朝も夜もずっと①Idiaサイド
遠くに聞こえる鳥のさえずり。
瞼を刺激する朝日の光。
そろそろ目を覚ませと言わんばかりの外界からの刺激に、まだもう少し微睡んでいたいと寝返りを打つ。
おもむろに腕を伸ばせば、隣で眠る君の体温が。
「…無い」
その事実に気づい瞬間、全身の血の気が引いたと同時に飛び起きた。
見れば、昨夜一緒に眠りについたはずの彼がいない。
「マ、マレウス!?」
「どうしたイデア?」
あまりの恐怖に叫ぶと、柔らかな声が後ろから聞こえてきた。
思わず振り向けば、そこにいた。
「おはよう」
自分の愛しい伴侶が、柔らかな笑みを浮かべて自分を見ている。
その事実を認識すると、先ほどまでの恐怖が一気に霧散し、力尽きるようにベッドに沈んだ。
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