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    最近は今更ダンガンロンパv3

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    最獄(最ゴン?)のつもりだけどカプ要素はほんのり程度
    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15975000

    ##ゴン太関連
    ##最獄

    空っぽの×××・本編後妄想
    ・本編ネタバレ注意
    ・最獄要素はほんのり程度
    ・至らない点やおかしな部分が多々あると思いますが、ご了承ください





    「……原くん、最原くん!」

    ふと誰かの低い声で目が覚める、黒緑色のふわふわと乱れている長髪、紅く輝く穢れも汚れもない瞳、ぼくのクラスメイトの獄原ゴン太くんが僕を心配そうに見ていた、…どうやらぼくは木の根元ににもたれかかって寝ていたらしい、腰と背中が痛む。

    「大丈夫?最原くん、もしかして疲れちゃった…?ごめんね、ゴン太に付き合ってもらっちゃって…」
    「ううん、平気だよ」

    目を擦り朧げながら思い出す、そうだ、ぼくはゴン太くんに誘われて一緒に虫探しを手伝ってたけど…すごい運動神経で動き回るゴン太くんに追いつけなくて、疲れて寝ちゃったんだっけ…
    思い出す為に少しボーっとしている最原を気にかけたのか、獄原は最原にペットボトルを手渡す。
    最原はソレを受け取り「ありがとう」と言いながらペットボトルに口をつける、渇いていた喉が、身体が、潤いを取り戻し、少しだけだが頭が冴え渡った。

    「ぼくも寝ちゃっててごめんね、所で虫さんは見つかった?」
    「うん!トンボさんとか鈴虫さんとか!後、蝉さんも見つけたよ!」
    「もう秋なのに…蝉ってまだいるんだね…」

    8月が終わり、9月になると同時に気温は低くなっていた、まだ蝉が鳴いている事に最原は驚きつつも、獄原は少し目を伏せ

    「まだ少し暑いからね、でも…蝉さんは元々そんな長生きできない虫さんだし、お話した子はあんまり元気なかったから、そろそろ寿命は近いと思うよ…」

    寂しそうに蝉の事を話す、最原は確か蝉の寿命は役1週間程度だったかと思い出す、あくまで虫に関しては浅い知識の為獄原には劣る、それに
    …何故だかわからないが、ぼくも寂しさを感じた、蝉に対しての同情か、はたまた彼の純粋さと幼さ故の喋り方のせいか、それはわからずにいたが

    「あっ!そうだ!」

    突然寂しさから打って変わり、獄原は最原の左手を握りしめ

    「最原くんに見せたい物があったんだ!まだ間に合うかな!?」
    「えっ?えっ!?ちょっ……!!」

    獄原は最原を引き摺り回す様な勢いで、急いで自然の中を駆け抜ける。

    「う、うわああぁぁぁあああ!!!」

    _______________


    走り回っていた獄原はある場所に辿り着き、そこで足を止め、互いに少し服がボロボロになりつつも身体や服、髪に付いた葉や枝を払い落とす。
    …ぼくがゴン太くんに目をやると、走り回っている途中で虫に刺されたのか、頬が少し腫れていた。
    着いた途端、ゴン太くんは静かに真っ直ぐ、何かを見つめていた。
    ぼくがゴン太くんが見つめている方を見ると、そこには街を包み込み、今でも街が燃え上がる様な紅く、綺麗な夕焼けが広がり、僕らの手前にはススキが揺れ動き、蜻蛉が飛び回っていた。
    見た事のない夕焼けだった、今でも本当に、街が燃え上がりそうな程の、その夕焼けと赤い空は恐ろしくも、綺麗で。

    「最原くん」

    ゴン太くんは真っ直ぐ、夕焼けを見つめつつも、微笑みながらぼくに話しかける、その紅い瞳は夕焼けと重なり燃え上がっている様に見えた。

    「…今日はゴン太に付き合ってくれてありがとう、たまにで良いから、またこうやってゴン太と遊んでほしいな」

    寂しそうに言うゴン太くん、その時、ぼくの身体はぐらりと力が抜け、視線が揺らぐと同時に、
    ゴン太くんの身体が夕焼け空に包み込まれたかの様に赤く、燃え上がる様に見えて、ぼくは何故か、恐怖と、哀しみと、己の罪悪感に、胸が苦しくなる。どうして。

    「…そろそろ朝になるよ、起きなきゃ夢野さんや春川さんにおこられちゃうよ」

    揺らいだ視線は上を向く、夕暮れの空はいつの間にか、星が瞬く夜に変わっていた。

    ぼくは最後の力を振り絞り。


    「ゴン太くんッ!!」


    彼の名前を叫んだ、このまま意識を失ったら、何故かもう彼に会えない気がした。

    「…次は……さんや……くんも一緒に………」



    …部屋にアラームが鳴り響く、寝ぼけ眼でアラームを止める、上半身を起こす、酷く汗をかいたなと思い頬に手を当てると、何故か涙が溢れ出していた、何か嫌な夢を見た様な、…夢を見た記憶はあるが、内容がハッキリしない。

    「…最原よ、大丈夫か?」

    突然気だるそうな声に話しかけられてつい「うわっ!?」といつもの聴き慣れた声に驚いてしまう、声の方を見ると赤髪で小柄な同い年の少女…夢野さんだった、驚いたぼくに失礼とでも言いたいのか、頬を膨らませていた。

    「なんじゃ、元気そうじゃのぉ…心配して損したぞ…」
    「ごめん…夢野さん…」
    「朝飯ができておる、早くせぬとウチの魔法でお主を朝飯にしてしまうぞ?」
    「…わかった、すぐに行くよ」

    そんなやりとりをし、夢野さんはぼくの部屋から出て行き、扉を閉め…たと思ったら再度扉を開け

    「…そういえば最原よ、虫が蛹から出てきそうじゃぞ」

    そう言い残し扉を閉める。

    …そういえば、幼虫を拾って育てていたんだっけ、意外とムシャムシャと葉を食べる姿が可愛くて、指に乗っけて足裏の吸盤の感触と体のモチモチさに和んでいたりして…夢野さんにドン引きされてたっけ、その後育てている内に蛹になって…虫かごを見てみると蝶々がゆっくりと、蛹の中から出てきていた。
    刺激しない様に虫かごを持ち上げ、開いた窓の側に虫かごを置き、蓋を開ける。

    「…ご飯たべないと」

    軽く身支度を整えて、部屋を出て、朝食に向かう。


    蛹の中から出てきた蝶々はゆっくりと翅を整え、外の世界と羽ばたく、その日の空は快晴であった。
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