【常盤緑】 おやつ ひとり机の上に突っ伏して、窓から見えるムカつくほどに上天気な空と青々と茂る木々を睨んでいたらしい。
「また夏油とケンカしたのか」
呆れたような声に顔を上げれば、もうひとりの同級生が笑っていた。
「べっつにぃぃ」
「私はどうでもいいけど、やたら授業の進みが遅くなるのは迷惑だし、険悪な空気が双方から流れてくるのも鬱陶しい」
ばっさりと切って捨てるような言い方も、今まで扱われたことがないような雑な対応も、イラついたり憤慨したのも初めの頃だけで、今はすっかり居心地がいい。
「あんなに怒るとは思わなかったし」
「その時点で、自分が悪いって言ってるようなもん」
先を促すように視線を投げられ、渡りに船とばかりに、事の経緯を聞いて貰うことにした。
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