを成仏させてくれる薬屋』となっているらしい。何故だ。自由気ままに毒物研究してるだけのスライムだぞ。とは思いながらも、こういった場合は願いを叶えないとこちらに不利益になるしと願いを叶えることにした。とはいえ、ダンスのステップなんて碌に覚えていないしなぁ。
    「やるだけやってみるけれど、足を踏んでも文句は言わないでくれよ。」
    「あら、それならだいじょうぶ。だって、もうあしがないんだもの」
    「ふふ、それもそうだ。ならばさっそく。僕と一曲踊りませんか、お嬢さん」
    「ええ、よろしくおねがいするわ」
     元幽霊屋敷の庭は、二人で踊るには十分すぎる広さでなんとなく裸足になって庭に足をつける。濡れた草や泥の感覚が、どことなく懐かしくてお嬢さんの手を取ってくるりと回る。

    【どうか噛んでくれと願うだけ】なだ
     ぐるぐる、ぐわぐわ。体が熱い。視界が揺れる。オメガの俺の体質はこれ以上とないくらい厄介で、ここ最近の多忙がたたってか、うっかり薬を飲み忘れてしまった。薬がある自分の部屋も、何かと対処が効くだろう医務室までの道も遠くて、俺は一人壁に凭れかかって浅く呼吸をする。と、言うのも。ついさっきアルファである教祖サマの前で発情しちまったもんだから。フェロモンに当てられてないかな。迷惑かけてないかななんてそんな思考がぐるぐると頭を駆けめぐるが、そんなものすぐに発情で生まれた熱であっという間に蒸発する。
     ここだったらきっと誰も来ねぇから。息が整うまで、ここで。頼む、本当に誰も来ないで。そうは思いながらもきっとフェロモンは溢れていて、もしかしたら匂いでばれるかもなんて恐怖は抜けない。けど、せめて、あの人にだけは……。
    「陀沱ッ、」
     あーあ、何で見つけちまうんですか。ぐわつく視界の向こうには、耐えている表情の教祖サマ。さっきまで見つかりたくなかったなんて考えは一転して、一気に己の欲は溢れ出す。噛まれたい、抱かれたい。あんたの子供を孕みたい。そんな、自分勝手な欲がだくだくと口から零れて止まらない。
    「ねぇ、ナナサン。俺をあんたの番にしてください……♡」
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