Cutie magic4そして迎えたパーティ当日。
玄関ポーチで招待状を見せると、一般のゲストが通る玄関ではなく裏口の方へと案内される。そこは日陰もあって薄暗く、正面玄関の賑やかさとはほど遠い静まり返った場所だった。裏口、と言われて、粗末な扉があるのだろうかと想像したがそんなことはなく、近隣の家々の玄関でよく見るタイプのものが嵌め込まれていた。こういう場所にも気を抜かないのが金持ちなのだろうかと、庶民感覚しか持たない空はぼんやりと思った。
案内役の男はひょろりと背が高く、燕尾服を纏っていた。精悍な顔をしているものの物腰は穏やで「本日はご足労いただき、ありがとうございます」と恭しく礼をしてくる丁寧さだ。かえって恐縮しそうになる空だったが、隣のアルベドが凛とした姿勢を崩さずにいてくれたため、冷静さを失うことはなかった。
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