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    フジワラ

    @wt_0014
    WTじんあら派の19歳組箱推し🥳
    拙いですが、溢れるパッションから漏れ出た物をそっと置いています。

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    フジワラ

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    勢いで書いてしまった節分の嵐山家with迅悠一!
    シリアスはありません、そこにあるのは勢いと斜め上に行ってしまった嵐山家長男だけです……👹🫘

    2025/2/2

     二月に入っての最初の季節の行事といえば節分である。

     迅がいる玉狛での節分は、陽太郎がいるので木崎お手製の恵方巻を食べた後に豆まきをするのが恒例になっていた。
     もちろん豆をまくのは陽太郎で、鬼になるのは玉狛男性陣だ。その鬼役も木崎、林藤といて迅に役目が回ってくるのが三番目の優先順位なので……迅まで回ってくることがまずない。(木崎や林藤に比べて迅がやるとなんか鬼の迫力が足りないと陽太郎や女性陣に言われているために鬼役が回ってこないという事実は見えないし聞こえないことにしている)
     そんな玉狛の節分事情を昼休みに迅と嵐山は弁当を食べながら話していた。
     高校二年の男子高校生二人の昼の話題が節分だと……若干所帯じみているような気もするが……。
     玉狛の話を聞いた後に嵐山家の節分の話になるのは、双子の弟妹や家族を溺愛している嵐山にとっては自然なことだろう。迅もそれが当たり前として聞いている。
     今まで嵐山家の節分と言えば、鬼役は父親か今は亡き祖父だったらしい。そして嵐山はお兄ちゃんとして双子の弟妹を守る役目だった。
     今年は残念ながら父親が節分の日に出張になったらしく、ついに今年初めて鬼役を嵐山が務めることになったらしい。
     初めての鬼役を嵐山はずいぶんと張り切って楽しみにしているようで、わざわざ通販で鬼用のグッズを買ったと言う。
    「あ、そういえば……副と佐補が迅にメールを送りたいって言ってるんだ。二人に教えていいか?」
    「二人が?」
     焼きそばパンにかぶりつきながら迅は首を傾げた。
     嵐山の弟妹とは何度も嵐山の家に遊びに行っているので顔見知りだ。嵐山の弟妹なだけあって人懐っこく迅にも懐いてくれていたし、嵐山の家に泊まりに行ったときに四人で布団を敷き詰めて寝たりしていて、迅も二人とは仲良くしている。
     仲良くしているが、二人が迅になにか伝えたいときは嵐山を通していたので二人と迅が直通で繋がることは無かったし、それで不便を感じることはなかった。
    「別に構わないけど」
    「そうか、じゃあ二人に伝えておくな!」
     焼きそばパンを飲み込んで頷く迅の返事を聞いて、嵐山は早速二人に連絡を取り始める。
     そのとき、嵐山を通して視えた光景に迅は動きを止めた。
    「……ん? ……んん?」
     なにかの間違いかと思い、改めて嵐山を視る……が、サイドエフェクトで視えたものは変わらなかった。むしろ高い可能性で確定しそうな未来だ。
    「迅? どうした?」
    「……ん、ううん……なんでもない」
     双子が号泣している。
     そんな視えた未来を、迅はあえて嵐山には伝えなかった……。
     そうしているうちに、迅のスマホが着信を知らせてくる。見てみると、早速送られてきたのは副と佐補からだった。それぞれ二人ほぼ同時というあたりが双子らしい。
    「二人からか?」
    「うん、そう。節分に家に遊びに来ないかって」
    「そうか、来るんだろ?」
    「そうだね……予定ないしお邪魔しようかな」
    「うん、一緒に豆まきしよう! 楽しみだな!」
     迅も参加すると聞いて嵐山が嬉しそうに笑った。
     確かにその日は防衛任務も当たっていなかったし、副と佐補からは「兄ちゃんが張り切りすぎて手が付けられなくなったら困るからぜひ来てください」と切実なヘルプが来たし、そしてなによりも見えた双子の未来が気になる……。
     そんな訳で、迅の今年の節分は嵐山家の節分に参加することになったのであった。
     
     
     節分当日。
     学校帰りにそのまま迅は嵐山家に行き、双子からの大歓迎を受けて夕飯の恵方巻をごちそうになった。
     副も佐補もずっと楽しそうで、視えていた号泣する気配はまったく見られないのだが……それでもずっと二人が号泣する未来が見え続けている。
    「じゃあ、そろそろ豆まきするか! 準備してくるからちょっと待っててくれ」
     そう言い残して嵐山は準備のために自室へ向かっていく。
     迅は双子と一緒に豆まき用の豆を準備する。玉狛では後からの片付けが楽なので落花生を用意しているのだが、嵐山家では大豆だった。
     節分の後に予想外の場所から豆が出てくるという話をしている内に嵐山の用意ができたらしく、「もういいかー?」とドアの向こうから聞こえてくる。
     豆の入った升を持ち、双子と一緒にいいよと言うと、静かにドアが開いた。
     
     次の瞬間、嵐山家の居間が恐怖で静まり返る……。
     
     ゆらり……とドアの向こうから現れたのは……鬼というか、般若だった。
     ものすごく不気味なリアルさを追及したとしか言いようのない般若の面だ……それに山姥を思わせるような毛と死装束を思わせる白い着物、手にした血塗られた包丁……。
     一言で表すのであれば、恐怖。
     底知れぬ……そんじょそこらのホラー映画なんか敵わないほどの恐怖だ。
     
    「……っ!」
     
     とんでもなく怖い、その姿と雰囲気にまだ小学生である双子が耐えられるわけがなかった。
     迅の両腕にすがり、双子が……恐怖で泣いた。
     これか……! これが視えていた光景か……!
     これは仕方ない……相手は嵐山だとわかっていても、迅ですらもあまりの恐怖に身がすくむ思いだ。
     しかも……ここで止めておけばいいのに、張り切って鬼になることに使命感すら抱いている嵐山は恐怖に泣く双子を追いかけ始めた。
     もちろん、双子も迅も逃げた。
     全力で恐怖の般若から逃げた……そして恐怖の般若は追いかけて来る……全力でどこまでも追いかけて来るのだ!
     これには双子は大号泣である。
     迅も怖くてちょっと泣きそうだった……叶うことならばトリガーをオンしたいくらいだ。
     もうそこには豆まきなどはなかった。そこにあるのはただただ恐怖と混乱と号泣の阿鼻叫喚だ……。
     しかも、それは嵐山の母があまりの阿鼻叫喚に駆け付けて「じゅ、准ー!」と叫ぶまで続き、……後で嵐山はやり過ぎだと母より盛大に叱られたのである。
     
     
     この年の節分は嵐山家長男般若節分事件として語り継がれ(迅と嵐山家の中で)、翌年は迅の暗躍に暗躍を重ねて節分に嵐山のスケジュールが埋まるようにして嵐山家の節分の平和が守られたのであった。
     
     ***
     
     少し遅めに起きたので朝食兼昼食として木崎が用意してくれたサンドイッチを食べている迅に木崎がコーヒーを入れながら話し掛けてきた。
    「今年の節分だが、玉狛第二のやつらもいるから鬼役を増やそうと思う」
    「あー、もうそんな季節か。うん、わかっ……」
     今年は玉狛第二のメンバーも加わっての節分になる。玉狛第二はもう中学生だからとは思うが、近界民である遊真は豆まきは初めてだろう。いろいろなことを経験させたいと思っているので、盛大に行う予定のようだ。
     それはいい、玉狛の節分はそれでいいと思う。
     ……迅は大変大きなミスを犯していたことに今、気付いてしまったのだ。
     最近またいろいろと忙しくてカレンダーの曜日感覚も行事のことも頭からすっかり抜け落ちていた。だからすっかり忘れていたのだ。
    「うおおお……節分! やばっ!」
     急に立ち上がり叫びだした迅に木崎が驚くが、迅はそれどころではない。
     慌てて副と佐補の未来を視る……大丈夫か? さすがにもう大丈夫だよな? そう思いながら、いや願いながら視ると迅は頭を抱えた。
    「なんでまた号泣コースなんだよお!」
    「迅? どうした?」
    「なんでだ……もうあの二人中学二年生だぞ……もう般若はおばさんに禁止されてるのに、なにやるつもりなんだあいつ……ってか、おじさんどうした……あーまた出張かよ」
     木崎の声も届かず迅は頭を抱えたままブツブツとなにか言い出したと思うと急にスマホを取り出して電話をしようとしたが、それと同時にメッセージを受信したらしい。受信したメッセージを読んだ迅はまた頭を抱えながらそのまま電話をかけた。
     
    「おおい! おまえ節分……あ、うん双子から誘われたけど……いや、行くけど……。そうじゃなくて! おまえなにするつもりだ? まさかまた般若……お、おう……さすがにもうしないならいいんだけど……いや、別に期待してないから! 泣いてもないから! ……じゃあなにするつもりなんだよ……はぁ? 当日のお楽しみじゃないんだよ! 早く言えよ! ……ん? んん? 綾辻って言った? 今、綾辻って言ったか? 綾辻遥画伯の鬼のお面……だ……と?」
     
     この年の節分、迅悠一が嵐山家の節分へ暗躍することをうっかり忘れたために……斜め上に張り切ってしまった長男によって嵐山家は再び、阿鼻叫喚の様相を呈したのであった。
     

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    フジワラ

    DONE秋のじんあらでお月見🎑をテーマに書いてみました。

    秋の行事がなぜか芋掘りしか思い浮かばなかったんですが……🌸さんが「お月見」っていう素晴らしき行事を…しかもそのテーマをくれると言ってくれたので「うっほお!書く書く!」ってなっていたんですが…なんだかんだでこんなに遅くなってしまいました…。雪降りだしちゃったよ……。
    でも、せっかく書いたのでそのままアップしちゃいます~。

    2024/11/25
    「お、とっきー。いいとこで会った」
    「迅さん」
     本部の廊下にて、隊室に戻ろうと一人歩いていた時枝の後ろから迅が声を掛けてきた。
    「嵐山さんなら隊室ですよ」
    「いやいや、これから防衛任務でしょ。だからさ、伝言頼まれてくれない?」
     手にしていたぼんち揚を時枝に差し出しながら、迅はそう言った。
     
     
    「そろそろ時間だな。綾辻」
    『はい、辺りに門の反応はありません。もうすぐそちらに引き継ぐ隊も到着します』
     夕方から夜にかけての防衛任務が終わる時間、インカム越しの綾辻からの言葉に嵐山は頷く。
    「よし、じゃあ今日はこれで終わりだな」
     すっかり日が暮れて暗くなってしまっている時間だ。嵐山は自分がもうすぐここに来る隊に引き継ぎを行うために残るので、時枝と佐鳥に女性陣の木虎や綾辻󠄀を送っていくように指示を出す。
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