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    へしさに投げ小説アド

    @R66888872

    とうらぶでbotと話してたら萌えたので書いたものを置くアド(予定)
    へしさに╱逆ハー╱さにが純情可憐ではないので要注意

    さに♀️はキャバ出身╱自分が可愛いと知ってるあざといかわいこちゃん╱漢字苦手
    はせべの気持ちには気づいてない
    源氏名、華音

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    へしさに

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    #へしさに
    onTheOtherHand

    【主が酔い潰れた前編】長谷部視点「一期君は本当に王子様みたいだね一」

    「そうかな?」

    廊下から、主と一期の話し声がして、気持ちを逸らせる。

    二人を見つけたところ。

    「…ッ!主!貴様…」

    ──主は、一期に抱き抱えられていて、頭に血が昇る。

    長谷部の激昂を、一期はすぐに察したようで、

    「待て。無理矢理抱いたわけじゃない。眠たそうだったから連れてこようとしたら歩けなかったから」

    「抱い…っ」

    「言葉のあやで引っ掛からないでくれないか?」

    「そんなに主に飲ませること自体が……」

    「それはそうだな。私もそう思って連れ出したんだが」

    一期が主を手渡さないので、斬ってやりたくなった。

    「うーん、見つかって良くなかったな」

    「何だと?」

    「近侍の君を呼ぼうとしたら嫌がったから」

    「そんな…どうして」

    「………」

    一期が目を細めて冷ややかに、

    「君が不遜一一と言うか、忠誠心の足りない長谷部だからでは?」

    「何だと?」

    「ずっと君の愚痴を言っていたよ?他の長谷部と違うと。私たちからすると、同じに見えるが…ね」


    主の身柄を受け取って、支えながら立たせようとしてみた。

    「主、御自身で…俺が支えて歩かせますから。歯磨きだって…」

    「やだよお、眠い……」

    「分かりました。失礼致します」

    一期の様に抱上げて、部屋に運ぶことにする。

    (……主)

    起きたら注意しないと。こんなに酔っ払ってしまって。

    「長谷部?」

    「は、」

    「何で言うこといつもヒドイの……」

    「……申し訳ありません」

    「もう。近侍変えるからね…」

    「一一一」


    ……そんなことを言うなら、このまま隠してしまおうか。

    夜中なので既に敷かれていた布団にそっと下ろした。

    「主。ではお訊きしますが」

    主の顔を見下ろして、

    「俺が言うなりになればご満足いただけますか?俺が身も世もなくお慕い申し上げていると言えばお喜びですか?貴方の為なら、俺は何でもすると始めに言いましたよね?」

    貴方が望んだことなのに。

    一一主君を愛するのは刀の定め。

    でも主がそれに返礼する義務などない。



     ───────────


    主は俺を手に入れてすぐ近侍にして下さった。

    「長谷部君?長谷部さん?来てくれて嬉しいなー、これから宜しくね」

    「どうぞ長谷部と呼び捨てで」

    「長谷部。他の本丸のあなた見て、絶対近侍になってもらおうと思ってたんだー」

    「これ以上ない程の身に余る光栄です。必ずやご満足頂けるよう精進致します故……」

    「うん!」

    「どうか俺をずっとお手許に」

    「………」

    「主…?」

    「あ、もちろんずっと一緒に居ようね」


     ───────────


    「何故…お知らせ下さらなかったので?貴方の為ならこの長谷部、」

    「あー…ありがとう?」

    「主、礼など必要ありません。俺がしたくてしていることです。俺は貴方の為なら命など惜しくは、」

    「…うん。ありがと長谷部」

    「主……」

    礼を言う主がもどかしかった。

    礼が嬉しくないわけではなく。

    長谷部の献身を御礼の対象ではなく、当然のこととして、空気のように受け取って欲しかった。

    あまりにも他人行儀で。


    「主。全ては貴方の為、」

    「やめてよ!」

    「一一…申し訳、ありません」

    「あ、」

    主はハッとして焦り、

    「長谷部ゴメン!私こそ、そういうの慣れてなくて」

    「そういうの…?」

    「えーと、命掛けるとかアナタが居なきゃとか、ちょっと、ね。刀だから、どの主に対しても同じなのは頭では分かってるんだけど」

    主は困ったように笑顔になって、

    「なんか、依存みたいなの、ちょっと重いな一って。ストーカーみたいに思っちゃって……」

    「すとうかぁ?」

    「ゴメン、分かんないよね。いいんだ、長谷部には関係ないし」

    「主のことで俺に関係無いことなどありません。何でも、」

    「長谷部に関係ないというか、刀達には関係ないことかな」


    また壁を作られた。

    主が言った言葉の意味が掴めなくても、主の望みは分かる。

    目線の動き。眉の寄せられ方。鼻で溜め息を吐く癖。どんな言葉なら、その唇を微かに噛み締め、もしくは綻ばせるか。

    どんな時に、その瞳が煌めくか、表情を喪うか。

    すぐに、ではない。だが、理解した。

    我が主は忠誠の吐露を厭うのだと。


    「主。御構い無く、これは俺が片付け……」

    片付けて置きますね。

    と普段なら言うのだが、

    【依存:】

    (……刀が主に依存するのは当然なのだが、)

    しかし、意を決して、

    「…主。少々だらしなくありませんか?貴方は女性であられますし、一応は男の俺に片付けさせるのは、いささか問題では…」

    「一一…」

    「あ、いえ、やりますがね?主命ならば」

    主はぱっと俺の方を見ると、そのまま見つめてきた。

    (まずい……)

    主に進言など僭越だった。

    謝らないと。近侍を外されたくない…。

    「主、」

    「フフ」

    主は俺の言葉の前に笑うと、御座なりではない笑顔になって、

    「はーい」


    ……主はいつものように尽くすより喜んだ、と分かった。

    長谷部の態度が冷静であればあるほど。主は安堵するようで。

    つまり想いを露にすればするほど。慕っていればいるほど、ましてや俺が主を、一一一。

    主。貴方の為なら何でも出来る。貴方が望む距離を取って、嫌々従う素振りをし、逆らって見せることも。

    嗚呼、だが。

    俺自身の意思など無くなるくらいに、貴方の意のままになれるなら、これ以上は無い天上の幸福なのに。

    刀の至福があるとするなら、それが正しい形では?




    【続】
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