出会い編 一
素山猗窩座が幼馴染である恋雪から緊急のSOSを貰ったのは五月になったばかりのある晴れた日曜日のことだった。
『猗窩座くんお願い! 助けて!』
そんなメッセージで叩き起こされスクーターで向かったのは近所の小さな遊園地。恋雪が最近アルバイトを始めた場所である。
ここは都内からのアクセスもよく施設も充実していてなかなか人気の遊園地だ。休日になればカップルや親子連れで賑わう観光スポットである。スタッフに案内されたのは大きな野外ステージ。これから何かイベントでもあるのだろう。その観覧席はほぼ埋まり立ち見までできているようだ。
その裏手に回れば呼び出した当人である恋雪が可愛いユニフォーム姿で猗窩座の事を迎えてくれた。
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