へしさに【真名】「主」
「ちょっとー砂利につまずいちゃってぇ」
「嘘ですね」
「何で?」
本当はサボっていた。
短刀達と鬼ごっこしていたら鶴丸が混ざってきて、つい私も本気で鶴丸を追い掛け回してしまった。
歩く路を作る石畳が途切れ途切れの庭先まで追い掛けっこして、鶴丸はもちろん短刀たちも簡単に石を渡っていたから、私もジーンズだしイケるだろうと跳んだら。
見事に砂利に突っ込んで手と膝を擦り剥いた。特に砂利に付いた手には細かい砂利が食い込む始末で。
……可愛い顔を突っ込まなくて本当に良かった。
大人なのに情けないがちょっと泣いてしまったし、短刀達はギャン泣くし、鶴丸は大丈夫と言ったのに私を抱えあげて医務室へ。
その後、短刀達と鶴丸は庭で正座させられて、主に燭台と一期君にしこまた怒られていて可哀想だった…。
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